【短編小説】メガネ朝帰り #毎週ショートショートnote
メガネ朝帰り君は今日も人々を叱りつける。
横断歩道で手を挙げずに歩く人を見かけたら、手を挙げながら走ってタックルをして叱りつける。
居酒屋で誰にも聞かずに勝手に唐揚げにレモンをかける人がいたら、即座に唐揚げをそいつの顔面にぶつけてレモンより酸っぱく叱りつける。
それが、メガネ朝帰り君だ。
コンタクト夜帰り君とは犬猿の仲。
コンタクト夜帰り君が、いまどこかの会社で仕事をしている。
そう思っただけで、吐き気がする。
あいつは無職になって将来の不安に怯えてろ。
その願いを持っている為に、せっせと一丁前に働いているのが気に入らない。
メガネ朝帰りは、本名だ。
メキシコ人と日本人のハーフで、メガネが苗字で朝帰りが本名だ。
そんな名前を付けられた為に、飲み会ではいつも普段かけない伊達メガネをかけて、たとえ一人だとしても朝まで飲んで朝帰りをする。
そのストレスにより、人に厳しくなっている。
メガネ朝帰りという名前を抱きしめられるように、恋人を恵んでやれ。
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