映画『ラストマイル』をたくさん見て思ったことどんどこ書くだけのnote
2018年、アンナチュラルという作品と三澄ミコトという存在に心を洗われた女がずーっと激重クソデカ感情を何マイルも溜めていく場所です。
読みづらいことこの上ありませんが一応小見出し風にはしてみます?
それじゃレッツゴー
1回目の鑑賞(8月23日)公開初日朝
満島さんの言う通り、過去作を見ていると完全にキャーキャーしちゃって感想というレベルの内容ではない件
公開初日の朝イチの回、前めドセンター視界良好サウンドはウルティラ
小ネタをどんどんと書いていく。
・宅配ボックスの開錠番号が404だった
※ついでに13という嫌な番号に入れられてた
・アンナチュラル7話の白井くん
元気にバイク便(ハサブサ)で働いていた、よかった。しかもそれは六郎の働くオペ室で不足しているメディカル便の荷物を急遽届けるためだった
・スペゲスさんの正体
今回の容疑者としてあがってしまう山崎佑さん、中村倫也さんでした。納得。なので、必然的に容疑者は今回の発表済みキャスト陣の中にはおりませんでしてよ。
・羊急便 八木さん/阿部サダヲについて
羊の中にいる八木→山羊。
エレナがしきりと「悪い羊がいるのでは」と疑いをかけるので、まるで醜いアヒルの子の白鳥かのような言い回しではあったが、不適切にも程があるにも見た悩ましい中間管理職であり、最も日本人的な働くサラリーマンの「今にも全部投げ出したい感」が出ていた。
ストライキを経た労働者としての結束感もありとても熱のある役だった
・舟渡エレナ/満島ひかりについて
やはり名前的に海外からきたというのは想定通りだった。福岡で時差?という台詞もまさに。
What do you want?と呼びかけてくるデイリーファスト社及び梨本くんに何が欲しいのかと問われた時「全部。」と言ってみせるなど、貪欲でアメリカ的だが本人の言うように日本人としての労働にたいする献身的な姿勢や、病んでしまった、眠れなくなってしまった過去も抱えており、清濁合わせ飲んだ上で「ブルドーザーのように働くバイタリティ」とアメリカ的ユーモアのある人物だった。かなりエネルギッシュなのに闇を感じる部分もある。飄々として笑っているが重たい過去があるのはアンナチュラルのミコト的であり、MIU404の志摩的でもあるし、中堂さん的でもあり伊吹的でもあると思う。それにしても自社の製品でキャンプをして楽しく逆境のを乗り切ろうとするあたり本当にユーモラスで職場や仕事を明るくする努力も忘れない。健気さが感じられる。そして経済市場やグローバル企業に勤めている自覚もあり警察に反発したり従業員代わりに丸め込んでしまったりという発想の転換が本当に面白い。犯人探しと物流現場を止めないという使命の二つをこなすことができたのはやはり賢く優秀だからだと思う。
・梨本孔/岡田将生について
ホワイトハッカー最高!
だいたい日本は労働環境が悪いけれど日本の嫌なところを煮詰めた会社でかなりしんどいといえば物流や配送の他にSEや派遣エンジニアがあがってくるのでなんとなく納得。
アンタがいれば全て解決!パソコン片手に温かい服を着て倉庫内を走り回る姿、花屋でギフト作って出荷してた時代の上司を思い出しました。
・佐野親子/しょうへいコンビについて
なるほどこの2人は別件ではなく羊急便のさらに委託先だった。こうして委託先にまた委託、となっているのが日本の現状でその末端にいるイメージ。
DAから始まる荷物の番号を確認するシーンがあったのはDailyFastなのにDFでないところが本当に某アマゾンの荷物番号と同じ法則なのでめちゃくちゃ細かい描写だけどすごかった。息子がこの仕事を教わってる理由は耐熱性が非常に高いが部品も高くつく故に物価高騰や低賃金で叩かれる日本の経済に耐えかねて潰れた洗濯機のメーカーを辞め仕事がなくなったからだったが、まあ、それが…ね?大活躍するわけで、
