【祝】世界の名著読破記念【喜】
皆様、こんにちは! 最近めっきり何も書かなくなった自称作家の あまおう まあお です^ ^ノ
いや、本当は書いているんですよ。ただ余裕がなくてwebに出せるような軽いものは書いていない、とか、単純に忙しすぎて出している時間がないとかそんな理由です。スミマセン……m(_ _)m
そんな中でも年始に急に思い立って中公社「世界の名著」シリーズを読破しましたので全巻レビューをお届けします。
例によって最後に私の個人的なおすすめ巻も挙げておきますので、ぜひ 頑張って 最後までたどり着いてください^ ^b
まず、全巻読んでみてよかったことは、このシリーズの構成が「完全年代順」になっているので順番に読んでいくだけで歴史の「縦軸」が一本すっと通ること。
宗教から物理や社会学まで81冊もあれば、興味をもてない分野の本もあるものですが、それでも年代順に読んでいくことによってなんとなく一回筋が見えた感じはしました。
あまりに長い本は抜粋だったりするので、このシリーズのコンセプト自体が一冊一冊を丁寧に読み込むより、壮大な人類の歴史を感じさせたいというところにあるのかもしれません。
他によかったことと言えば、今まで名前だけは知っていたけど実際には読んだことのなかった著者の本が大量に読めたことでしょう。名前と概要だけ聞いていた人も、読んでみると意外と印象が違ったり、へえと思うようなことを言っていたりして個人的に面白く感じました。やはり読んでみないと、なかなか分からないものですね。
そしてとりあえずこれだけは言っておきたいのは、世界の名著を読破したからと言って賢くなるとかモテるとか、そういうことは一切ないということです。特にこれといって何か変わることはないけれども、まあ人生で一度、押さえておくべき人類の叡智を駆け足で一通り読みましたよ、とそういう記憶がうっすら残るだけです。履歴書には書けない実績がまたひとつ自分の中だけで積み上がりましたm(_ _)m
そんじゃ前置きはこの辺にして、役に立つとは思えない全巻レビュー、とっとと行くよ~!
2022/01/15
【世界の名著1/81】「バラモン経典・原始仏教」
おそらくこれから世界の様々な思想や哲学を読むことになるのだが、紀元前5世紀(諸説あり)の釈尊がすでに「無我」と言っている。
バラモン教で語られたアートマンについて釈尊の回答。人類はこれを越える思想に出会えるのか。
まずは一冊目、#読了
2022/01/19
【世界の名著2/81】「大乗仏典」
こういう本が読みたかった。釈尊没後興った大乗仏典から維摩経・宝積経などの特に重要なものを訳して紹介。
長尾雅人先生による解説もしっかりとまとまっている。が、議論の内容が高度で仏教用語・概念が満載のため内容は非常に難しい。
興味はあるし、どうにか #読了
2022/01/24
【世界の名著3/81】「孔子・孟子」
論語と、孟子はおまけ程度。論語は短い句から存分に孔子という人間が浮かび上がる名著。思っていたより生き生きした描写に驚く。
反面、思想としては現代人の目からは素朴で理想主義の域を出ないと思う。
哲学としての深みは仏教の方が面白いと私は感じた。
#読了
2022/01/27
【世界の名著4/81】「老子・荘子」
ともに無為自然の思想を説く。荘子は饒舌であるが故に言葉のもつ人為性と語られる思想との間で苦しんだように見える。かつこれは明らかに複数人の共同執筆だろう。
朴訥とした老子の方が思想と語りが一致していると思うが、その分難解で誤読も誘うだろう。#読了
2022/01/29
【世界の名著5/81】「ヘロドトス・トゥキュディデス」
歴史の語り方や資料的価値は高いだろうが、思想面では面白みが少ない。美しさや強さ、勇敢さ、そして矜持というようなものは読み取れるものの、この時点では東洋思想の方が深みがあったか。
ホメロスは文学だから収録されなかったのか? #読了
2022/02/02
【世界の名著6/81】「プラトンⅠ」
素晴らしい! これぞ名著中の名著だろう。哲学談義とは言いつつ、圧巻の筆致は文学作品として大いに味わい深い。
ソクラテスの弁明~パイドンに至る最期の様子は気高く美しい。
が、それでいてソクラテスの性格や奇人ぶりが面白おかしい。プラトンⅡも楽しみ #読了
2022/02/03
【世界の名著7/81】「プラトンⅡ」
「国家」とその周辺。前巻と違いここに出てくるソクラテスは奇人ではない。察するにこのソクラテスは著者本人なのだろう。
そういったことを考えると、私は著者に対して異常な興味を覚える。
現存するプラ様の全著作を所有して読みたいと心から思う。麗しき #読了
2022/02/05
【世界の名著8/81】「アリストテレス」
何言ってるか全くわからん……(呆然)しかし「なぜ」こんなこと言ってるかは推察した。この人プラトンの弟子なんですが、ソクラテスの問答法って厳密じゃないですよね。その批判からロジカルに書きたかったのかなと。
お陰様で難読にも程がある!無理やり#読了
2022/02/06
【世界の名著9/81】「ギリシアの科学」
アリストテレス、ヒッポクラテス、エウクレイデス、アルキメデス、アリスタルコスの論文収録。読んだが内容の正しさを検証していると私の寿命が尽きそうなので、未確認。
これで一度ギリシアを離れ、次は紀元前の中国へ。あっちへこっちへ忙しいな #読了
2022/02/08
【世界の名著10/81】「諸子百家」
墨子・孫子・荀子・韓非子。仏教やギリシアに比べて実践的内容が多く、観念論が少ないのに驚く。
ギリシアがより精密に論証しようと努めたのに対し、諸子百家は文学性が重視されているように思う。
内容を読むと、暮らしぶりは相当に文化的で質が高そう。
#読了
2022/02/10
【世界の名著11/81】「司馬遷」
史記列伝。総じて悲劇的な話が多い。紀元前一世紀に、これだけ古く詳細な歴史の挿話が収集できる時点で文化水準は高い。
