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オキナワノコギリクワガタ
なんだか水生昆虫ばかりになっているので、もともと好きなクワガタさんの紹介をぼちぼちしようかと…。
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赤が目立つ、トロピカルな雰囲気の南西諸島のノコギリクワガタです。
そんなオキナワノコギリは、沖縄島と周辺の小さな島に生息しています。
あまり沖縄島から離れすぎると別亜種という扱いになってしまったりします。
例えば伊平屋島だと別亜種イヘヤノコギリクワガタ、久米島だと別亜種クメジマノコギリクワガタに名前が変わったり。
オキナワノコギリクワガタ自体もひとつの「種」ではなく、「亜種」という扱いになっています。
どれの亜種なのさ?って感じですよね( ´灬` )
アマミノコギリクワガタの亜種になるんです。
学会などでは「アマミノコギリクワガタ沖縄諸島亜種」という呼称が使われることが多いです。
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そして、本州でよく見る「ノコギリクワガタ」とは別種になります。
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種や亜種に分けていくことを「分類」というのですが、これがまた難しく厄介な学問なもので、それに関しては別の記事で書く…かも…。
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パッと見の雰囲気は結構違いますね。
さてさて、オキナワノコギリさんの生息環境ですが、とりあえず沖縄島全域で見られます。
中南部はノコギリの比率が高く、北部はオキナワヒラタの比率が高い、という話もぽつぽつ聞きます。
あまり標高の高くないシークヮーサー畑でよく見かけます。
※シークヮーサー畑にはいる時は、事前に畑の所有者さんに許可を貰いましょう!
ハブが樹上にいることもあるので、十分気をつけましょう!
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沖縄島中南部ではタブノキやクサギによくくっついているそうなのですが、私は北部メインで観察などをやっているので、その光景はまだ未見ᵕ᷄≀ ̠˘᷅
他にもカンコノキ、シマトネリコ、ゲッキツ、ソウシジュ、タイワンモクゲンジに集まります。
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私がよくクワガタの観察に用いるアカメガシワでは、まだ1頭しか観察しておらず( ´灬` )
私が見るアカメガシワの生えている標高が高いので、集まりにくいのかもしれません。
南西諸島でよく用いられる「バナナトラップ」にも集まるとのことですが、これに関しては私がトラップをほとんど仕掛けないため、どれほど来るのかは分かりません。
私自身バナナトラップの経験がほとんど無いことと、トラップ仕掛けに対する世間の風当たりの強さから、仕掛けるのが面倒なので…ᵕ᷄≀ ̠˘᷅ᵕ᷄≀ ̠˘᷅
標高が低く、少し海沿いのところでよく見るイメージです。
そういう場所は民家や街灯やお店が多いので、明かりにつられて飛んでくることもよくあります。
ですので、観光に来られた&クワガタを安全に探したい!というご家族のかたは、ホテルやコンビニ周りを探してみるのもアリだと思います。
発生時期ですが、梅雨明けと同時に発生して、そのまま二次発生らしき現象は見られず、10月までは何とか見られるという感じ。
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クワガタにとって良い環境だと、こんな光景をよく見かけます。
サイズですが、〜55mmくらいの小中型個体はよく見かけるものの、60mmを超える個体はぼちぼち、65を超える個体はぽつん、ぽつん、という感じです。
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これくらいのサイズをルッキングで見つけられればラッキー。
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大アゴの形状は、曲がらずストレート気味な個体が多いです。
そしてオキナワノコギリの特徴として、「金粉個体」の存在が挙げられます。
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羽の泥汚れにしか見えないのが金粉とされるものです。
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羽の真ん中、泥汚れのようなものがそれです。
泥汚れのように見えますが、洗っても落ちず、よくよく見ると内部がキラキラと光を反射しているのです。
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ここまで拡大すると金粉っぽさが出てきます。
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金粉の範囲は羽だけでなく、全身に及ぶようです。
金粉個体なるものが発見されているのは、アマミノコギリ、トクノシマノコギリ、オキナワノコギリ。
同じグループであるイヘヤノコギリ、クメジマノコギリ、オキノエラブノコギリあたりでも出現しそうなものですが、そういった話はほとんど聞かず…。
金粉度合いが極端になると、汚いオウゴンオニクワガタみたいな感じになります。
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もっとすさまじいメス個体がいたのですが、その写真が見つからず…(;_;)
金粉模様は体内の水分量とも関係があるようで、濡れていたり水分量が多いと目立たず、風に当てたり標本にするなど水分量が少ないと目立ってきます。
この点はオウゴンオニクワガタやヘラクレスオオカブトの羽とよく似ていますね。
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今年もカッコイイ個体や、わちゃわちゃ群がる様子を観察できたらいいなぁ( ´灬` )