やっぱり高いものはそれだけ安全っていう象徴でしかないと感じられたよ。素晴らしかった。
・労働環境について
Daily fastにエレナが行く時モノレールに乗っていたけれど、やはり物流は港の方に倉庫を置くのでリアリティがあった。社員はホワイト、派遣はブルーというパスを持って入場するのはホワイトカラーとブルーカラーの象徴になっているようで、社員9名に対し派遣700,800人というのはすごい比率だけど現実にタイミーやシェアフルで雇った身元もよくわからない人でさえ働けてしまえる時代をよく反映している。
シャトルバスが出ているのも既視感がある。
運送会社が本社の人はトラック便なのにたいして、下請けはステッカーを貼っただけの軽バン移動というのもよく見かける。
宅配ボックスに入れる時、番号を設定するためにタッチパネルを押す時、ゴム手袋が反応せずわざわざ外しているなどの細かい描写が本当に塚原さんんんんん野木さんんんんんってなった。何もかも本社が決定権持っている、グローバル企業だからNY市場の開く時間や株価までをも把握した上で荷物を出荷しなくてはいけないのも「世界が繋がる」という作品のキャッチフレーズにふさわしい。
・MIU404メンバー登場シーンについて
しれっと六郎のところに伊吹志摩が行ってて繋がったああああああああああ!ってなった。
桔梗さんのピリッとした空気感がほんとに好き。陣馬さんや武蔵野のメンバーは相変わらずだったし、真剣な捜査本部のMTGでも笑いがまざるあの感じはMIUの既視感。
伊吹が犯人の部屋に女の気配を感じたことをキュルッ!って言ってたシーンは劇場でも笑いがこぼれてた。
今回出演が叶わなかった九重くんの代理みたいなカツマタくんって若手くんもグッドだった。←※これ重要
伊吹が山崎の枕元の明かりを消すところが米津さんの歌詞の「痛いの痛いの飛んでゆけ」「明かりを消して」そのもので感動してしまった
伊吹志摩は結構出てたと思います
メロンパン号はどうやら警察車両と一緒にDF社に止まってました!
・アンナチュラルメンバー登場シーンについて
まさか六郎だけ別だったけどメディカル便が届かなかったことや山崎さんの治療に携わってたというかたちで関わってくると思わなかった。
ミコトが初手でA4の紙を探しててwwwwww
東海林にちゃんと頼んだのー??って聞いててラボではメディカル便遅延関連で道具が不足してるとかはないんだwwwって思った。
所長や坂本さんは六郎から「ありますか?」「分けてもらえませんか?」って問い合わせに対応してたので、ラボは物流が止まってもプリント用紙がなくなることくらいしか困りごとないんだwwwつよwwwって思った。
相変わらず中堂さんがうるさいうるさい行っててクソの2文字で劇場が笑いに包まれたよ笑
ひとりだけテレビにかじりつかないところも面白いな。
そんな中堂さんがご遺体の正体を見極めて
「見上げた根性だ」というのにたいし
ミコトが
「そんな根性なら、無い方が良い…」
ってつぶやくところはミコトは雨宮時代のことを思い出しているようで胸がギュッとなった。
・五十嵐/ディーンフジオカについて
英語がうまいし圧力かけてくる強めの本社マンって思ってたけど、実はしっかり山崎とセンターで働いた上で今の立場にのし上がっていて、その上エレナとサラに足元をすくわれてはしまうものの、現場を分かった上でDaily fast社の社訓を誰よりも頭に刷り込んでいてこれもまたつらい立場であろうと思ったし、冷徹なだけじゃなく山崎くんのことが頭から離れていない印象が最後まであった
・三澄母 薬師丸ひろ子さん
なるほどそういうかたちね!?!?!?