内容を見ても、戦争ばかりしているが法律・税・貨幣鋳造などすでに国家としての枠組みは完成していた模様。
わが国は……弥生時代ですかね。#読了
2022/02/11
【世界の名著12/81】「中国の科学」
九章算術(数学)、漢書律暦志(暦法)、晋書天文志(天文学)、黄帝内経素問(医学)。
成立年代が広いので単純比較はできないがギリシアより実学志向かと思う。黄帝内経素問は読み物としても面白かった。
取り急ぎ古代中国から抜け出し、次はまた西洋へ戻ります。 #読了
2022/02/12
【世界の名著13/81】「聖書」
旧約から創世記、出エジプト記、イザヤ書、伝道の書。新約は四つの福音書とローマ書、ピレモン書。
かなりコンパクトにまとまっていて読みやすい。が……ヨブ記は本当に入れなくてよかったのか? いやそんなん言ったらあれもこれもとキリがないか。ざっくりと #読了
2022/02/13
【世界の名著14/81】「キケロ、エピクテトス、マルクス・アウレリウス」古代ローマよりストア派並びにその影響下の思想家。
お気づきでしょうか。セネカさんが選外です! 意外ですが、おおむねストア派は読んだことにします。
やはり「自省録」は個人的に好きですね。さすが哲人皇帝。
#読了
2022/02/15
【世界の名著15/81】「プロティノス、ポルピュリオス、プロクロス」
新プラトン主義者。プロティノスの「一者」を中心に論文収録。あとの二人は彼の弟子。
まず「一者」が何なのかよく分からないし、有体に言えばなぜ「一者」を考える必要があるのかが分からない。
神秘主義のにおいがする! #読了
2022/02/16
【世界の名著16/81】「アウグスティヌス」
いつか読もうと思っていた「告白」
文学調でスラスラと読みやすいがひたすら、長い。若い頃の放蕩ぶりはなかなか。
意外なことに神と私との比較の中で自我を獲得しているように読めた。
時間論の萌芽が見られるが、まだ素朴で芯を捉えたとは思わない。
#読了
2022/02/17
【世界の名著17/81】「コーラン」
最近では「クルアーン」というそうです。神の言葉を翻訳すべきでないということで、厳密には日本語訳というより日本語で書かれた注釈書というものに当たるようです。
とりあえず次はまた中国に戻ります。そろそろ東洋も紀元後になっているはずです!
#読了
2022/02/18
【世界の名著18/81】「禅語録」
菩提達磨無心論、六祖壇経、臨済録、洞山録、祖堂集。
なるほど、わからん!
道元禅師は命がけで留学して、こんな難しいことをしかも外国語で学んで来られたのかなあ、などの感想を持ちました。
わかったことは黄檗・臨済キャラ濃いめ、ということだけです。#読了
2022/02/20
【世界の名著19/81】「朱子、王陽明」
文集・語類抄(朱子)、伝習録(陽明)。
既に朱子・陽明とも古典になってしまった今、彼らを読むのと孔子・孟子を読むのでどちらが易しいということはないだろう。
むしろ朱子も陽明も論語より先に「大学」を読めと言っていることが心に留まった。
#読了
2022/02/21
【世界の名著20/81】「トマス・アクィナス」
大著「神学大全」第一部より。神についてその性質を参考文献を示して述べる。
膨大な知識を理路整然と並べてあるので理解しやすい。が、テーゼ・アンチテーゼ・結論の繰返しは単調で、二項対立という壁も感じた。
実に中世ヨーロッパらしい一冊。#読了
2022/02/24
【世界の名著21/81】「マキアヴェリ」
君主論、政略論。前者は再読。知らない国の大昔の歴史で知らない話ばかりだが非常に面白く読めた。
私はこの人を歴史家と思う。訳文の素晴らしさもさることながら、おそらく元の文章が相当うまく、かつ著者は聡明。
世間であまりにも評判が悪いのが解せぬ。#読了
2022/02/26
【世界の名著22/81】「エラスムス、トマス・モア」
痴愚神礼讃、対話集(エラスムス)、ユートピア(モア)
モアは再読。いずれも非常に文学的な作品。喜劇調の風刺が小気味よいエラスムスの本職はカトリック司祭。カトリック批判も書かれているが当然のように禁書処分。モアは色々あって処刑された。#読了
2022/02/27
【世界の名著23/81】「ルター」
私は先にプロテスタント系で聖書を軽く学習してしまったので、むしろこれがスタンダードに見える。当時の背景を考えれば革新的だったはずだが全くそう感じられないのは残念の極み。
反面、語録からすると少し変わり者なのではないかと思った。納得感ないままに #読了
2022/02/28
【世界の名著24/81】「モンテーニュ」
エセーより抜粋。皆が神について考えていた時代に、一人塔にこもって「私」を発見した読書家。
同時代の人より一歩先に中世を脱しているようだ。面白いとは思うが長いので読破は骨。
なお同時期、わが国では室町幕府が終了するとかしないとかそのあたり。#読了
2022/03/02
【世界の名著25/81】「ベーコン」
随筆集、学問の発達、ニュー・アトランティス。ようやく近代に入り、神学と哲学が分離される。
どこかでベーコンと言ったら「イドラ」と習った気がするがイドラという言葉は出てこなかった。錯誤については記述あり。
同姓同名の画家がいるが、親戚らしい。#読了
2022/03/04
【世界の名著26/81】「ガリレオ」
「レ・メカニケ」この時代の論文は数式をできる限り使わず著述するのだろうか。
「偽金鑑識官」ある論文への反論。概ね合っているのだろうがディスりがひどい。内容は「彗星とは何か」。このような論争が無数にあって今の科学があるのだろうなあ、など。#読了
2022/03/09
【世界の名著27/81】「デカルト」
世界論、方法序説、省察、哲学の原理、情念論、書簡集
私の考える最も哲学らしい哲学を始めた人は彼だと思う。思想史の転換点の一つはここだろう。
