見出し画像

まあお 読書ツイート集 2020-4月付近

皆様、毎度お騒がせしております、自称作家の あまおう まあお ですっ!
覚えた? もうさすがに覚えた?! ……まだなのか。じゃあこれ見て記憶してね!

外出自粛にも関わらず、毎日元気に読書が捗ってる自称作家だよー> <

ぶっちゃけ、今回読書期が短いことが予想されたので、毎日ガンガン読み進めました;^ ^ 私、読まないと書けないタイプの自称作家なんですよ。燃費は全然よくないですね。てなわけで、最近読んだ本たち。↓

2020-03-20
【読んだ!】カエサル「ガリア戦記」
翻訳の関係か、読み口は旧約聖書に似ていると感じる。日記じゃなくて報告書らしい。歴史・兵法音痴のため分からないことも多い。
敵をよく調べているし、情報戦に長けていると思う。政治家の自伝みたいなもんかな? 多分、盛っているな。
一人称「カエサル」というのも面白い。まあ報告書だしな。
兵站の記述はあったが戦費についてはあまり見かけなかった気がする。
個人的に気になった箇所。
(ゲルマーニー人の間では)いちばん長く童貞を守っていたものが絶賛される。
#ほう #私が言ったんじゃない #カエサルに訊いてくれ

2020-03-22
【読んだ!】長谷川三千子先生「バベルの謎」
この方も教授。良質の講義を文章化して触れたような知的好奇心をくすぐる一冊。
であると同時に、旧約聖書というポピュラーな物語の「深読み」のやり方を提示されているように思う。
学者がいかに「読む」か知れて、楽しい。
読書家の方のおすすめ本!

2020-03-23
【読んだ】小野一光氏「家族喰い」
角田美代子の事件について丁寧に取材し配慮して書いた本。であるからこそ、主人公は事件であるべきではないか。
当事者ではない外部の取材者の手記では、苦労話にフォーカスしてしまう。小説ではなくノンフィクションが読みたかった。#良取材のため敢えて辛口

2020-03-24
【読んだ!】吉永良正氏「『複雑系』とは何か」
そろそろ複雑系も一般化してきた頃合。ということで古い本ですが、文系の人にわかるように日本語で解説された良書らしいので読んでみました。数式は使わないので安心設計、縦書きで読めます。疑問もあるがなんとなく俯瞰した気にはなった。#読書

2020-03-25
【読んだ!】渡辺一史氏「こんな夜更けにバナナかよ」
いい本ですね。
筋ジスで寝たきりのおっさんと若いボランティアたち。
読んでいるうちに「自由て一体何だい」と叫ぶあのひとの声が聞こえた。
尾崎が介護を求めたら私は喜んで奉仕する。
この人もカリスマ障害者なんだ。
とてもいい本ですね。

2020-03-26
【読んだ…】岡本かの子先生「老妓抄」
文章は読みやすいのです。でも中身が私には、難しい。短編集ですが、はっきりと理解できたのはわずかに二、三篇。
読解力というより感性の限界値なのかなと思います。
もう少し大人になったら再読したい。
関係ないかもしれませんが、女性作家は難しいですね。

2020-03-27
【読んだ】ハッサン「マインド・コントロールの恐怖」
カルトの内外に詳しい著者の名著。実はカルトに誘われたことは一度や二度ではありません。都度、相手が逃げて終了。それを私の信仰心欠如と能弁の賜物と思っていましたが、傲慢でした。「組織に不要な人材だから」
有能な人は気をつけて。

2020-03-28
【読んだ】木下栄蔵氏他「Q&A入門複雑系の科学」
ゆらぎ・フラクタル関係を素人にも分かるようにとの本。数式ほぼなしで読めます^ ^
とはいえ、そのゆらぎ・フラクタルってのが何かってのが全くピンと来ません。とりあえずもう少し色々読んでみましょうかね。正直、疑いながら読みましたスミマセン!

2020-03-29
【読んだ】リカーズ「通貨戦争」
十年近く前の本なので既に古いのかもしれない。経済はサッパリなので、まだら理解。金融複雑系の章だけゆっくり二度読んだ。
で結局キモはなんなの? というのは読めませんでした。
全体通してはチャイナマネーと金キンが大事らしい。金カネ余ってる方はご参考に。

2020-03-30
【読んだ】シュール「デザインされたギャンブル依存症」
依存症は悪魔だ。人類より強い。
私も身に覚えがあるグサリと刺さる一冊。カジノは人類の英知の結晶だな。身ぐるみ剥がされるまで帰れんぞ。
カジノ経営は確実に儲かる。問題は遊戯。この門をくぐる者は……もはやわが国も他人事じゃないね。

