【日常エッセイ】焼き魚
日本の食卓の定番『焼き魚』は令和の今でも定番なんだろうか。
子どものころ、昭和から平成にかけて、私の家では定期的に焼き魚が夕食に出た。
ほうれん草のお浸しや冷奴、味噌汁なんかと一緒だったような気がする。
そう、焼き魚はメイン料理だった。
「それで満腹になっていたんだなあ」
振り返ってみると、そう思ってしまう。
今よりも食欲旺盛でよく食べていたはずなのに。
もしかしたら副菜がお浸しや冷奴の他に、もう少しボリュームあのある品が出ていたんだろうか。
いくら考えても首を傾げてしまう。
そう思ってしまうのには理由がある。
家庭を持って、夕食の用意をするようになって10年。
いつのまにか、焼き魚はメインというより副菜扱いになった。副菜とまではいかなくても、焼き魚と並ぶもう一品はメイン料理なんだ。
こうやって書いていて、そういえば結婚当初は焼き魚はメイン料理だったことを思い出した。お味噌汁以外に副菜を2、3品作っていた気がする。
いつのまにか、料理の品数が減っている。
今じゃ汁物を入れて4品並ぶと、
「私、よく頑張ったな」
「めっちゃ豪華な食卓やん」
と自画自賛するような状態だ。
酷い日には、メイン2品のみということもある。
漬物を3種類ほど常備しているので、それらを副菜代わりに食べている。
あ、話が逸れてきたので戻そう。
焼き魚がメインにならない我が家。
思い当たることがある。
小学校に上がっても、娘は食べる量が少なくて、魚も一人で一切れを食べられないから、私と夫のを約4分の1ずつ分ける。そうすると、私たちが食べる魚の量が少なくなる。
じゃあ切り身を増やして私たち夫婦の食べる量を増やせばいい!と考えた。
で、増やした。
だけれど、そこまで焼き魚が食べたいわけじゃないようで、副菜扱いにした方がいいかもしれないって感じた。
メイン料理と副菜を作って、あとちょっと欲しいなって思う時に焼き魚をするようにしてみた。
夫からも娘からも不満の声は上がらず、当たり前のように受け入れてくれた。
たいてい日持ちのする干物を常備している。
スーパーにいったとき、美味しそうな切り身を見つけたら3人家族だけど2切れ入りの魚を買う。
こうして我が家は焼き魚は副菜扱いになった。
ちなみに、今日の夕食は前日が鍋だったから雑炊がメイン。おかずはキュウリとわかめの酢の物、小ぶりの干物2尾にした。