一方で中世から続くキリスト教的視点は継承していると感じた。これが忖度かどうかは私には判断できない。
#読了
2022/03/11
【世界の名著28/81】「ホッブズ」
リヴァイアサン。有名な「自然状態」以外にも人間の本性だとかキリスト教について書かれている。
一読して理解できたわけではないが、明確に書かれているので誰でも精読すれば主張がはっきり受け取れるだろう。
その結果、批判を浴び最終的に有害指定された。
#読了
2022/03/13
【世界の名著29/81】「パスカル」
パンセ、小品集
論というより箴言集か。キリスト教について言及することが多いせいか、読むまで中世の人だと思っていた。
哲学者にしては早熟早世だが、先人たちと比較すると確かに若さを感じた。
個人的には、哲学者よりむしろ数学者として認識している。
#読了
2022/03/18
【世界の名著30/81】「スピノザ、ライプニッツ」
エティカ(ス)、形而上学叙説、モナドロジー、小品集(ラ)
スピノザはこのシリーズ30冊中で最も難しいと感じたが、読み進めるうちに爽快感を得た不思議な書。いずれ再読したい。
ライプニッツは小論が多いらしく、ならではの思想を掴み取るのは困難かも。#読了
2022/03/20
【世界の名著31/81】「ニュートン」
自然哲学の数学的諸原理
人類への功績という点で最高レベルに寄与した著作。古典力学、微積分以外にも(たぶん)流体力学まで言及。
彼も妙なエピソードはあるようだが、一読して個性が炸裂したガリレオとは違って真面目な印象。
内容は物理の教科書参照。
#読了
2022/03/23
【世界の名著32/81】「ロック、ヒューム」
人間知性論、統治論、寛容についての書簡(ロ)
人性論、原始契約について(ヒ)
英国黄金期に突入。ロックは自由主義の父と呼ばれるだけのことはあり、比較的すんなりと読めた。ただし経験論については個人的に疑義あり。本当に人はタブララサなのか?
#読了
2022/03/26
【世界の名著33/81】「ヴィーコ」
新しい学。
率直に言って難しい。論文のようだが、私の読解力では論旨や論理構成を掴むことが困難で読むだけでも難儀した。
歴史や文学について語られているが解釈も表現もおそらく相当に独創的。とりあえず読み通した。
この頃日本は暴れん坊将軍の時代。
#読了
2022/03/28
【世界の名著34/81】「モンテスキュー」
ペルシア人の手紙、ローマ衰退原因論、法の精神、裁判の公正を論ず
この人が小説まで書いているとは知らなかった。法の精神についても話に聞いていたのとだいぶ違って歴史研究の結果との印象。
先のヴィーコと同世代だが、感性が明らかに現代に近い。
#読了
2022/03/30
【世界の名著35/81】「ヴォルテール、ディドロ、ダランベール」
哲学書簡、哲学辞典(ヴ)、ブーガンヴィル航海記補遺(ディ)、百科全書序論(ダ)
18世紀フランスの思想家たち。主に啓蒙思想。ブーガンヴィル~に高貴な野蛮人が出てきたことは分かった。
フランス革命が起きる前の話です。
#読了
2022/04/02
【世界の名著36/81】「ルソー」
学問・芸術論、人間不平等起原論、社会契約論、エミール。
非常に多才な思想家。難しい概念もあったが、基本的に文章に躍動感があって読みやすい。おそらく原文が相当うまいのではないかと思う。
告白が採録されていなかったので、探して読んでおこうと思う。
#読了
2022/04/06
【世界の名著37/81】「アダム・スミス」
国富論
難しい箇所もあるが面白い。資本主義はこのような理知的・理性的なモラリストから生まれたのか。
それが今やブラック企業や価格競争に代表される利己的で貪欲な腐敗したものに成り下がったのは驚くばかり。
この理論、人類には早かったのでは……#読了
2022/04/16
【世界の名著38/81】「ヘルダー、ゲーテ」
人間性形成のための歴史哲学異説、シェイクスピア、彫塑(ヘ)
文学論、美術論(ゲ)
18世紀~19世紀ドイツ。芸術論的なことをやっていた模様。中世あれだけ語られていた神については言及少なく、あくまでも人間が中心のように読めた。
#読了
2022/05/11
【世界の名著39/81】「カント」
プロレゴーメナ、人倫の形而上学の基礎づけ、人倫の形而上学
この編集をご覧ください。三批判書は自力で読め、ということです。以前挫折した実践理性批判よりは何が書いてあるか分かった気がしますが、率直に申し上げて私はこの人の文章が苦手ですToTノ
#読了
2022/05/13
【読んだ】「フランクリン自伝」
不思議な読み口。
文章も闊達で挿話も面白く、学びもありそうなのだが、まったく文学的ではないなと途中で気が付いた。
当然、悪いことではないが逆に文学的と私が感ずるものは何なのだろうと考え込む。
米国建国の父。そもそも文学者でもない。#読了
2022/05/15
【世界の名著40/81】「フランクリン、ジェファソン、マディソンら、トクヴィル」
テーマは米国。
自伝(フ)、独立宣言他(ジェ)、ザ・フェデラリスト(マ)、アメリカにおけるデモクラシーについて(ト)
このうちトクヴィルのみフランス人。辛辣ながら非常に面白いのでいずれ全文を読みたい。
#読了
2022/05/19
【世界の名著41/81】「バーク、マルサス」
フランス革命についての省察、自然社会の擁護(バ)
人口論(マ)
バークは文章がとんでもなく巧いんだろうなという印象。内容はマルサスの方が面白かった。
だが人口論の予測通りに現実世界はならなかった。誤りというより、複雑系なんだなあとの感想。
#読了
2022/05/20
【読んだ】Rオウエン
どんなに賢い人が真剣に考えた「理想の社会体制」も実際には意図した結果に結びつかないはずだ。
なぜならそれは複雑系だから。
どうしてこれだけ賢そうな人がそんな簡単なことに気づかないのか分からない。が「富くじはよくない」という意見には激しく同意したい。#読了