2020-03-31
【読んだ!】金子邦彦氏「生命とは何か」
複雑系生命論を文系の一般人にも分かるよう噛み砕いて説明した。実に文章がお上手なので、読みやすい。
が……私には難しい箇所が複数あった。教養不足が惜しまれる。ちょっとそろそろ物理再履修した方がいいかもしれない。
何度も再読したい程の良書(の筈)。

2020-04-01
【読んだ】星新一先生訳「竹取物語」
SFつながりってこと? 謎の企画ですが、原文も収録されていて、めっちゃ真面目に訳されています。
でも随所に新一先生の感想がねじ込まれていて面白い。
星新一先生ファンは必読。私はいつエヌ氏やらロボが紛れ込むかとヒヤヒヤしながら読みました。#読書

【読んだ!】かざまりんぺい氏「新・冒険手帳」
都市封鎖に備えて基礎知識のおさらい。こういう本は一冊は読んでおかれるとよいと思います。
非常時に身を助けるのは知識・体力・平常心だと思います。
知らないで勘でやると凡ミスが命取。煮沸しない水だの毒性植物で事故など、目も当てられません!

【読んだ!】ミッチェル「ガイドツアー複雑系の世界」
素晴らしいの一言。なんとこの本、科学知識が中学で止まった文系の読者が「面白く、読める」。これがどれだけ凄いことか「サンタフェ研究所講義ノートから」の副題の凄さが分かる人には逆にピンと来ないだろうな。
理数系弱い人こそおすすめ。

2020-04-02
【再読】ツルゲーネフ「はつ恋」
これも私小説の類と読める。でも主人公の描写が適切で素敵ですよね。設定上の「時間差」が効いているなと思います。
神西清先生の訳ですが、主人公の一人称が「わたし」「僕」「おれ」と法則をもって表現分けされています。技ありっ! #読書

【読んだ!】鈴木大拙先生「日本的霊性」
仏教書ではなく仏教学書。この方は英語堪能でいらして英文執筆もされている。
たいへんに理知的で、読みやすい。
霊性という切口から日本仏教史を鮮やかに解説。日本的霊性の開花が鎌倉時代というのは納得。ならば現在、我々の霊性も成長するかもしれない。

【読んだ!】坂本一寛先生「創造性の脳科学」
文系には難易度が高い! がこの方の視点は面白い。もう単純に文系理系の時代は終わった。
理解できた範囲では感情や自意識以前に「認知」のプログラム時点でそうとう大変そう。脳っていい加減なんだな? 私の老後までに介護ロボできるかなあ……。

2020-04-03
【読んだ!】海堂尊先生「死因不明社会2018」
死因も大事だけど、分かったところでもう死んでもうてるし、同じ予算生きてる患者に回したら?
と思う人こそ、読んでみて欲しい。是非は後で逆サイドからも検討すればいい。まずは「知ろう」。一般啓蒙という点でこの方が書く意義は大きい。#読書

【読んだ!】森村誠一先生「人間の証明」
ここには猟奇殺人も密室もなく謎の覆面男も、いない。多角的に語られる社会の病理と、人間の業とが、ひとつの詩の前に静かに収束してゆく、
物語の紡がれ方が、美しい。
かなりの長編だが引きずり込まれるように読んだ。これが昭和のエンタメか。いま一度甦れ。

【読んだ】アガンベン「実在とは何か マヨラナの失踪」
マヨラナ粒子はさっぱり分からんが失踪事件は知ってる! というレベルで読んだので「そうかな?」という印象。
同時収録のカルダーノ「偶然ゲームについての書」の方が面白かったです、スミマセン> < 賭博はなぜかくも人をくるわせるか。

2020-04-04
【読んだ!】櫻部由美子先生「シンデレラの告白」
角川春樹小説賞。率直に言うとミステリとしては弱いです。
でもその分この作家の「好き」が詰まった素敵なお話。
プロOKの新人賞でこれだけフレッシュな作品があったら、受賞するのも頷けます!
すらすら読めるかわいらしい小説でした。#読書

【読んだ】鳥海光弘先生「これ以上やさしく書けない科学の法則」
その昔学校で習ったに違いない重要法則を解説した理系コラム! 身近な具体例やイラストも豊富でわかりやすい…が。
ごめんこれだけ噛み砕かれてもよく分かんない法則あったわ…(沈)「元素分配法則」「フレミング法則」;^ ^ 反省!

