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未来はあるけど、まだ立ち直れていない
昨年末に買った紙の雑誌。読んだら感想を書くと言っておきながら、長いこと間が空いてしまった。いや、ちょっと前に読み終わってはいたんだけど、いまいち気持ちがまとまらないというか、書くテンションにまで持っていけてなかったので、感想を書けずに放置していました。
いずれも年末頃発行の雑誌。penとBrutus。penの細野御大の特集は現在進行形なのかしら。Brutusの方は教授の特集。当たり前だけど、特集記事としての向いている方向性が全く違う。
両雑誌、両特集ともに今語れる話をしているのは間違いないのだが、当然の事として、細野御大はご存命で活動は継続中。今年中には新たなプロジェクトも動き出すとのこと。一方で坂本教授は鬼籍に入られ、「遺されたもの」をどのように提示していくかという段階の話。この違いはあまりにも大きい。
ファンだから買い求めてるし、読むのもほとんど既存のファンしかいないと思うけど、各特集を読む上での心の持ちようが違い過ぎた。
同じように過去の作品を取り上げつつ、それに影響された人のインタビューなどを中心に展開されているが、penの特集では細野御大自身の現在の活動、そして今後の活動に対する情報も(出せる限りの範囲で)出ており、何より最後に御大自身のコメントまで載っている。それが何よりも嬉しかった。
一方で、Brutusの特集では、当然教授本人の今の言葉はなく、インタビューも「故人との思い出」を語るしか無い。また、これから出されるものに関しては、教授の影響を受けた結果作られるフォロワーの作品か、教授が遺した未完成の素材を託された人による(再評価、再構築を受けた)作品の発表に限られる訳だ。
ページを読み進め、かつて教授と親交のあった人達のコメントを見るのが、本当に辛かった。penの特集記事は昨年末のうちに読み終えていたが、Brutusの方はとにかく読み進めるスピードが極端に遅かった。
元から書籍や雑誌を読むスピードが異常に遅い人間ではあるものの、こんだけ一冊の雑誌の特集を読むのに時間がかかったのは俺にとっても稀な事だった。よく夜のコインランドリーで洗濯や乾燥を終えるまでの間に数ページずつ読んでいたが、涙が溜まってページを閉じることもしばしばあった。
また、年末に都立現美で開催されてる教授のインスタレーション・アート展を見に行ったのだが、その展示に関する詳細解説記事もあり、当時何もインフォメーションを入れずに行って、理解しきれなかった点に関しても、解釈の仕方に気付くことが出来たかなとは思う。
結局2冊の雑誌の特集記事を読み終え、自分の中で(感情的な意味で)消化出来た点とまだ消化しきれてない点が混在しており、総括するような感想は未だにまとまっていない。というか、そもそも定まったフレーズで固定化するような性質のものでもないから、それは仕方ないのかなという事に気付いた。まだ時間はかかる。ゆっくり消化していこう。
最後に、最近繰り返し聴いている曲をご紹介します。