2022/05/21
【世界の名著42/81】「オウエン、サン・シモン、フーリエ」
社会にかんする新見解他(オ)、産業者の教理問答(サ)、産業的協同社会的新世界(フ)
いずれ劣らぬ個性派で、著作ばかりか略歴も異色。
三大ユートピア社会主義者らしいがオウエンは英、他は仏。
ユートピアと言われるのも頷ける内容。
#読了
2022/05/22
【読んだ】フィヒテ「人間の使命」
なんという真面目さ。決して悪いことではなかろうが、同じ真面目にしてもプラトンにあった思索の伸びやかさ・ユーモアなどは感じられない。
おそらく一神教の影響かとは思うが、これがドイツ観念論……私にはついていけない。も少し肩の力抜かはったら? #読了
2022/05/24
【世界の名著43/81】「フィヒテ、シェリング」
知識学への第一序論、人間の使命(フ)
ブルーノ、人間的自由の本質およびそれと関連する諸対象についての哲学的研究、哲学的経験論の叙述(シ)
ドイツ観念論。神を思考の中心とすることで唯識とはまた違った展開。プラトンとも違うなあと感じる。
#読了
2022/05/25
【世界の名著44/81】「ヘーゲル」
精神現象学序論、法の哲学
本当に必要最低限の刈り込んだ言葉による著述と思えない。カントのような情熱もフィヒテの真面目さも感じられず、むしろ敢えて読者を煙に巻き読む努力を強いているかのようで、好きになれない。
私の頭が悪いだけかもしれませんが。
#読了
2022/05/27
【世界の名著45/81】「ショーペンハウアー」
意志と表象としての世界
観念論全盛期に同じドイツで書かれた個性的な一冊。時折言い過ぎと思える箇所もあるが、全体的に文学的かつ意味の通る美しい文章で構成される。
有名な「幸福について」はこの本の「余禄と補遺」として書かれたエッセイ。
#読了
2022/05/28
【読んだ】コント「社会再組織に必要な科学的作業のプラン」
大学の時必要に迫られて(単位欲しさ)社会学の講座に出た。申し訳ないが文学や法学や科学に比べて「何を目的として何を論じたいのか」分からない学問だと思った。
社会学の父の主著。読んで初めてこの学問の意図に少し触れた気がした。#読了
2022/05/30
【世界の名著46/81】「コント、スペンサー」
社会再組織に必要な科学的作業のプラン、実証精神論、社会静学と社会動学(コ)
科学の起源、進歩について、知識の価値(ス)
実証主義。両名とも科学を重視するようだが、果たしてこれが科学的思考なのかは疑問がある。コントは仏、スペンサーは英。#読了
2022/06/01
【世界の名著47/81】「ランケ」
列強論、宗教改革時代のドイツ史
近代歴史学を始めた最初の歴史研究者。実証主義に基づき事実を重視する。
とのことだが、近代以降に歴史を習った私から見るとこれがスタンダードなので……特に感銘は、ない。
過去の事実を探るのは非常に難しいだろうな。
#読了
2022/06/03
【世界の名著48/81】「ミシュレ」
フランス革命史
書きぶりが非常に個性的。小説とも詩とも論文とも違った読み口で、浅学にして私は初めてこのような文章を読んだ。複数の訳者の手によるので原文の個性かと思われる。
ただし内容を正確に伝える書きぶりなのかというと、疑問はある。
#読了
2022/06/04
【読んだ!】ミル「自由論」
社会の中で個人の自由はどの程度許されまた制限されるべきか。という現代でも充分通用する議題。
読むまでは少数意見の尊重しか知らなかったが、それ以外にも読みどころが多い。古い本なのでたまに!?なことも書いてあるが、個性を重視する件など素晴らしい出来栄え。#読了
2022/06/05
【世界の名著49/81】「ベンサム、ミル」
道徳および律法の諸原理叙説(ベ)
自由論、代議政治論、功利主義論(ミ)
ミルには今までにない独自の視点がある。分類的には自由主義的社会主義とのことで、すべてに同意できるわけではないが刺激的で面白い。今なお読むべき著者。
ベンサムは感想なし
#読了
2022/06/07
【世界の名著50/81】「ダーウィン」
人類の起原
豊富な事例から進化論を説明。しかしよく読むと科学的に充分な論証と言うより一考察と感じる。鋭い指摘も多いのだろうが、著者による強いバイアスも同時に読み取った。
収録されているのが有名な「種の起源」ではない点にも留意。
#読了
2022/06/08
【世界の名著51/81】「キルケゴール」
哲学的断片、不安の概念、現代の批判、死にいたる病
非常に面白い! 論証というより語りに近い表現で、内容がどうも個人的かつ独創的に読める。哲学書というより文学作品のようだ。
味わい深いので、著作はいくつか書棚に並べておきたい。この人推せる!!
#読了
2022/06/10
【世界の名著52/81】「ラスキン、モリス」
この最後の者にも、ごまとゆり(ラ)
ユートピアだより(モ)
どちらも美術史に名を遺す英の社会主義者。ラスキンのシェイクスピア論は面白く感じた。
モリスはこれを読んで何を感じればいいのか途方に暮れた。モリスのデザインは素晴らしいと思う。
#読了
2022/06/11
【世界の名著53/81】「プルードン、バクーニン、クロポトキン」
十九世紀における革命の一般理念(プ)
神と国家、鞭のドイツ帝国と社会革命、ロークルおよびショードフォンの国際労働者協会の友人たちへ、インタナショナルの政治(バ)
近代科学とアナーキズム(ク)
これがアナーキズムというものか #読了
2022/06/13
【読んだ】「資本論 第一巻」
読みこなすのは無理そうなので、せめて概要だけでもと思うものの、なんだか掴みどころのない印象。
資本主義への批判は丹念に語られているが、少なくとも今のところ、革命につながりそうなことは書かれていないようだ。
引き続き第二巻を読むことにする。しかし、難しい!