【読んだ】金生由紀子先生編「精神医学を知る メンタルヘルス専門職のために」
教科書ではないですがメンヘルの重要テーマの総括論文集。執筆陣が全員たぶん第一線の研究者と思われます。
内容はあくまで総括なので詳細は専門書ほど深くない。各ジャンルへの案内板でしょう。脳科学が気になります!

2020-04-05
【読んだ】臨床医による認知症新医療に関する一般書籍
新医療は理解されづらいもの。であればこそ一般書籍で訴える前に臨床データや治験結果から論文を何本も書き、学会と国に理解させ、保険医療の選択肢にすることが急務ではないでしょうか。
認可薬の規定量に問題があることは、よく分かりました。

【読んだ】新美健先生「明治剣狼伝」
角川春樹賞特別賞。勢いがあって読みやすい文章。時代考証には詳しくないですが主人公「村田経芳」さんは実在人物とのこと。お調べになったのだと思います!
この切り口が北方先生に評価されたのでしょう。ゲーム関係のお仕事経験有。キャラが多いのはそれかな?

【再読】清水潔氏「殺人犯はそこにいる」
ミステリよりミステリアス、スリラーよりスリリングな名著。恐ろしいのはこれがノンフィクションということ。
事実は小説より……いやしくも小説家を名乗りたいなら、これより面白い嘘を生み出さねばなるまい。
小説だったらこんな警察ねーよって言われる。

2020-04-06
【再読】レスラー「FBI心理分析官」
ある小説を発表して読者から「殺人心理が理解できていないので絶歌を読んで勉強せよ」とお叱りをいただいた。
一般的には個人の手記よりは専門家のレポートが、そして日本よりは米国が、この問題については多くを語ると思う。今読むと私の小説は典型的過ぎたなww

【読んだ】橘沙羅先生「横濱つんてんらいら」
角川春樹賞。異国情緒・明治・グルメ・ミステリ。少女漫画的恋愛と活劇の趣もあり、要素がてんこ盛り。でもそれが私にはあざとさに見えた。
リデビュー作家と考えると辛口にならざるを得ない。ノリきれなかった。上手、のその先を見せてください。#辛口

【読んだ】川村康文先生「物理学がわかる」
ToT わかんねーけど?
読みやすく、たぶんそうとう親切設計なんですが、これでもダメだ。力学・熱力学・波動・電磁気学の四章立て。
熱力学がまったく分からん……モルってのがやだ。モルってのが! ここだけ難しいとかある? 私だけかなこれ。#だめぽ

2020-04-07
【再読】大崎善生先生「パイロットフィッシュ」
いつどこで読んだか思い出せない。でも再読だった。脳にこびりついていたシーンと再会してしまった。
こんな女の子がいるものか、と言う人もいるだろう。だけど私は好きだよ。読んだことを忘れてたけど。
私も、いつか誰かのパイロットフィッシュに。

【読んだ】ゴダード「永久に去りぬ」
二転三転はしているが、すごくセンセーショナルというわけでもなく。大どんでん返し! とかいう単純なものでもなく。どこも派手でないのに異常に読ませる。
こういうのを筆力というのだろう。
無論、翻訳がよいのは言うまでもない。
筆力がオーバーシュート!

【読んだ!】山下芳樹先生「理数オンチも科学にめざめる! 高校物理'検定外'教科書」
漫画入りでこれなら読めそう^p^ と思ったら、本当に読めた。歴史のお話に見せかけて高校物理の外枠が解説されとる…
この先生の授業、面白かったろうな。現在は教授。
何冊か読んでいるうちに微妙に慣れてきた!

2020-04-08
【読んだ】柿本みづほ先生「ブラックシープ・キーパー」
角川春樹賞。若者向け。ですが素材は古典SFや映画という面白い取り合わせ。
物語全体にパワーがみなぎっていて、好きなことを思い切り書いている感じが「新人」らしくて◎
文章は達者と見ました。この文体、新流行かもしれませんね。#読書

【読んだ!】ちくま科学評論選
美文名文というのはこういうものかなと思っているんですが、あまり同意する方はいません。
美しい論旨・明瞭な語彙。日本語の手本だよ。
高校生のための文選シリーズ、ほんといいですね! おすすめします。
私、収録文の著者の一人の講義に出たことがありますよ!