いつでもしっかり労災問題に取り組まれているお姿に安心しました。まじこの世界線で労災起きたらまず坂の下法律事務所へ!!!!!笑
・米津玄師のがらくたについて
生きていてよ、という言葉は
眠ったまま恋人を亡くしていることに気づいていない山崎の言葉のようにも聞こえるし
山崎を失ったと思って罪をあがなう筧の言葉にも聞こえる
あなたが壊れる という言葉は
山崎のメンタルが労働によって壊れてしまったことにも聞こえるし
筧が犯罪に手を染めてしまったことのようにも聞こえる
「上手くできない」という言葉はどの役にも通じているように聞こえて、自分のポジションや与えられた仕事や立場で出来る精一杯をするとどこかで誰かに皺寄せがいくのを避けられず誰も悪くないのに結果だけはなぜか悪くなってしまうという社会の悪い循環を示しているように私は感じた。眠れない夜の鳴り止まないスヌーズは眠れなくなってしまったエレナを表すようなかも思う。痛いの飛んでゆけは前述の伊吹が山崎の枕元の明かりを消したあたりの仕草のようで、嫌いだ 全部嫌いだ という台詞はこの映画の全員が頭を抱えている時にずっとずっと「なんだよこれどうしてこうなっちゃったんだよ随分遠くに来たもんだ」と思うその想いが詰まっているようで涙が止まらなかった
あと他に細かいなぁって思った描写
・デリフォンっていう携帯が爆発したんだけど、スマホの充電バッテリーの爆発事故って実際あったから真実味がすごくあった
・それでいて結果はセール品がランダムに、だった点でアロマディフューザーに安眠まくら、焼き鳥ゲーム、売れそうで売れないけどなんか癒しを求めてる社会人が買いがちグッズだったのがより切なかった
・いまだにファックスでやり取りしてることにエレナが仰天してたけどこれもあるあるなんだよね……ペーパーレスに乗り遅れてる企業は山ほどある。
・最後のひとつ(最初のひとつ)が誕生日プレゼントだったのもエモすぎる
・最初に警察2人がDailyFastを訪れて去っていく時チラッと派遣さんがすれ違いざまに警察を睨みつけてるシーンがあって、それが安藤玉恵さんに見えたんだけど気のせい??彼女どこで働いてる設定だったっけ??違ったらすみません……
・DailyFastがFaustで悪魔の綴りになっているのは預言とも言いたくなるし面白い
・爆発の規模感が違うけど(オフィス爆破したやつもあったしショッピングモールで大量に被害出たのもあったし引火要因だけど工場火災になったのに羊急便で落としたやつは軽傷で終わった)それも12個依頼されて作ったけど11個目だけモータが動かなくてェ…と適当な爆弾犯の作ったもの感があった。だからこそ筧が最初の一つ(モータ不良品)を開けて爆発するかは一か八か1/2の確率のつもりだったろうから、規模が大きくなるように火を焚いていたのだろうしもし爆発しなくても別の死因で死ぬつもりだったんだろうなと思うと悲しい
⇒重要事項:カツマタくん、パブサしたらMIU3話のイタズラ通報くんだったのですね?2回目見たらまた書きますね。
2回目の鑑賞(9/15)夫を勧誘
プレミアムシートでのんびりポップコーンと一緒に。
初日は結構前めで見たので後ろの方から全体を見渡せる席で見てみました。
塚原監督が「ポップコーンとビールに合う映画ができました」とオフィシャルサイトで仰っており、実際に満島さんたちとそういう鑑賞会もしたとのことで、我々もポップコーンムービーを楽しませてもらいました。
・まじで今までしてきた仕事について思い出させられた
というのも自分、コールセンターの経験と、供花とか母の日のアレンジメントみたいなギフトを発送したりAmazonとか委託(=映画内でいう物流代行サービス)の出荷をするバイトをしていた時期もあって、メディカル便が届かないってなってコルセンに苦情殺到して「我々なんも知らん…でも謝る…」っていう状況とか、委託販売する商品にはバーコードの上に別のシールを貼る作業とか、それが返品されたらまたシール剥がして詰め直すとか実体験としてあったからめちゃくちゃ苦労が身に沁みてきてエレナと一緒に頭を抱えてしまった……。
ついでに私は持病の関係で薬を飲んでいるんだけど、一時、製薬会社がワンオペ作業をしていたがために成分の混合の事故が起きた時があって、他のいくつかの製薬会社も検査を受けるなどの影響があったせいで、薬の在庫が無いっていう時期を目の当たりにしたことがあった。
その時、確かに「近隣の他の薬局なら在庫があるので行ってみて」って言われたり、バイク便使ったかまでは知らないけど、「今日の分だけとりあえず1錠渡せますが、残りは明日入荷するのですぐ郵便で送ります」と言って届いたこともあった。
だから余計にメディカル便のくだりも身に沁みちゃった。
・山羊のほかに熊も犬もいたことに気付いた
くまはなんか1回目もいた気がしたけど犬もおったんか…
・転落に関する描写
ななみちゃんがベランダの手すりから下を眺めていて、手前に降りた描写をあんなに細かく描くなんて。やっぱり飛び降り事故・事件を意識している?ななみちゃんが宅配ロッカーの前で荷物を待っていた時もまず最初に「落ちた?!」って子供の転落事故として心配するのは当たり前のことなんだけど、今回の映画でそういう描写を入れてくるのには意味があるよね。
エレナが倉庫を始めてみて「面白い作り!」と言ったシーン。
もうその瞬間から彼女は「ネット張らない?」と言っていて