2022/06/14
【世界の名著54/81】「マルクス、エンゲルスⅠ」
資本論一巻・二巻
一巻より二巻の方が読みやすい気がした。様々な計算がされているが要は「資本家ばかり儲かり労働者は貧乏から抜け出せない」という話かと思った。
だから革命しようとは今のところ読めないのだが……Ⅱに続く #読了
2022/06/15
【世界の名著55/81】「マルクス、エンゲルスⅡ」
資本論三巻
未完の大作ということらしく、最終結論は読み取れず。
ミルやスミスに対して強く批判している個所はあるが、基本的には経済理論を細々と説明した本のようだ。
お世辞にも読みやすいとは言えないこの本がなぜあんな熱狂を産んだのか。#読了
2022/06/17
【世界の名著56/81】「ブルクハルト」
イタリア・ルネサンスの文化
英雄や政治ではなく芸術や暮らしに焦点を当てた歴史書。ルネサンスという言葉を広めた人物としても有名。私にとっては読みやすく、文章もうまそうだと感じる。スイス人で、肖像がスイス1000フランに印刷されているらしい。
#読了
2022/06/18
【読んだ】ニーチェ「ツァラトゥストラ」
困った本である。哲学書というより神話か古代詩。神は死んだと思った著者が新しい神を生み出そうとしたよう。
19世紀の新しい神は科学や技術や産業であったはずで、このような思想は流行らないだろう。また、小説として読むにはあまりに平坦。#読了
2022/06/19
【世界の名著57/81】「ニーチェ」
ツァラトゥストラ、悲劇の誕生
ニーチェと言えば超人とルサンチマンと習ったが、読んだ感じ異常にテンションが高い。それも最初から最後まで均一にハイテンションだ。
読者を選ぶタイプの著者だろうが、私は選ばれなかった模様。読むより書く方が重要な本では#読了
2022/06/20
【読んだ!】デュルケム「自殺論」
しばしば自殺について考える(自殺を考えているわけでないので注意)。そんな時私以外の人も概ね「文学的」「感傷的」に考えると思う。この本は統計と無理ない考察で自殺を扱っている。
現代ポリコレからするとどうかと思う点もあるが、今なお読むに値する名著。#読了
2022/06/21
【世界の名著58/81】「デュルケーム、ジンメル」
自殺論(デ)社会的分化論(ジ)
デュルケームは豊富な資料、統計から無理なく論を進めて説得力がある。現代人にも興味深く読める一冊。
ジンメルは文章が達者だが枝葉が多い。随筆としてはよいとしても、社会学の論文としてはどうだろうか。
#読了
2022/06/22
【世界の名著59/81】「パース、ジェイムズ、デューイ」
論文集(パ)
哲学の根本問題(ジ)
論理学(デ)
プラグマティズム。いずれも米。観念論へのアンチと考えられる哲学。個々の論文より立ち位置が非常に面白い。ギリシアからミルまで幅広く俯瞰した土台の上にある論。
私も立ち位置を反省したい。#読了
2022/06/24
【世界の名著60/81】「フロイト」
精神分析学入門
1915年に開始した一般向けの講義録。その後の精神医学への影響は多大だが、現代人視点で読むと科学や医学というより「ある一つの解釈」に過ぎない。
ロジックはあるが普遍的とは思えず。
フロイトの肉声、歴史的資料としての価値はあるだろう。
#読了
2022/06/25
【世界の名著61/81】「ウェーバー」
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神、経済行為の社会学的基礎範疇※、経済と社会集団、都市
※論文というより学校の板書のような表現、感心しない。大中小見出しに加えて注までつけるありがちな形式だがさすがに他人に読ませる文章ではないと思う。#読了
2022/06/26
【読んだ】ブレンターノ「道徳的認識の源泉について」
すらすら読めるのに非常に難解! もとは講演とのことだがこれを耳で聞いて理解できる聴衆とは……と思ったらウィーン法学協会での講演だそう。
語り手も聞き手も相当ハイレベル。だがおそらくこの人は明晰なので、他著作も読んでみたい。#読了
2022/06/28
【世界の名著62/81】「ブレンターノ、フッサール」
道徳的認識の源泉について(ブ)
厳密な学としての哲学、デカルト的省察、ヨーロッパの学問の危機と先験的現象学(フ)
20世紀、現象学。どちらも難しいが特にフッサールは読込む価値が高そう。シリーズ中で最も優先して勉強すべき人だと感じた。#読了
2022/07/01
【世界の名著63/81】「レーニン」
貧農に訴える、民主主義革命における社会民主党の二つの戦術、資本主義の最高の段階としての帝国主義、マルクス主義の戯画と「帝国主義的経済主義」について、国家と革命
なるほど人気のある政治家だったろう、文章が巧い。が、私はこういう本には警戒する。
#読了
2022/07/02
【読んだ!】ベルクソン「形而上学入門」
これ面白い。短い論文で、形而上学と言ってますが例に出るのが「創作論」だったりするのでクリエイター勢におすすめします。
これ読んですぐに効果があるとも思いませんが、一流の知性が創作について語る例が少ないので、一読して損はないでしょう。#読了
2022/07/03
【世界の名著64/81】「ベルクソン」
形而上学入門、哲学的直観、意識と生命、心と身体、脳と思考、道徳と宗教の二つの源泉
素晴らしい。もはや芸術だなと思ったらそういえばノ賞獲ってましたね。
記念すべき人類の到達点のひとつ。文学とは「お話」のことではないと私は思う。もっと読みたい。
#読了
2022/07/04
【世界の名著65/81】「マイネッケ」
近代史における国家理性の理念、ドイツの悲劇
わが国と関係の深い国ではありながら、今までドイツ中心に歴史を感ずるということは私にはなかった。
歴史は視点によって風景の変わる山のようなもの。
「ドイツの悲劇」は世界の名著たるにふさわしい必読書。
#読了
2022/07/05
【読んだ】アラン「芸術論集」
珍しい文章。美について語っているだけあって文章もポエティックで美しい。が、するすると読んでいると「そうなのか?」「本当は何を言っているんだ?」と分からなくなっていく。
私が本質的に美文が合わないせいかもしれない。
これは論文か詩かエッセイか。#読了
2022/07/10
【世界の名著66/81】「アラン、ヴァレリー」
芸術論集、文学論集(ア)、レオナルド・ダ・ヴィンチの方法、精神の危機、エウパリノス、詩学序説(ヴ)
文章力高い芸術論。私は、形式を問わず藝術は論じられるより鑑賞されることを欲すると思う。より多くより長い鑑賞。古典の価値がそこにある。#読了
#読了
2022/07/11
【世界の名著67/81】「ホイジンガ」
中世の秋
タイトルだけ見ると和歌の鑑賞論かと思ってしまうが心から面白い歴史書。時代から時代への変わり目。秋のように徐々に深まりやがて中世でなくなる。
この目の付け所が余人をもって代えがたい!