【読んだ!】ファノン「地に呪われたる者」
今で言うPTSDに関する章が素晴らしい。他の章よりも美しく知的で冷静でそして真実の凄みがあると思う。
この方は複雑な精神を宿した、闘う精神科医なのだろう。
昔のインテリの愛したこの本が、あるアニメに登場して今若者に読まれているそうです!#読書

2020-04-09
【読んだ!】下條竜夫氏「物理学者が解き明かす重大事件の真相」
科学者でなくてもその視点を「読む」ことならできる。正誤は不明でも思考過程を汲み取ることは可能だ。
「頭のいい人に任せた」だけではエセ科学に引っかかるし世論煽動に巻き込まれる。
この本は、文系の方も面白く読めるはずです。

【読んだ】又井健太先生「新小岩パラダイス」
人物もエピソードも多いが、視点は一人という珍しいパタン。新小岩という土地の「うさんくさいイメージ」と主人公のやたら軽いノリが妙にマッチしている。
社会派の視点があるのだろうが人物が全体にポップなので重くはない。文章は疾走感があります。

【読んだ…】田島一郎先生「解析入門」
高校の時…と教えたな、スマンがあれは厳密には~という意味だったんだ。という話が延々と続くので
裏切ったな# 僕の気持ちを裏切っ(略)
という気持ちでいっぱいです^p^ 内容的には少し賢い高校生なら理解できるとのことですが私はそれ以下のようですね!

【読んだ!】スワラップ「ぼくと1ルピーの神様」
スラムドッグ$ミリオネアの原作。映画を観て疑問に思った点があったので読んでみた。なるほど。
映像や音楽で魅せる映画。そして小説は構成が秀でている。
小説の方が気が利いていると私は思いました。
最後にもう一度タイトルを見て、にっこり。

2020-04-10
【読んだ!】リヴィオ「黄金比はすべてを美しくするか?」
宇宙物理学者の著作だが「読みもの」として楽しめる。
数学・美術・音楽・文学など、この方の教養は多岐にわたる。凄いね> <
フラクタルの話かと思ったが、そうでもなかった。数式や理論は極力使わないので、知識欲のある方におすすめ!

【読んだ!】ワールドロップ「複雑系」
副題のとおり「科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち」の物語。ノンフィクションだそうですが、あと百年したら伝記になってるかもしれませんね。
人物にフォーカスして、理論や研究についてはあまり言及せず。
しかしサンタフェ研究所、憧れますね!

2020-04-11
【読んだ!】キャスティ「複雑系による科学革命」
90年代発行、サンタフェ研究者による一般書。古すぎるが、逆にそれが「文系一般人」に読みやすい!(数式や理論のかわりに身近な現象で説明されています)
今年読んだ本でベスト。この一冊を読んだだけで著者がどれだけ賢いか伺い知れた。#しゅごい

【読んだ!】阿部智里先生「烏に単は似合わない」
松本清張賞史上最年少受賞! いや、お見事です。最後に「ええええ?!」ってなりました。どんでん返しというよりは「ぶち壊し」に近い破壊力。
それが、最高にカッコいい!
「普通の」お話を期待した方には不評の模様。普通じゃこの賞獲れません。

【再読】文藝別冊「永山則夫」
こんにちは! その後お元気ですか。がんばっておりますか。
こちらは外出が自粛中で、やや閉じ込められております故、あなたのことを考えました。
未だどう思えばよいか分からずおりますが、あなたには勉強の大切さを教えて戴いたと思います。
みなさんに、よろしく。

【読んだ】カルダーノ「わが人生の書」
なかなかに分からない本。というかそもそもカルダーノが誰なのか、よく分からない。
16世紀イタリアの医者数学者占星術師賭博師哲学者
…って結局何屋なん? ということなんですが、なんと読んだけどよく分かりませんでした!
ぶどう酒の水割が好きらしい。

2020-04-12
【読んだ!】プリゴジン「混沌からの秩序」
「宇宙から見ればそんな悩み小さい」と言う人がいる。その小さな悩みが宇宙の未来にかなり、影響する。
それが福音なのか黙示録なのかは分からないが。
私は、後世の歴史家に「プリゴジンを理解し得なかった愚かな大衆」と書かれるだろう。この人は遺る。

2020-04-13
【読んだ!】遠藤周作先生「わたしが・棄てた・女」
今で言う「エンタメ」のジャンルで書かれた小説らしい。確かに作為が強くはあるし、人物も理想的すぎるかもしれないけれど……テーマの強さ、物語としての骨格の力に圧倒される。
この作家にしては珍しい(よね?)「ぼく」一人称が読めます!

