「ハーフ・オブ・イット」で楽しみになる人生。
本当にそう!
おもしろいのはこれからだ〜〜〜〜!
ひゃほー!!!!!
と思わせてくれるラスト。
私はこの終わり方が本当に好きでね…。
でも単なる
「2人は結ばれました。めでたしめでたし」
じゃない。
そこが良いんだ。それが人生なんだ。
こっからなんだ!私たちは!
これは、偽りの顔で生きていた3人が本当の
自分でいられるようになる話。
観てください。頼む。
【以下ネタバレ有り】
相談に乗るうちに結局ポールとエリーが結ばれて
ハッピーエンドだね!とか、
アスターを取り合って2人の友情は破滅!とか、
そんな予定調和にはならない。させないぜ。
友情なのか愛情なのか思春期だからこそ
わからないのかもしれないが、
途中お手本のようなポールの馬鹿げた行動に
本気で「は???」と思ったよ。
でも、そのお決まりの流れには乗りませんよ!と
いう宣誓のためのものだったのが良かったな。
ポールもエリーもアスターもみんな幸せになるにはどうしたら良い?誰が誰と結ばれたならハッピーエンドなの?と各々に肩入れして祈るように観ていたけれど、違うよ。そうじゃないね。人生ってそういうことじゃあないんだぜ。と気付かせてくれた。
誰の恋愛も成就しないけれど、これは愛の物語。
エリーもアスターも手紙を通してなら
本音が言える。
だからこそ、その中で惹かれ合うのだよね。
美しい言葉の交換が素敵です。
ポールの真っ直ぐさも眩しい。
彼も彼なりにアスターの好きなものに対して
努力しているし、エリーを揶揄った相手に本気で
怒ったりしていて、本当に『良い奴』なんだよな。
途中で出てきた映画のシーンや手紙の中の話、
会話がラストに綺麗に繋がっていて、
たとえば途中、アスターが自分はトリッグ(人気者の彼氏)と結婚するべき?とエリーに尋ねるところ。
アスター「これは神にもわからない難問ね」
エリー「私は神を信じない」
アスター「それはいいわね」
エリー「まさか。良くない。すごく…孤独」
そしてラスト、アスターもエリーに惹かれていたのだなとわかるこの会話。
アスター「心のどこかで気付いてた。だから…
違う形なら良かった。違う私なら」
エリー「そんなのありえない。
私だって本当にそうか確信がない」
アスター「私はある」
エリー「神はどう思う?」
アスター「本気?」
エリーの「神を信じない」という言葉にアスターは救われたんだよね。
だからアスターはこう言えたんだよね。
臆病になっていたエリーもまたアスターのこの言葉で背中を押される。
人は影響を与え合って生きているんだ!
あと好きなところは、エリーとアスターが2人で水に浮かぶシーン。
水面に映る顔と実際の顔。2人の二つの顔。
周囲に見せる顔と本当の顔を表しているのかなとも思うし、単純に絵として美しい。
そして、ここでする会話があまりにも繊細で
好きなんだよ。
表面上は踏み込んだ会話じゃない。
でも2人の心が繋がる瞬間。
きっとアスターが本当の文通相手を確信した
瞬間。
劇中、偉人の名言が沢山出てくるが、
最後にエリーは自分の言葉で愛を語る。
ああ言葉を使う人間に生まれて良かったなと思う。
「大胆な筆触ってこの程度?」
【ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから/
アリス・ウー】