現在私たちも時代の境界を生きているかもしれない。#読了
2022/07/13
【世界の名著68/81】「マンハイム、オルテガ」
イデオロギーとユートピア(マ)
大衆の反逆(オ)
オルテガが面白い。百年前の著作だが今や欧州のみならず世界中が大衆化を極めている。時折舌鋒が鋭すぎる感はあるものの、重要な指摘。オルテガはスペイン、マンハイムはハンガリー出身。#読了
2022/07/14
【世界の名著69/81】「ケインズ、ハロッド」
若き日の信条、自由放任の終焉、私は自由党員か、貨幣改革論、繁栄への道、戦費調達論、アメリカ合衆国とケインズプラン(ケ)
景気循環論(ハ)
実際の経済政策で成功した点で他と一線を画すケインズ。小論中心に人生を辿るが有名な一般理論は収録せず。#読了
2022/07/15
【世界の名著70/81】「ラッセル、ウィトゲンシュタイン、ホワイトヘッド」
外部世界はいかにして知られうるか(ラ)
論理哲学論(ウ)
観念の冒険(ホ)
なぜ三人まとめて一冊なのだろう。同時代だから? ウィトゲンシュタインのみ再読、相変わらず個性が強い。ホワイトヘッドはもう少し深堀りしたい。#読了
2022/07/22
【世界の名著71/81】「マリノフスキー、レヴィ=ストロース」
西太平洋の遠洋航海者(マ)
悲しき熱帯(レ)
いつもセットで語られるが似ているようで案外違う。後者があくまでも「私」主体の手記であるのに対して前者の主人公は「クラ」=現象だ。悲しき熱帯は再読だがまた抜粋。次こそ全文を……
#読了
2022/08/20
【世界の名著72/81】「バジョット、ラスキ、マッキーヴァー」
イギリス憲政論(バ)
主権の基礎(ラ)
権力の変容(マ)
19世紀からついに20世紀へ。現代に近づくとともに理解しやすくなってきたが、反面何か当たり前のことを書いてある古い本という感想。
これが時代感覚というものと思われる。
#読了
2022/08/22
【世界の名著73/81】「トインビー」
歴史の研究(ダイジェスト)
普通の歴史研究と違い、時代も地域も包括して縦横無尽に展開する論が面白い。現在は昔ほど流行っていないそうだが、一読の価値はあるはず。ただし世界史は必修(私は分からんところが多々有)。
A・トインビーは二人いるので注意。
#読了
2022/08/23
【世界の名著74/81】「ハイデガー」
存在と時間(未完)
非常に難解だが興味深い。時間論としてより「ゾルゲ」という概念に私は注目した。かなり個性的で貴重な論に思われた。
日本ではゾルゲと言ったらあのスパイだが……。訳語は「気遣い」または「関心」。もう少し勉強しないと分からない。
#読了
2022/08/27
【世界の名著75/81】「ヤスパース、マルセル」
哲学(ヤ)
存在と所有(マ)
マルセルは論文ではなく日記。そのため何を考えたかではなく「どのように」考えたか筋道が辿れて非常に面白い。
読み心地としては中世欧州の哲学者たちに少し似ていた。
ヤスパースは独、マルセルは仏。
#読了
2022/08/31
【読んだ】ユング「心理学的類型」
歴史的に重要論文であるとは思うが、重要であるあまりすでに完全に一般化されており、このような分類方法もまたその内容も未読既知となっている。
専門外の現代人にとっては必読ではないかもしれない。ただし文章はフロイトより読みやすくはあった。#読了
2022/09/02
【世界の名著76/81】「ユング、フロム」
心理学的類型(ユ)
正気の社会(フ)
方向性が全然違うがいずれもフロイトの弟子。フロムは文章が達者で名言・金言が多いので理論・論証として充分かはよく考える必要があるが、読書としては楽しいだろう。
最近流行のアドラーは選出されず。
#読了
2022/09/03
【読んだ】ガンジー「自叙伝」
いかにして独立の父となったか。信念や信仰の強さは分かった。しかし自叙伝という性質上、この記述をそのまま客観的事実と受け取ることは不可能だとも感じた。
私小説や日記文学とはまた違った難しさがある。
個人的には彼のカーストについての見解が気になる。#読了
2022/09/04
【世界の名著77/81】「ガンジー、ネルー」
自叙伝(ガ)
自叙伝(ネ)
インド独立関連。
内容より文章の書き方が気になった。学者の書くものとも作家とも違う。インド的というより政治家的なのだろうか。
良いとか悪いでなく、慣れない読み心地なので面白くもあり、気にもなった。
#読了
2022/09/05
【読んだ】孫文「三民主義」
1924年の講演。民族主義を奨励している点が目を引く。同じ20世紀前半でも、たとえばユーゴのチトーなんかとは真逆の考えだ。ナチスドイツ成立は1933年。
欧州と単純比較はできないが時代性を感じるとともに、巨大国家中国の難しさも考えさせられる。#読了
2022/09/06
【世界の名著78/81】「孫文、毛沢東」
三民主義、講演集ほか(孫)
実践論、矛盾論ほか(毛)
今また中国の若い世代に毛沢東が読まれているらしい。なるほど理知的で話題も多分野に渡り、魅力的だ。H氏に比べて格段に学がある。
このような人物ほど注意が必要だ。わが国にも現れるかもしれない。
#読了
2022/09/07
【読んだ】ドルトン「化学の新体系」(一部、二部)
19世紀、原子論の始まりを予感させる重要論文。とのことだが、私にはその価値がいまひとつ分からず。しかし内容の一部に聞き覚えがあり、何を論じているのか類推した。
たぶん中学や高校で習ったことがあるのだろう。
この人は独学者らしい。#読了
【読んだ】ラプラス「確率についての哲学的試論」