【読んだ…】中村元先生「ナーガールジュナ」
中観派龍樹の解説書。主要文献の日本語訳収録!(大感謝)
なんですが。あれ、空ってそういう事なんです? なんかまた分かんなくなってきちゃったんだけど…?
とは言え。その分かってた感すらも「空」とみれば、何ら気にすることではありませんね^ ^
私はたまたま「人類の知的遺産」シリーズ本を入手したので、それで読みましたが、今は学術文庫から新版が出ていたと思います。
興味を持たれた方は文庫の方をおすすめいたします!(おそらくだがこの箱入り本は絶版なのではないか)

2020-04-14
【読んだ!】「西脇順三郎詩集」
なるほど故人の本を読むといふことは
彼の魂を慰めるといふこと
なんだな
だつたら僕も
慰めてほしいな
死んだ後でかまはないよ
だつて今は
はづかしいぢやないか

【読んだ…】小林昌平氏「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」
うーん、哲学入門かと思ったがどちらかというと読書案内に近いですね?
有名な本がたくさん紹介されていますから、気になったら読んでみよう! ということかな。
個人的には「似顔絵とは何か」という哲学的命題を意識した。

【読んだ】読売新聞社会部「孤絶」
介護・精神障害・引きこもり・虐待・孤立死。多くの事件から浮かび上がるのは、孤独と絶望……。
いやしかし、流石に真面目・悲観的すぎやしませんか!
この国の人って本来もっといい加減で明るいはずです。今日、笑いましたか? 人を笑わせる人は神様ですよ!

2020-04-15
【再読】下條信輔氏「〈意識〉とは何だろうか」
読んだこと忘れて再読してしまう。90年代東大の(たぶん一般教養の)講義を分かりやすくリライト。
20年前脳科学はこんなことを考えていた、という足跡が見られますが、情報としてはもう古いですかね。
あとがきの一言「パサディナにて」いい味出てます。

【読んだ!】武田京子氏「老女はなぜ家族に殺されるのか」
著者は女性問題研究者、とのことで身構えたが、論理的でよく調べられた良書。
想像による補完に頼る部分もあるようだが、その視線は断罪的でなく、納得のいく書きぶり。
人は必ず老いて誰かに介護されるもの。どげんかせんといかん。#読書

【読んだ】雑誌臨床心理学09年7月号
好きな臨床研究医の論文が掲載されているので読みました。
10年も前の雑誌になりますが、問題意識は現在とそう変わっていないかもしれませんね。
今後も精神医療の必要性は増す一方でしょう。
皆さんもあんまり心配なさらず、心身の健康を大切にしてくださいね!

【読んだ…】ある主張を大切にする日本文学者らによる論文集
文学系の論文は読みたくないというのが本音です。
理系論文に比べて、たいへんに読みづらい。
あなたたちが指導している「評論」とは一体なんなのか、この著者らに問うてみたい。
小説の読み方としても、その読み方は窮屈ではないですか。

2020-04-16
【読んだ!】上野千鶴子氏「情報生産者になる」
基本は論文の書き方。ただし無限に応用可能。
この著者が好きでも嫌いでも一家に一冊置くべき良書。
この方が長年の教育で培ったノウハウを惜しみなく披露している。この価格で出版するなんてほとんど慈善事業だ。
しかも本なら著者に怒られずに済む!

【読んだ】寺田和代氏「きらいな母を看取れますか?」
親子だからなどというファジーな理由で介護を押し付けるのも押し付けられるのも、おかしな話ですね。
そういえばうちの親は二人ともただの一度も祖父母の介護をしてません。まさか自分らは安泰などと虫の良いことは考えていないとは思いますが?

【読んだ!】有吉佐和子先生「恍惚の人」
リアルだけれど「小説」として語るべきことが、あると思うのです。
実話ではなく「小説」で読むべきことばが、あると思うのです。
社会的に意義深く、また、受け入れられた傑作。
惜しいのは、この物語が読まれても、現状これより厳しくなったことだけです。

【読んだ!】池田清彦先生「構造主義科学論の冒険」
構造主義科学……かあ。もう一冊読んでから判断しよう。
本書は科学の歴史から未来まで俯瞰した刺激的な本。
何しろ文章がお上手で、博識。それでも相対性理論は私にはまだ理解できない。いやしかし、この方。さぞやモテるでしょうね。#羨ましい

2020-04-17
【読んだ!】岩田誠医師「認知症と生きるということ」
臨床家らしい視点で、私には納得がいく本。すべての臨床医がこの通りに患者に対応できたら、認知症もこわくない。
認知症になったら死にたいと言っていた人が認知症になると、死にたい気持ちがなくなるそうです。健忘も悪くないですね! #読書

【読んだ!】小澤勲医師「物語としての痴呆ケア」
痴呆という語が使われるほど古い本だが、極めて理想的なケアを語っている。
物語というのは要は「傾聴」かと思う。ただ、現代社会にはそれだけの余裕はもう、ない。
治療が財源がと言う前にまず、余裕のある社会を。
夢物語にしておくのは惜しい。

