謎の新種キノコ!ハマクサギタマゴタケ試食記
謎のキノコ、ハマクサギタマゴタケ
お久しぶりです。こんにちは。最近新種のタマゴタケ、謎のキノコとしてキノコ界隈を騒がせているハマクサギタマゴタケ(仮称)。まだ正式な標準和名も小種名も決まっていない新種のキノコです。東南アジアには白いタマゴタケが発生するとのことなので南方系の外来種でそれと同種という説、ミヤマタマゴタケという最近発見されたキノコの亜種もしくは変種との説、全くの新種との説、様々な説があるようです。ミヤマタマゴタケはその名の通り深い山に発生することが多いですが、ハマクサギタマゴタケは低地のカシ系統の木の下に発生することが多いようです。都市部の公園やちょっとした山にも発生するようです。西日本を中心に近年目撃情報が多発しているので、探せば結構あるのかもしれませんね。
このハマクサギタマゴタケ、夜中に見つけたので暗くてすみません、今度生えていたら再アップします!翌日見に行ったら採ったもの以外はもう倒れていました。大きいと傘の直径が25センチを超える。そのくせして柄は中空でスカスカな上に細いので自重で潰れたのかな??
しかし、色合い、綺麗で神秘的ですねえ!!!
食?毒?どっちなの?
ハマクサギタマゴタケ、新種ということでもちろん食毒不明。食えるのか猛毒なのかも分からない。一応調べてみたものの食毒不明、テングタケ科は毒キノコだらけなので未知の猛毒キノコの可能性もあるから安易に食べるなとの情報が出てくるのみで毒の有無に関してはゼロ。探しましたが近縁種のミヤマタマゴタケを食べたとのレポはありましたがハマクサギタマゴタケは見つからず。
じゃ、食って確かめてみればよくね????ってことで実際に食べてみることに。←ダメっていわれてるやろが
さすがに無根拠で食べたわけではありません。一応、以下の理由により無毒の可能性が高いと感じていました。
・食用のタマゴタケに近い種類であること(白い猛毒キノコであるドクツルタケやシロタマゴテングタケよりもタマゴタケのほうが分類上近い。タマゴタケはタマゴタケ節、ドクツルタケやシロタマゴテングタケはタマゴテングタケ節に属する、形態からしてハマクサギタマゴタケもタマゴタケ節に分類されると思われる)
・タマゴタケの仲間は無毒のものが多いこと(ただしツルタケダマシやタマ ゴテングタケモドキのような毒キノコもあり)
・同種もしくは非常に近い種類とみられているミヤマタマゴタケを食して無事だった内容のブログがあること
・白系統のタマゴタケ(同種か否かは不明)を食べている国(タイ王国)があること
・人里に生えるキノコが新種の猛毒キノコであれば何らかの情報があるだろ うと思う(思い込んでいるだけかもしれないが)こと
以上の理由で慎重に試食してみることに。
【警告】
このレポを読まれた方、絶対にマネをしないでください。下手したら命にかかわります。毒の量も地域差が、中毒するかどうかも個人差あったりするので絶対にやめてください。
追記にも書きましたが、中国で発生する、ハマクサギタマゴタケに非常に近いと思われるAmanita chepangianaからは微量のアマトキシンが検出されています。アマトキシンは肝臓に蓄積するので大量に食べた場合はもちろん、大量でなくとも反復して食べるなどした場合、中長期的な影響は分かりません。絶対にマネしないでください。
ハマクサギタマゴタケを食べてみた
ドクツルタケやシロタマゴテングタケのような似ている猛毒キノコもあるので、念のため特徴を確認。傘の条線、ツバ、大きな袋状の二重のツボ。それから特徴的なにおい。仮名中のハマクサギはキノコのにおいがハマクサギ(浜臭木)という植物のにおいに似ているからとのこと。ハマクサギは淡路島固有種のようですね。私はハマクサギのにおいをかいだことがないのですがちょっと嫌なにおいというか他のキノコにはない特徴的な変なにおいがするのでハマクサギタマゴタケで間違いないですね。
取り敢えず味見。やはり味を一番楽しむにはストレートに焼くのが一番!てなわけでホイル焼きにしてみました。
