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8歳の金縛り。

8歳の時、寝ている最中に突然目が覚めた。
目が覚めたというより、薄く目が開いて意識は起きてるのに、体が動かない、声も出せない。

何か重しを乗せられている感覚で、隣に寝ている姉の足が、私の太ももに乗っているのかと思った。

でも何も乗っていない。

声が出ないから「何?誰?重い!どいて!」が言えなかった。
頭の中で、「どいて!早くどっか行って!」と何度も念じて、そのまま眠りについて朝になってた。

「夢だったのか。」
と最初は気にしてなかったけど、不定期に起きるようになって、
「どうやら夢じゃないようだ。」と思うようになった。

太ももに乗っているものは、しばらくはお婆さんだった。
腰を曲げて正座して私の上に座るお婆さん。
誰だかわからないお婆さん。
怖い思いより、「重い。どっか行って。」と毎回念じてた。

お婆さんは念じてたらどこかに行ってくれたけど、お婆さんの他には、寝ている自分の上を人が走り抜けていく者たちを感じたりしてた。

踏切の警報音が鳴り続けている時もあった。

隣に寝ていた姉は一度も感じたことがなかった。

「また私だけか。」と思った。

「他に困ってる人がいないなら、ま、いっか。」とも思った。

それが"金縛り"というものだと知ったのは、TVで不思議体験!恐怖体験系の番組で見たからだったと思う。

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