【読んだ】レッシング「夕映えの道」
英国はやはり、文学の国だと思います。精神年齢がちょっと違うんでしょうね。難しかったです。
でも分かることは。できないことが多くなってやがて日が沈むのは見えていても、彼らは夕映えの道を、歩いているんですね。
あなたは、よき隣人ですか? #読書

【読んだ】嵯峨仁朗氏「永山則夫の花嫁」
私信というものは読み苦しいものですね。永山氏の意外な一面を見てしまった。
妻は人権派活動家と思っていましたが、天真爛漫な女の子でした。もしこの女性ともっと早く出会っていたら…いや…。
獄中結婚、その後二人は離婚します。永山氏の問題と思う。

2020-04-18
【読んだ】池谷孝司氏「死刑でいいです」
覚えてますか、山地悠紀夫元死刑囚。大阪姉妹殺人と言った方がピンと来ますか。
この本が10年前。今だったらまた違った診断になったかもしれませんが、どちらにせよ「心神耗弱」とは言えないはずです。
殺人が目的という人は少数ですが存在すると思います。

【読んだ】遥洋子先生「介護と恋愛」
テンションが高い。それが照れなのか辛いからなのか、考えながら読み進めたら、最後に「著者」の主張を食らった。
小説のように、あるいは私小説のようにも読めますが、どちらかというとエッセイかなと思います。
悲壮感は拭い去っていますが、大変でしたね。

【読んだ!】松濤誠達先生「ウパニシャッドの哲人」
古代インドのいわゆるヴェーダ。確かな哲学と数学の萌芽が見られるのがさすが印。日本の哲学はいつも輸入品。日本に哲人がいなかったとは思えない。残らなかったんだろう。
「アホなこと言ってないではよ寝ろ!」哲人よりオカンが強かったのか?

【読んだ】山口道宏氏「介護漂流」
2016年の最新データを使ってどれだけ介護業界が「詰んでいる」かを説明。見事とは言い難い構成ではあるが、客観的な論調は興味深い。
はっきりそう書いてあるわけではないのですが。まもなく「あの世代」が要介護に突入します……。さて。どうするかね? #読書

2020-04-19
【読んだ】安藤桃子先生「0.5ミリ」
安藤サクラさんのお姉さんだそうです。映画監督の書いた小説って本当になんか映画らしいんですね。どこがどうと言えないんですが、小説の文脈と少し違って、新しい感じがしました。
タイトルの意味は読み終わっても分からず、調べたらなるほどと思いました。#読書

【読んだ!】佐藤優氏「国家の罠」
率直に、面白い! 込み入って難しい箇所もあったが、非常にスリリングで興味深い。「プロの」政治家や官僚の世界を垣間見た。
と同時に一種の叙述トリックのようなものも感じます。嘘は書いていないんだろうが…。
私も取り調べられたい^p^ 拘置所は飯が豪華。

【読んだ】葉真中顕先生「ロスト・ケア」
新人賞受賞作として申し分ない。ミステリ系の賞と考えるとこのトリックは納得。その分、予想していたので驚かず。
社会性で新人賞を狙う場合、こういう描き方になるという見本のように読んだ。これより深堀りするとエンタメ枠から弾かれるかもしれない。難。

【読んだ】上野千鶴子氏「老いる準備」
日本フェミニズムを牽引してきた著者が介護問題に行き当たるのは当然だろう。
女史は叫ぶ「大丈夫よ、私達は今までの老人とは違うから!」
そうであってほしい。下の世代はもう支えきれない。論理は明晰なのに、結論が妙にポジティブで恐ろしい。#読書

2020-04-20
【再読】テア「記憶を消す子供たち」
90年代に流行った本。トラウマ、抑圧、記憶などのテーマで著者は精神科医。
その後、記憶の妥当性が議論を呼んだ。
現在はセラピーとしては有効、法廷証拠としては疑問、あたりで落ち着いたと思うが、書籍としての完成度は高い。古典として読んでおくと捗る。

【再読】森鴎外先生「高瀬舟ほか」
高瀬舟縁起の中で鴎外先生は麻酔に言及している。文豪でもあり同時に医師でもあった彼は誰よりも、薬と毒が同じものだと知っていた。
医師の倫理、法の裁き。
古くて新しい問題に切り込んでいる。答えは、読者が見つけてください。「それが罪であろうか」#読書