味は・・・・やっぱり特徴的なにおいが気になる。結構強めのにおい。やはりタマゴタケの仲間というだけあって旨味そのものはあり、タマゴタケに似た味がしました。いっぽうで旨味はタマゴタケよりもずっと弱く、独特な苦みというかえぐみがあり、お世辞にもうまい、また食べたいと思うキノコではありませんでした。10点中3点かな。まずくはない。食用不適までは行かない。かといえば食用でもなく、可食といった感じでした。
まずは経過観察
試食後に体調の経過観察。本当にリアル人〇実験ですね。ドクツルタケのようなテングタケ科の猛毒キノコの潜伏期間が6~24時間とのことなので、とりあえずひとかけらだけ食べて24時間様子見。めちゃくちゃ怖い。あたったらどうしよう。いっそのこと1時間くらいで当たって欲しい(そうであればドクツルタケと中毒タイプが違うので猛毒の可能性は低いと考えられる)と思えてくる。イボテングタケ食べた時より怖い。イボテングタケのときは最初から毒だと分かってたし、死ぬ可能性は低いと分かっていたので。猛毒かどうかすら分からないほうが怖い。だったら食べるなよって感じですね、すみません。
なんとか24時間何も起きなかったので1/2本食べてみる。さらに24時間しても何も起きないので残りをすべて食べる。さらに24時間経過しましたが、体調に変化はなし。どうやらハマクサギタマゴタケは無毒のようです。
次は天ぷらにしてみる
無毒っぽいので次は天ぷらに!!!むっちゃ適当ですが出来ました。天ぷらしてる途中に地震(震度3)きたのでビビりちらしましたが、無事完成。
天ぷらだとカリッとしていて中から弱いながらも旨味が出てくるのですから後からえぐみと嫌なにおいがしてきたのでまずい訳ではないですが旨くもない。10点中4.5点くらいか。
味はやはり、タマゴタケの旨味を薄くして、苦みとえぐみを足したような感じ。もちろん浜臭木のような嫌なにおいもついてくる。
こう見るとハマクサギタマゴタケもやっぱりタマゴタケの仲間なんだなって思えてきます。
追記
英語版のwikipediaですが、ハマクサギタマゴタケに関する情報を漁るうちに、中国で可食のキノコとして認知されていたAmanita chepangianaという、ハマクサギタマゴタケに非常に近いと思われるキノコ(ハマクサギタマゴタケと同様に白色でしばしば傘の中央部が帯黄色、大型、条線、ツバ、大きなツボを持つ)から、微量のアマトキシン(ドクツルタケなどの主要な毒成分で猛毒)が検出されたとの情報を見ました。(ちゃんと引用元リンクもありました)ハマクサギタマゴタケにもアマトキシンが微量ながら含有される可能性は否定できません。結論から申し上げますと、今回のハマクサギタマゴタケの試食では中毒症状を発症することはありませんでしたが、アマトキシンを摂取した場合、分解されずに肝臓に蓄積されます。そのため大量に摂取したり毎年のように食べ続けていると許容量を超えてしまい、ある日突然内臓壊死や劇症肝炎を引き起こす恐れがあります(これはベニテングタケやイボテングタケにも言えることですが)。やはり正式に学会から毒の有無が発表されるまでは絶対に食べないでください。私も今年、ハマクサギタマゴタケを再び食べようと考えましたが良い個体が採れなかったこともあり、来シーズン(2023年)に持ち越すことにしました。恐らくハマクサギタマゴタケの摂取は学会から無毒の発表が無い限り、来シーズンで最後にするつもりです。
最後にもう一度おねがい
絶対にマネしないでください。これを過信して中毒しても私は一切責任をとりませんしとれません。学会などがしっかりと無毒との判断を下すまでは食用を避けたほうが無難です。
僕自身、キホウキタケやガンタケ、ハイイロシメジみたいな人によって当たるキノコや弱毒キノコはあまり当たらない人なのでもしかしたら有毒なのかもしれません。絶対にマネしないでください。ハマクサギタマゴタケを見つけても食べないでください。ノーマルのタマゴタケを食べておきましょう。そちらの方がはるかに美味しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?