3200mを頂上に決めて良かった。
3200mを頂上に決めて良かった。
富士山の標高は3776m。
でも私は3200mを富士山の頂上にきめた。
あの時の選択を思い起こそうとおもう。
2022年の夏、小学4年生〜中学3年生の約20名と大学生リーダー約20名で4泊5日間かけて富士登山キャンプを行った。
私は2ヶ月前からキャンプ運営メンバーとして立候補した。5人でゆっくり、でも確実に企画づくりを行なった。大学3年生のテスト期間、忙しながら深夜1時までzoomをした。時には一日中話し合った。
そんな大切なキャンプ当日。
1日目と2日目はチームビルディングだった。
私たちが子どもたちのために必死に考えた企画をもとに「班のお友だち」から「仲間」へと変わっていく瞬間をみることができた。
いざ3日目。登山の日だった。
少しドキドキしながらも、ワクワクでいっぱい。
でも楽しい時間は束の間、大雨に襲われた。
mont-bellのレインコートでも勝てない程の大雨と暴風だった。
怖かった。
子どもの手を握りしめないと、風で飛んでいきそうだった。
寒くて震えて生きて帰れる気がしなかった。
17時に七合目の山小屋に着くはずがあまりの過酷さに20時に到着することになった。
でも。ただしんどい、怖いだけじゃなかった。
高山病になった子どもを大学生の後輩と両手を持ち支えながらあるいた。子どものザックを男子学生が背負い重い荷物を持ちながら上を目指した。
そこまで怖い思いをして登らなくてもよかったかもしれない。でも子どもの命、私の命、仲間の命を守ることで必死だった。
山小屋につき、インストラクターの方と話し合い山頂アタックすることはやめて下山をきめた。
私たちが3200mを頂上に決めた瞬間だった。
余儀なく決めた下山だった。頂上には行けなくて悔しくて泣いた。でも私は3200mに誇りをもてた。
チーム全員で怪我なく命を守って五合目に行くんだ。みんなを守るんだ。心が一つになった。
一つになる瞬間は目には見えないかもしれないけど、確実に心の中でそう思えて嬉しくて涙が出た。
結果登頂できず悔しいキャンプではあったが、
あの時の選択が今の私をつくっている。
目的や目標、芯はブレてはならない。
そう思ってきていた当たり前が崩れたように思う。
もちろん大切なことだと思う。
だけど、過程でドラマをたくさん作りたい。訳わからないくらい、語り尽くせないドラマを作って目標を変えたっていい。芯を変えたっていい。
もしかしたら3776mの景色は新しい世界を広げてくれたかもしれない。でも私は3200mの世界で深く人生の面白さを知った。
まだ諦めた訳じゃない。2023年も挑戦したがちょうど台風直撃により富士山に触れることすらなく大阪で悔しく泣いて終わった。
でも大丈夫。
あの時私はあの時の選択をしたから、
きっとワクワクを追い続けていくだろう。
大切な人や仲間と一緒に。