【読んだ!】篠田節子先生「長女たち」
いい小説だなと思います。三つの中小篇から成る本ですが、いずれも女性の人生をしっかりと描いています。
特に「ファーストレディ」という短篇。これはちょっと、皆さん読んだ方がいい。私が日頃、糖尿病を恐れている理由が、分かってもらえるかなと思います。

【再読】伊藤文學氏「『薔薇族』の人びと」
一部の業界では有名な薔薇族という雑誌の編集長がまとめた。思い出話と貴重な原稿の再録。
あの山川純一先生の漫画も一篇入ってますし、超有名文豪の幻の作品「愛の処刑」が読める!
が。たぶんこれも絶版。どうしても読みたい方は図書館または文豪の全集で。

2020-04-21
【読んだ!】小杉泰氏「イスラームとは何か」
日本からまだまだ遠いイスラームの歴史から、現代の問題点をあぶり出す良書。
なるほど、少し危機意識が見えてきた。
イスラム教・アッラーの神という名称は重複表現。マホメッドは40歳で啓示。コーランはクルアーン。現代人の常識になりつつあるのか。

【読んだ!】佐江衆一先生「黄落」
この主人公には問題がある。マザコン男に老親介護は「無理である」。しかしなぜマザコン息子が育ったか、その理由も書いてある。
意識的か無意識かは分からない。
よい小説はすべてを暴く。
ワリを食ったのはマザコン夫の妻と思う。この読み方は意地悪だろうか。

【読んだ!】介護福祉士養成「認知症の理解」
教科書が語る実に理想的な介護。だがこれができる「現場」がどれだけある。
うちの婆さんはホームの愚痴をこぼしていた。
「どこが心の介護よバカにしてるわ」
だが私だって介護なんかしてない。
今、普段以上に厳しい状況と思います。頭が下がります。

【読んだ!】ハリス「羊たちの沈黙」
映画は何度も観ましたが原作は初読。クラリス無双してるんですね? 映画ではレクター無双な印象だったんですが。
個人的には原作の方が好みですが、キャラクターは映画の方がよく描けているのかもしれません。
ホプキンスが怪演すぎて、食っちゃったのかもね。

2020-04-22
【読んだ!】石川義博医師「非行少年の矯正と治療」
完璧な子がいないように、完璧な親もいないのです。そもそも社会が完璧とはほど遠いのだから。
少年犯罪が起きるたび、本人や親の責任をあげつらうのではなく、社会全体が受け止めるべきでしょう。
非行少年から学ぶことが、あるはずですけどね?

【読んだ!】東野圭吾先生「赤い指」
お見事! テーマ、構成、リーダビリティもピカイチで、すっきりと美しいエンタメに仕上がっています。
いわゆるコロンボ型と思いますが、お手本のような一作! 加賀シリーズ作品ですが初見OKの配慮が嬉しい。
無論、全部読んだ方が楽しいに決まっていますが。

【再読?】国木田独歩先生「武蔵野」
再読ぽいんですが何も覚えてなくて驚きます。たぶん全然理解してないんでしょうね。難しいというより、向いてない。
ただその美しさは心地いいです。
心あらはれ、あまやかに、夢路をひとりありきつつゑふ。といったところでしょうか。
だから忘れるんだな。

【読んだ】青山光二先生「吾妹子哀し」
静かな筆致で語る、美しき老境の夫婦愛。幼子に還ろうとする吾妹子は天使のように可愛らしい。
さて。私はその吾妹子さんの方に問うてみたくなる。
あなたは本当に美しい愛で幸せに……いや、よしましょう。見えない方がきっと素敵。
文章が素晴らしい。

2020-04-23
【読んだ】佐江衆一先生「老熟家族」
社会派ミステリ、なのかな。介護・認知症・安楽死・新興宗教・世代間断絶・ご近所トラブル・婚外恋愛。現代の問題がこれでもかと盛られている。これが85年の小説。35年経っても解決はしませんが、少なくとも作家の想像する最悪の未来よりはマシなようです。

【読んだ!】山口恵以子先生「月下上海」
清張賞。受賞時点で出版歴有。その後はご存知の通り!
上海の月下美人の話、ということでしょう。三人称で強く美しいヒロインをどっしりと真ん中に据えて、歴史と異国を感じるストーリー。
王道をヒロインの魅力で存分に描いた。私はこのヒロイン、好き!