梨本が「転落防止?」と聞き返すと
彼女は「飛び降り禁止」と言った。
はっきりと山崎のことを意識した発言だったと思った。
・相変わらずの労働環境と人間の取り扱いに関して
ブルーパスの人たちにペナルティがあることがブラックフライデー3日目あたりにアナウンスされているのが怖い。
結局そのペナルティとか社員の動きをまるでロボットのように管理しているからこそ、筧まりかを見つけることができたのだけれど。
3回目鑑賞(9/21)入場特典ゲット
またも前めドセンより「今度こそ泣かない」を目標に。
初日前めと同じくらいの位置から鑑賞。
湾曲しているが品質に問題のないステッカーを無事入手して愛しい気持ちになりました。
・広告は最初から流れてた
もう、エレナの登場シーンのモノレールの中で流れていた広告がすでに、筧まりかの作った嘘広告だったことには今日やっと気付けました。
・労働者たちの視線がきつい
やっぱり倉庫の中で警察をにらみつけてる女性が何度見ても安藤玉恵さんに見えるな~と思ってみていたんだけど、そう思うと捜査の間中、歩き回る八木さんに「訴訟をいくつか抱えていますよね」「従業員への残業代未払いとか」と話している時も、ずっとずっと視線が気になった。
デリファス倉庫内で警察がうろついている時も、みんな不安げな顔というよりはちょっと迷惑そうな顔をしていて。
もうこれってモブの人たち含めたあらゆる人がストレスフルな社会を表わしているよねって。もう働きすぎて、警察沙汰になってたら普通怖いなとか仕事なんかしてないで捜査終わるまで休みたいよとか思うのだろうに、それより業務効率が下がることが嫌になってるんだよな。壊れちゃってるんだよな。
・撮影スケジュールやスタッフさんの配慮などを感じた
いくつか、がらくた対談として満島ひかりさんと米津玄師さんの動画や、パンフレットの内容、もろもろのインタビューなんかも読んだうえでの鑑賞だったんだけど、腑に落ちすぎる。
「上司が変わって気に入らない?」というエレナはまだ“エレナ”じゃない感じもしたし、役を演じ終えて初めてその世界に没入している、というひかりさんの言葉がなるほど、と思った。監督一同スタッフが、あまり世界にのめり込まないように、事件にたいする反応に自然な新鮮さを保つために、役者さん達の距離をあけたりスケジュールを調整したことを思い出した。
・六郎、いた?
山崎の父親が病院のエントランスで筧まりかのことを突き飛ばしてるとき、六郎っぽい人がエスカレーター上がってるように思った(他にもあの帽子被った医者はいるからなんとも言えないしそのころは彼はただの夜勤だったけど)。
・メディカル便及びビジネス便について改めて感じたこと
あと六郎が求めていた“バルパン”、心臓の手術に使うものって知って「結構大変めのオペでは?」って素人目には思えてしまった。亡くなったのは一旦筧まりかだけだけど、重傷者たちの中には命の危機に瀕した人もいたのかと。
実際メディカル便が届かないという描写の中に、幼い子供を尋ねるお医者様、介護の現場、そしてオペ室。
一旦はメディカル便最優先だったけどビジネス便もあると考えたら「今日大事なプレゼンがあってスライド移すプロジェクターが必要なのに壊れちゃって、デリファスで注文したのに届かない」とか「絶対竣工させたい工事現場の最後の1ピースの部材が足りなくて」とかにも影響してんだろうなって思うと本当にあのシーンが最もしんどかったように思うよ。
・爆弾を作った春日について
彼はたった240万のために12個の爆弾を作ったけど、それは借金と母の葬儀代に消えたという。借金はさておき、葬儀を出すにもお金の要る時代、あんな犯罪に手をそめている人でも、母親の葬儀だけは、と考えたのは胸が苦しくなる。
「死刑になってもいいんだ俺」という言葉も、生きるのしんどいから刑務所でいいとか、だったら死んだ方がマシってたまにいう犯罪者の供述と思えばそれだけだけど、母の葬儀を終えていよいよ人生に目的を失くしたのか、と感じたらため息も深くなる。
「良い子だったんだよ、逃げ切ってほしい」とか、爆弾の取引しあっている相手に思うこと自体おかしな感性かもしれないけど、でも復讐のためとはいえ自分よりも行動力がある彼女が眩しく思えたのではないかと。
けれどもっとブルドーザーバイタリティのエレナからしたら「あの女、もっと別のことにバイタリティを使いなさいよ」と吐き捨てる程度なのだが。←あるいはこのセリフ、サラのことにも思えたけど
・2.7m/s
エレナがね、梨本に警察を足止めさせて「警察権力の横暴さがよ~~~くわかりましたっ!」って言ってどうしようかと歩いているところ、レーンと彼女の歩く姿を交互に映しているんだけど、まさに早歩きのスピードで荷物と併走してることに気付いてぞわっとした。
これが秒速2.7メートルなのね。
・エレナはどっち側なのか
「死んだ人は可哀想だけど、私には関係ないし、毎日世界のどこかで誰かは死んでるのに大騒ぎしてむしろ、笑える」
これはさ、冷たい言葉だけど真実だし、
「私はできる、私はやれる」
と言い聞かせていた自分と
「もっとやらなくちゃもっと頑張らなくちゃ」
とブラックフライデーを山崎を重ねて
自分も一歩間違えたら死んでいたかもしれない、命を閉じることを何度でも考えた人間だから言い切れるセリフなんだと重たさを感じた。
・まりかはどうしてブラックフライデーの前夜を狙ったのか?