表題通り、数学的というよりなんだか哲学的な論。ラプラスに対してもっと数学者寄りのイメージを(勝手に)持っていたので驚いた。
内容については難しくてよく分からないところが多い。
#読了
【読んだ】ヘルムホルツ「力の保存についての物理学的論述」
(1847年当時の)ベルリン物理学会における講演を論文にした歴史的偉業。内容は「たぶん」エネルギー保存の法則が成立する原理の説明なん「だろう」と思うが……
エネルギー保存法則は(一応)知っていても難しくて理解はできなかった。#読了
2022/09/08
【読んだ】リーマン「幾何学の基礎をなす仮説について」(序)
これが有名なリーマン幾何学ですか……さすがに難しいようで序文が少し収録されているだけ。
内容については一読で理解できるはずもない。
この発想が後に相対性理論に結実するなど、リーマンも思っていなかっただろうね。#読了
2022/09/09
【読んだ】マックスウェル「原子・引力・エーテル」
文章が明解なのか読むには読めるが、それが何のことなのか基礎知識のない私には理解できず。エーテルって、今でいう何のことなんだろう。
マックスウェルと言えば例の方程式で有名。なおあの式の意味も使い方も私には今一つ分かっていない。#読了
【読んだ】マッハ「認識と誤謬」
衝撃波・マッハ数でお馴染み。と思ったが内容が心理学・哲学っぽくて驚く。
どうもこの人「統一科学」構想の元に実に手広く研究していたらしい。
おかげでこの論文(抜粋)に関しては、私にはそれなりに読みやすかった。
マッハ数のことはよく知らない。#読了
【読んだ】ボルツマン「アトミスティークについて、理論物理学の方法の輓近における発展について」
アトミスティーク? 輓近? なんか小難しいけど要は原子論萌芽期の議論ということらしい。19世紀末の科学史的に重要なのだろうが、現代は素粒子論まで進んでいるので参考程度に。#読了
2022/09/10
【読んだ】パブロフ「条件反射」
有名なイヌの実験論文(抜粋)。現在耳にする「ベルを鳴らすと犬が唾液を垂らす」以上の様々な刺激を与えて実験している。中には、愛護団体に怒られそうなものも……。
科学の進歩に貢献したパブロフ氏とともにぜひイヌたちのこともたまには思い出したい。#読了
【読んだ】メンデル「植物の雑種に関する実験」
高校生物でかなり詳しく習ったのでよく読めた。
この人は修道士で趣味でマメの遺伝実験をしたことで有名。
なぜマメなのかというと一年草で子孫が得やすく、雌蕊が露出しておらず自家受粉に都合がいいから。あとたぶんできた豆がうまいから? #読了
【世界の名著79/81】「現代の科学Ⅰ」
19世紀に活躍した科学者たちの論文を抜粋して収録。原子論が重要な論点になっているようだ。個々の論文は当時の専門家に向けたものなので難しいものが多かった。
責任編集者の一人が湯川秀樹博士。湯川博士による解説文が読めるのが嬉しい。
#読了
2022/09/11
【読んだ】プランク「物理学的世界像の統一」
プランク定数で有名な彼の講演会の収録。一般向けだったかどうかまでは分からないが、プランク定数が何なのかの論文とかではないので読むことができた。
このあたりから20世紀物理学が始まるとのことで、内容も夢と希望に満ちている気がする。#読了
【読んだ】ポアンカレ「科学と仮説」(一部、二部)
ポアンカレ予想で有名な数学者。よって科学のと題しているが主に数学の話。意外と興味深く読めた。段々話が複雑になっていったので、省略された第三部は手におえないかもしれない。
そしてたぶん、この人は文章がうまい。元はフランス語かな。#読了
2022/09/12
【読んだ】ヒルベルト「公理的思考」
非常に短いが濃い一文。たぶん数学的に重要なことを言ってそうだが私に数学の素養がないので伝わらない。
ヒルベルト空間っての聞いたことあるんだけど、それが何で特徴がどうなってて、というのはよく分からない。ノイマンのお師匠さんとしても有名。#読了
【読んだ】アインシュタイン「物理学と実在、科学者と世界平和」
人類史上最も有名な物理学者。そのため様々な逸話も残っているが、結構政治的発言を繰り返したり活動したりしているんだな。
ニュートンも議員とかやってるらしいが、一流の学者は意外と学者肌じゃないのかも。#読了
2022/09/13
【読んだ】ボーア「原子物理学における認識的諸問題にかんするアインシュタインとの討論」
アインシュタインに関する寄稿論文集の一編。専門的なのか、なんだか輪郭が捉えられない。
ボーアとアインシュタインは量子論のことで論争していたと思ったがこれを読む限り仲はよさそう。#読了
【読んだ】ハイゼンベルク「量子論的な運動学および力学の直観的内容について」
ああ難しくて何の話か分からなかった。コペンハーゲン系量子力学の中心人物。不確定性原理で有名。
だが、その不確定性原理が例によって素人には非常に難しくてだな……参考程度につらつらと目は通しました。#読了
2022/09/14
【読んだ】シュレーディンガー「量子力学の現状」
量子力学といえばこの方、というくらいの有名人。なのでこの論文も歴史的価値が高いんでしょう、おそらく。
有名な猫の話がほんの一瞬出て来る。なぜここだけ切り出されて語り継がれたのかと思うくらいに軽く触れられているだけ。#読了
【読んだ】ノイマン「人工頭脳と自己増殖」
オートマンについての一考察。理解できたとは思わないが、専門的な内容ながらSFのように楽しく読めた。
ノイマンは主として数学者だが幼少期から読書が趣味とのこと。
趣味に良いも悪いもないと思うが、今まで以上にノイマンに一目置いてしまった。#読了
2022/09/15
【読んだ】ウィーナー「科学と社会」