【読んだ!】認知症ケアの実際1 総論
資格試験のテキストですが、認知症家族のいる方に読んでいただきたい内容。
家庭でできること、施設でできること、全部は無理でもなるべく患者さんの利益になればいいですね。
婆ちゃんの話を聴いていたのも、実はケアだったのかな? 彼女認知症じゃないが。

2020-04-24
【読んだ!】ヘッセ「荒野のおおかみ」
凄いね……。車輪の下から見いだされた魂が、デミアンによって破瓜し、いまここに結実した。
50歳。
言うまでもなく、この方は世界最重要作家の一人であると確信した。何も信じられなくなっても、私はこの人を信じるだろう。
ひとへに我一人がためなりけり。

2020-04-25
【読んだ!】辻仁成先生「ピアニシモ」
いいですね! みずみずしく闊達な書きぶりが、どこかやっぱり音楽的で、染み付いたリズムのようなものが心地よいです。
ストーリーも堂々として、小細工のない感じが新人らしくて眩しい!
ある世代の人には懐かしいでしょうね。私はテレクラやったことない。

【読んだ】橋元の物理をはじめからていねいに 力学編
とにかくセンターレベルの「問題を解く」ことに特化。これを読んで、あとは実践問題に当たりながら都度わからない所を参照するのがよさそう。
あ、私は受験しないんで、とりあえず力学以外に進みます!
簡単な立式はできそうなのでたぶん名著。

2020-04-26
【読んだ!】カポーティ「冷血」
天才の仕事というものは。単なる美文とか筋書きでは語れないんだと思う。小説が小説であるためには何が必要か。
筆力のレベルが違う、と私は思う。
各位、ご確認ください。
できることなら原文で読みたかった。#読書

2020-04-27
【再読】「小川未明童話集」
感性が独特で、非常に文学的ですよね。個性で売っていく作家の中でも、特に個性的な方かもしれません。
私は人魚の話くらいしか読みませんでしたが、子供の頃に読み込んでいたらどんな大人になるんでしょうね?
私はギリシア神話読んで育って、ご覧の有様でございますww

2020-04-28
【再読】芥川龍之介先生「地獄変・偸盗」
結局はいつもここに戻ってしまう。世界の小説がどれだけ素晴らしくても、日本の文学も負けてはいないんだと思えるから。
作家はお気に召さなかったという「偸盗」。文章力が尋常でない。
これが原文で読めるのだから、ネイティブ日本人でよかった。#読書

2020-04-29
【読んだ】川上弘美先生「センセイの鞄」
陽炎のような恋愛模様。連載小説という枷を見事に調理した素晴らしい技術。
核心に迫るほどすっと「引いて書く」ことができるんですね。ものすごい力量だと私は思います。ちょっと、伊勢物語なんか思い出しました。
こんなに恵まれた老後、羨ましいですね。

【読んだ】認知症疾患治療ガイドライン
普通にガイドラインをまとめた医師向けの本なので専門用語で書かれていますが、疾患の俯瞰には役立つはず。
やはりガイドラインですから、これと違う診断・治療もあると思います。というか、そこが医師の判断なので。
とりあえず運動はした方がよさそうです!

【読んだ】平家物語一
序盤から平家TSUEEEというよりは平家HIDEEEEという話。とはいえ、最近古代ローマ史とか見聞きしているので
身内で暗殺とか結婚とか繰り返してるわけでもないしな……?
という気持ち。まだ三冊あるから油断は禁物か。
他古典作品からの引用が気になる。著作権って大事だな。

2020-04-30
【読んだ!】馬場禮子氏「心理療法と心理検査」
日本ロールシャッハの第一人者による論文集。興味深いがロ試験というものが本当に科学的手法なのかについては分からない。
マーカーなどと違い診断に技術が要りすぎる。
それを抜きにしてもロ試験は受けたくない。吉行淳之介先生が受験しててワロタ!

【読んだ!】橋元の物理をはじめからていねいに 力学以外
あれ。面白いぞ、これ? 問題を解くために書かれた本のはずだが、一貫しているのは
物理はそんなに難しくないですよ^ ^
というメッセージ。まだ難しいとは思っているが、なんだか興味が湧いてきました!
えれきてる、ですか……いいね!

いっぱい読んだねえwwww これだけあるんだから、一冊くらいは気になる本、あったんじゃないでしょうか?!(ここまでたどり着いていればww)
読んだ本片っ端からつぶやくんで、めちゃくちゃ煙たがられますがww これは「こんなに読んですごいでしょー?」とか言いたいわけではなく、この中の一冊でもお手にとっていただければ、という善意100%でご紹介しています!

実際、ここ発信で読んでくださった方もいるんですよ! 嬉しいですね^ ^
あ、よかったらツイッターの方もフォローしてくださいね☆ もうすぐ執筆期になって、ロクなことつぶやかなくなる気はしますが……奇人観察にもオススメですよ^ -☆ 全力フォローバック中!

いいなと思ったら応援しよう!