せっかくなら初日朝の配送便でドカンしてしまった方がよっぽどインパクトが出るし、捜査が進んで自分が犯人だったことがバレない可能性もおおいにあった。
でも彼女がしたかったのはただの復讐ではなくて、山崎の選んだ境遇を全世界に知らせることであって、だからむしろバレた方が良かったんだと思った。
そして何より、ブラックフライデーの前日に、彼は飛び降りたのだから、死んでこそいないけれど、もしかしたら彼の命日にもなっていたかもしれない日に、自分も…と思ったのかということに気付いたら胸が苦しくなった。
彼らの年齢差を考慮すると、彼女が29の時に、彼は35くらいで、5年が経っている。
29歳から34歳なんて、もし順調に婚約が成婚に至って入籍していれば、新しい住まいや新婚生活、もしかしたら子供、そんな温かい幸せが待っていただろうに、実際には恋人は永遠の眠りから覚めず、その父親には罪を着せられ、アメリカまでエレナを尋ね、サラに抗議文を送り、ただでさえメンタルはボロボロだっていうのに、週5で広告代理店に勤め、土日は倉庫の把握につとめ、プライベートの時間に爆弾犯ともコンタクトを取りその方法を考え、里中の戸籍を買い、どんどんダークサイドの世界に身を染め、最後は自ら。
これが彼女の贖いなのか。かける言葉が見つからない。
正しいとは言えない、けれど間違いだと全否定も、私にはできない。
・UDIは未来のために
無縁仏になりそうであること、歯のデータベース化という所長の狙いが実現しつつあること、UDIの成長によって少しでも彼ら彼女らの遺した何かが未来に繋がればいいけれど。
・「爆弾はまだある」という言葉
サラとの通話でエレナが伝えた一言。
エレナが最後に梨本に預けた鍵。
死人に口なしとなってしまった筧まりかに代わり、山崎佑の自死の意志を証明する唯一の証拠はロッカーに書き残したあの暗号。
五十嵐はドタバタと捜しまわっても見つけられなかったようだけど、それは梨本が鍵を持っていたから。
「次はあなたの番ってこと」
エレナは時々、恐ろしい。
・13個目の爆弾
そこで思い浮かぶのは宅配ロッカーの「13」の数字。
1ダースの爆弾。
12個結局全てあったけれど、爆弾はまだあるならば、13個目がある。
Daily Fastが本当に世界に、労働者に、社会にとってFAUSTになってしまう日も近くないのだろうか。
・舟渡エレナについて再度考察すうr
エレナは謎が多い。
梨本が疑いたくなるほどに。
光と闇の中にいて、清濁併せ持っていて、変なところで日本人で。
プレゼントを買ってもらえなかったその生い立ちも、これからまた白い手帳を買ってどこへゆくのかも、気になる。
彼女がどこからきてどこへゆく?
その姿を描いたまた別の物語もまた見たい。
・野木先生のお戯れ
今日気づいたのはバシリカ高校(パプリカ)や羊急便(ストレイシープ)みたいなノリでしれっとフラミンゴ便があったこと。笑
野木さん…やってんね?笑
ちなみに泣かないって決めたけど
泣いて前が見えない1,2マイルを重ねてしまったので涙我慢大会してたんだけど
エレナが「わたしがどんな想いで!」って言うところ
暗号の謎がわかってからの5年前の佑さんの回想シーンでやっぱり泣いてしまって
がらくたでとどめ刺されて無理でしたてへ⭐︎