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コワーキングは共創空間なのだから個室は要らない!? んなこたない!(断言)

地方や旅先にもドロップイン(通りすがりでの一時利用)可能なワーキングスポットが増えて欲しい(切望)!

そんな僕の切なる思いもあって、今回の記事を綴ることにしました。

最近、地方都市や郊外にもワークスポットやコワーキングなどが増えてきました。素晴らしい傾向だと思う反面、利用者のニーズを満たせていない/利用者のペイン(痛み)を解消しきれていないともどかしく思うこともあります。とりわけ、オンラインミーティングできる個部屋がない!

『オンラインミーティング場所難民』

このペインは地味に大きいです。

「コワーキングは、居合わせた他者との交流を目的とする場なのだから、個部屋など必要ない。対話や共創に集中すべきだ」

こうおっしゃる方もいます。
おっしゃる通り! ごもっとも!!
……なのですが、他者との対話や共創をしに来る人であっても、その日のどこかにミーティングのリクエストや他の用事が入ったりする訳です。

企業エグゼクティブなど忙しい人ほど、ほぼ例外なくコワーキングでのイベントや見学の前後にオンラインミーティングの予定が入ります。
 
でもって、そのような忙しい人をアテンド(ご案内)する人は、必ずこう聞かれます。

「オンラインミーティングできる場所、ありますか?」

こう問われたときにすぐ回答できない/案内できない、アテンド役(案内人)の切ない気持ち、わかっていただけます?

わざわざ遠くからお越しいただいているのに、大変申し訳なくなります。
そして、忙しい他都市の人をお招きしにくくなります。
僕自身、その理由で近くのほかの都市をご紹介した経験もあります。

(ちなみに僕は自分が訪問者の立場の場合、個室がない時は駐車場の自分のクルマでオンラインミーティングに参加して凌いでいますが、やはり何かと不便です(そして機械式立体駐車場の場合は完全に詰む))

……という訳で

ビジネス関係人口増やしたいなら、ドロップイン利用可能でオンラインミーティングできる個室は必須!

コワーキングであってもオンラインミーティングできる個部屋はあったほうがいい!

この2つを声を大にして言いたいのです。

とはいえ、地域の事情やスペース運営者の事情もあるでしょう。
すべてのスペースに個部屋を備えるのも現実的ではない。
出来るところから環境を整える。その姿勢は素晴らしいし個人的にも応援したいです(ただ、せめてその地域に「場所ゼロ」の状況は避けたい)。

そこで、リモートワークやワーケーションを日常的にしまくっている僕が、利用者の目線で独自にワークスポットをレベル1~レベル4にラベリングして見ました。題して、ワークスポット・4レベル(by沢渡あまね)

ステップバイステップで、環境をより良くしていく。
地域活性、ビジネス関係人口増などを目指していらっしゃる方の現状把握や目標設定、および空間設計に活用いただけたら嬉しいです。

■レベル1
机と椅子がある

ワークスポット・4レベル(by沢渡あまね)

ワークスポットとしての最低条件。さすがにコワーキングはここはクリアしていると思いますが……。
ノートPCを置いての作業、読書、少人数の対話ができる机と椅子があり使用できる(机がガタつかないなども重要ポイント)。
既存の公共空間など、従来の施設の一部を利活用する場合においてもはずせない条件と言えるでしょう。まずは、作業や読書などに適する机と椅子を設置する。そこからはじめるのもアリです。

■レベル2
電源コンセントとWi-Fiが提供されている

ワークスポット・4レベル(by沢渡あまね)

電源コンセントとWi-Fiも必須アイテムです。
但しセキュリティを気にする企業(個人も)は公共Wi-Fiの利用を敬遠し、通信キャリアが提供する一般回線の使用を推奨または義務付けているケースもあります。

通信キャリアごとの、電波が入る/入らないなどの情報を看板やインターネットのサイトなどで明示しておくとより親切でしょう。
他都市からのゲスト(来訪者)を、その地域に案内するアテンド役の人の説明コストや申し訳なさも下げることができます(この視点、めちゃくちゃ重要です)。

■レベル3
観光客・レジャー客・おしゃべり客と隔離された空間がある

ワークスポット・4レベル(by沢渡あまね)

いわゆるコワーキングやシェアオフィスなどであればこの点はクリアしていると思われますが、既存の公共空間の一部をワークスポット転用する場合などはこの視点が悪気なく抜けていることがあります(最初はやむを得ないとは思いますが)。

ちょっとした作業および秘匿性のない情報を取り扱う仕事を片付ける場合、あるいは読書やショートミーティングをする場合なら、レベル1~2さえ満たしていれば事足りると思います。

一方で、観光客やレジャー客、地元のおしゃべり客などと混在する空間ではやはり仕事に集中しにくいですし、煩くて読書などにも集中できないことも。

飲食スペースやトイレなどは混在であっても、ワークスペースは可能な限り観光客・レジャー客やおしゃべり客とは分離して欲しいものです。

■レベル4
オンラインミーティングできる個室がある

ワークスポット・4レベル(by沢渡あまね)

そして、やはり何と言っても安全・安心にオンラインミーティングもできる個室は欲しいです。

企業のエグゼクティブや忙しいビジネスパーソンであればこそ、どこかにオンラインミーティングのリクエストが入るもの。僕も、終日現地での交流だけに費やすことができる日は滅多にありません。

1人用の小さな防音ボックスでも良いですが、出来ることなら5~6名程度で籠ることができモニターなどもある個部屋があるとベスト。

オンラインミーティングに限らず、来訪者がその場(コワーキング)で偶然出会った人と意気投合して個部屋でミーティング~ものごとが前に進むこともありますから。

オープンな空間で出会った人と熱量を保ちながら、オープンな空間では憚られる対話や商談を進めることができる。もちろん、オンラインミーティング需要にも応えられる。

そのためにも、たとえ交流を目的とするコワーキングであってもやはりオンラインミーティングに適するような個部屋はあった方が良いと思う次第です。

ワークスポット・4レベル(by沢渡あまね)

最後に最も大事なことを一つ……
このようなワークスポットやワークスペースを計画するとき、必ず利用者の声を聞きましょう。
僕のように他都市に出張してワーケーションあるいは出先でリモートワークしまくっている人、出張者をアテンドする人たちの声を聞く(あるいは意思決定に参画してもらう)
でないと、せっかくお金をかけて作った施設や空間も無駄になります。

ビジネスの関係人口を増やしたいと思っている地域の皆さん、コワーキングなどを運営する皆さん。是非とも参考にしていただけたら!
(僕自身も、安心して出張やワーケーションしやすくなり嬉しいです)

あ、地域活性(関係人口増)やワーケーションの効果や着眼点・留意点について、以下の書籍『新時代を生き抜く越境思考』にも綴っていますので宜しければご一読(そして関係者との対話)を。

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