「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」で星を食べる。

【あらすじ】
図工の時間に「わたしの好きな歌」という
テーマで絵を描くことになったまる子は、
音楽の時間で習った『めんこい仔馬』を
テーマにのどかな日常を描こうと決める。
そんな中、まる子は母親のおつかいで行った
静岡の町で似顔絵描きのお姉さん、
木村しょう子と出会う。
お姉さんは『めんこい仔馬』の
学校では習っていない2番から5番の歌詞を
歌い、この歌は戦時中で軍馬として
狩り出されていく仔馬を想う曲であることを
教えてくれる。
お姉さんと仲良くなるまる子だったが、
別れのときは近付いていて…。

色んな曲と共にまるでミュージカルの如く
展開していく物語。
大筋は「めんこい仔馬」に沿っており、
ストレートな感動の中に、
いつものまる子のトホホな笑いも入っており
とても観やすく楽しめると思います。


【以下内容に触れています】

ディズニーの『ファンタジア』や
ビートルズの『イエローサブマリン』など
アニメーションと音楽が融合した映像作品に
感動し、つねづね音楽シーンでの
見せ場を盛り込みたいと考えていた
さくらももこ氏によるこの脚本。
随所で映像と共に流れる曲がなんとも良い。
とくに好きだったのは、
まる子と絵描きのお姉さんが
水族館を見て回るシーンで使用される
たまの「星を食べる」でした。
歌詞に「ぼくは君の首をそっと絞めたくなる」と
いう部分があり、ギョッとしたのだが、
なぜか惹かれてすぐさまSpotifyで聴き
見事にハマりました。

そこでのまる子の台詞も好きだったな。
「その日のお姉さんは人魚姫のように綺麗で
私はお姉さんが泡になって
消えちゃうんじゃないかと心配で
魚を見るふりをして何度もお姉さんを見てたよ」

その後、まる子と友蔵がホットドッグを
買いに行き、二人になったお姉さんと彼氏。
彼氏がこの隙にプロポーズするのだが、
お決まりのように戻ってきたまる子と友蔵に
邪魔される。
ホットドッグに邪魔される俺って…。トホホ。
となるのだが、まて、このタイミングで
そんな大事な話をすな。
お姉さんこの男で大丈夫ですか???と
思ってしまったな。

あと、お姉さんと仲良くなり始めたまる子に
対してちょっと拗ねている本当のお姉ちゃんが
可愛らしいなと思った。
そして、いざお姉さんとの別れとなり
「悲しい事でお別れするんじゃないから平気だよ」
と言いながらもポロポロと涙を流すまる子を
抱き寄せるお姉ちゃんが素敵。
いつも喧嘩ばかりでもやっぱり
妹のこと好きなんだよね。

「めんこい仔馬」の別れに沿って、
結婚式に向かうお姉さんを
「泣かないもん泣かないでバンザイできるもん」
とバンザイで送り出すまる子。
とてもわかりやすいストーリー。
そこが良い。

【さくらももこワールド ちびまる子ちゃん
わたしの好きな歌/
須田裕美子/芝山努】

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