内容はごく一般的な小論文。ウィーナーはサイバネティクスを提唱した数学者。
で、そのサイバネティクスってのが具体的に何のことなのかは私にはよく分からない。#読了
【読んだ】「生物学と人間の未来」
小論文集
デオキシリボ核酸の構造(ワトソン米、クリック英)
なぜ心は頭にあるか(マッカロー米)
精神の未来(キスホルム加)
医学の将来(セント=ジェルジ洪)
人間の生物学的未来(レダーバーグ米)
いずれも高名な医学・生物学系学者。並べてみると米国系が多い。#読了
【世界の名著80/81】「現代の科学Ⅱ」
20世紀に活躍した科学者たちの論文を抜粋して収録。巨人アインシュタインを中心として物理研究が大きく進む。
現在もこの流れの中にあるように思う。特に量子論は現代物理学の要だろう。
引き続き編集は湯川博士。お楽しみの解説文も収録されている。
#読了
2022/09/16
【世界の名著81/81】「近代の藝術論」
フィードラー「藝術活動の根源」
ハリソン「古代藝術と祭式」
コリングウッド「藝術の原理」
パノフスキー「人文学の実践としての美術史」
ヴェルフリン「美術作品の説明」
メルスマン「音楽の現象学他」
シュタイガー「文藝解釈の方法」
全81冊すべて #読了
いや~、こうしてみると色々読みましたねぇ;^ ^ なんかよく分かんないやつとか、難しすぎるやつとか、逆になんでこれが選ばれたんだろってものも中にはありましたが、全体的には読んでよかった。
中身もそうだけど、各巻の巻頭でその分野の第一人者が詳しい解説をつけてらっしゃるので、それを読むだけでもだいぶ勉強になるかもしれませんね。
ではここからは例によって独断と偏見で、私の気に入った「絶対これだけは全人類読むべき三冊」を選出したいと思いまぁす^ ^ノ 結構悩んで選りすぐりました。
第三位 ベルクソン
この人はおそらく、誰から見ても読む価値のある本を書いています! 歴史的にみて賢い人ばかりが選出されているこのシリーズにおいても、頭一つ抜けている感じが、する。そして何より翻訳からも分かる「文章の、うまさ」これに尽きるでしょうね。
1927年ノーベル文学賞受賞も納得。
ここだけのハナシ、哲学者って文章アレな人多いんですよ(こっそり)。長いわりに何言ってんだか分かんなくて、しかもようやく「たぶんこういうことかな?」と読み解いたらたいしたこと言ってない人とか……あ、いや、誰とは言えませんが。
文章が抜群にうまいというだけで、私はこの人を推します!
第二位 ジョン・スチュワート・ミル
自分でも意外や意外、「自由論」が面白く心に刻まれました! 学術的には「功利主義」にあたるらしいですが他の功利主義の人はいまひとつ感銘を受けず。
「満足した豚であるより不満足な人間である方がよい」の一文は非常に有名。
このシリーズのタイトルともなっている「世界の名著」にふさわしい一冊だなと思います。他に比べればそこまで難しく書かれていないようなので、とりあえず「自由論」だけでも読んでみていただきたい!
素直におすすめ。
第一位 プラトン
そして栄光の第一位はぶっちぎり、プラトンでした! マッチョレスラーの印象の強いプラトン氏ですが、いやこれ、面白いんですよ。古代なのでまだ小説と哲学書が分化する前なので、お話としても楽しめるしソクラテスはいちいちキャラが立っているし(絶対ちょっと盛ってると思う)、会話文で書かれていて楽しく読めるし、それでいて哲学的な話にもなっているので、考えると深い。
現代にはこのような形の文学や哲学はもう生まれないとは思いますが、すべての原点はここなんだなと。特に西洋文化や学問の始祖はこの人だろうと思います。
面白さは人によって違うとは思うけど、たぶんほとんどの人類が面白いと思える本。
プラトン、最高!! いつかプラトン全集買って読もうと心に誓いました!!
番外 スピノザ
個人的因縁のある哲学者。スピノザ氏……高校生の時「知性改善論」を買ったきりまったく読めずにそっと書棚に戻したあのスピノザの「エティカ」なんですけれども。
わりと、なんかこう、全体的に意味が分からないです。分からないんだけれども、言外に何か伝える執念のようなものを感じる。
名著というより奇書のような読み心地でしたが、これはある意味全人類に読んでみてほしい! この謎の個性を、皆で共有したい。
やっぱりワケわかんないよねー、と思うのか、えすごい言ってる意味分かりますけど、と思うのか、皆の感想を集めてみたいと思う本。
よく分からないということを含めて強烈なインパクトを遺したこの本を、秋の夜長におすすめしてみたい!
ここまでお付き合いいただきまして、まことにお疲れ様でございますm(_ _)m あなたは今ざっと二万字ほどお読みになりました。これだけ読めていれば、ちょっとした論文一本読めたんでしょうに……なんだか申し訳ありません;^ ^
ですが! 特におすすめした三冊+一冊は本当に読む価値があると思いますので、この情報をゲットしただけでも損はしていない……ということでご容赦いただきたぁい! ぶっちゃけ、81冊全部読みたくないでしょ? 81冊読むことを思えば2万字なんて誤差よ、誤差!
しかし、このシリーズ二段組みで文字みっちり詰まっていたけど、全部で何文字くらいあったんでしょうね。数える気もおきないけど……今年はだいぶ、読めたんじゃないかなあ。
これから読書の秋ですね! 皆様が素敵な本と出会えますように。そしてこの駄文がその一助になっていれば、これにまさる慶びは……いや、あるよ普通に。読書の秋もいいけど食欲の秋も忘れんなー☆
以上、世界の名著を読破した自称作家、 あまおう まあお がお送りしました。またどこかで^ ^ノシ