エンターテイメント(特に漫画)の救世主になるはずだったはずの生成AI
・加速するエンタメ(漫画)消費
今、月刊誌はすでに著名作家以外は「作品を待たれないので毎回新規を取り込むように描く構成」となっているようです。前回からの続きみたいな構成は通じません。なので大体が一話完結モノになります。
週間でも遅いみたいです。週刊誌のようにブランド媒体があるなら話は別ですが。
以下、私の経験です。
週に1回4~5ページの漫画を旧Twitterで趣味で連載していたことがあります。最初はまあまあの反応でした。バズではないものの、2000いいねほど行きました。フォロワーが200人ほど増えたのを覚えています。
2日後、増えたフォロワーは50ほど消えました。さらに4日程度で100人減。更新日には50人ほどしか残ってくれませんでした。
増減はこの繰り返しが終了まで続き、漫画自体は500~1000いいねあたりをうろうろしたものの、フォロワー増はほぼありませんでした。
はた、と悟りました。
一週間が待てない!!!!というか一週間の間にたくさんの漫画が献上されることが当たり前になっている!
タイムラインに流れる漫画サイトは「毎日更新」「全部無料」が当たり前。
読者は黙ってても毎日何か漫画が向こうからやってくるのが当たり前になります。Twitterの仕様上、更新したら絶対に流れてくる補償もありませんからね。
今のXでは毎日カラーで1ページ更新する作家や、3日に一度だけど6~8ページを更新する作家が漫画のタイムラインをほぼほぼ占めています。あと大体の方が専業プロです。フォロワー数も10万以上が当たり前。
兼業がインプレッション(タイムラインに表示される回数)だけでも勝てるわけなかろ?
専業が暇と言っているわけではないですよ。でも常に漫画が描ける場所にいるので本業漫画の合間合間に更新用の漫画に手が付けられるし、最悪深夜まで描いてても次の日の朝6~7時に出勤とかないですからね。眠気は短時間の昼寝とかでカバーもできるし。通勤時間がないのも大きいです。
それでもエンタメを届けたい、時短を出来るなら・・・と生成AIを触る人はいたはずです。
むろんポン出しでは自分の絵ではないので、最低限度の素材は残し加筆や絵柄の統一などをすることでイラストや漫画を更新出来たのではないかと思います。
漫画は難しいですが、今のSNSの傾向だとおそらく日常系や一枚絵で会話してるだけの漫画なら更新できると思います。
そう思ってましたし、少なくとも背景やモブは生成AIで行けるじゃんと思っていた時期がありました。一瞬ですけど。
・バチボコされているAIイラスト(一枚絵漫画)を見てやめた
ポン出しのAI絵は全く使えないので加筆が絶対必要なんですが、お暇な方が(私の絵ではないですよ)わざわざAI判定機みたいなものを使用して毎日更新していた人の絵をAI89%?だっけ?とかなんとかを調べて炎上させてました。
リプが地獄絵図になっていて
だまされた!
フェイク〇ね
絵を描くのやめろ
などなど
君らは無料で見てるだけなのに何様?
見てやっている、読んでやっているという感覚なんでしょうね、無料なのに。
無料のサイトは広告とか一部有料のコンテンツとか様々な出版会社との契約金とか色々な部分で儲けてるからこそ無料なんですが、その辺は消費者サイドはどうでもいいようです。
あと毎日更新漫画サイトも毎日同じ漫画を更新ではなく、週間連載の作品を一日ずらして1作ずつ出してるようなものなんですけどそれもどうでもいい。
先の方へのリプの一番えげつないなぁと感じたのは
「毎日更新程度を出来ないから音を上げてしまったヘタレ。AIに堕ちたから二度と絵をかくな」
だったかなぁと。
何を言ってるんだろう・・・
私は一枚絵で漫画を描こうとしましたが断念しました。AI君をうまく扱えませんでした。思ったポーズが出せず、投げました(10枚程度で投げた→消したので残ってるAI絵は3枚くらい)
今はちまちまと絵を投げてます。それでいいと思ってます。無理。
・ニーズにこたえようとした結果、AIを(補助でも)使うようになったのを批判されるのは・・・
それに専業プロでも毎日がエブリディなわけはなく、体調不良や家庭の都合など、描けない日があると思います。
ニーズは天井知らず、更新頻度は早ければ早いほどいい。時短がさらに重要になります。そうでなくても、構図やネタを思いついたけど時間が足りない。というのはあるあるだと思います。
根性だせとか睡眠時間を削って描けなんて、なんでユーザーが言えるんですか?と私は思ってます。完全な商業作品でも手間と代金が合わないなんてざらですし。
その道を選んだのは作家本人だろう!、という人結構いますけど、なんでそこまで厳しくするん?うらみでもあるん?一般論ちゃうで?ブラック企業の考えやで?と思ってます。
時短手段として生成AIの力を借りるのはありえます。
背景素材を使って背景の手間を省略するように。そもそもスクリーントーンもタッチという影の斜線の代理品です。
と、こういうバックボーンがあるかどうかはユーザーにはどうでもいいんですよね
生成AIを一部でも使ったら苦労していないから絵や漫画と言えない!
あのー・・・全員苦労して作品つくるのが常識っていうルールはだれがつくったんですか?
つまり
速く上手く面白い作品を毎日出さないと忘れます!でも生成AIで時短は認めませんし使うと悪事です!あんたの事情は知ったことではないです!
鬼か?
商業漫画には代金を出すのでそういう気持ちになるのはわかりますけど、商業でもクオリティ上げつつ連載スピードは同じというだけで地獄でしょう。読者はこういうことに関しては鋭く「急いで描いたから作画崩壊、手抜きはするな」でこれまたバチボコにします。
アシさんが雇えないとか知ったこっちゃないと思います。
じゃあもう使えるモノは使ったれ!!!となる心理になるのもあるんじゃないか?と私は思います。
そこに生成AIでモブと背景が生成出来たとします。時短出来ます。作品完成しました!
生成AI判定でAI使ってると判定 → 偽物扱い
・・・読者は一体何を求めてるんだろう?
・・・とここまで書いてなんですが、多分99%の読者はそんなのどうでも良くて、一部の生成AI嫌いな人がギャーギャー言ってるだけじゃないか?と思います。
作品は読みたいけど生成AI使った作品は嫌だ!というならバトロンにでもなってあげてくださいとしか言えないです。もしくは最強のアシさんになるとか。
そのくらい追い詰められない限り、作家も自分の作品を完成させることにプライドがありますし、まだまだ発展中の生成AIに作品を任せたくないでしょう。不安定要素が山盛りです。破たん絵とか指が4本とか出てきたらいやでしょ?
お金あるならアシさん雇いますよ誰だって。
使ってしまわないといけないバックボーン、もしくはチャレンジしてみた理由などを少し考えるべきだと私は思います。
遊んで生成AIでイラストを作って承認欲求~とかなんかそんなのでカテゴリーを作り、使用者全員が堕ちた、プロでも例外ではない!と罵倒するのは軽率ではないでしょうか?
そして生成AI企業も、もう少しこのような炎上しそうなデータではなく、信頼できるような説明などを搭載したアシスタント機能を持つAIの開発をしてほしいです。
もう生成AIへのヘイトは相当な時間をかけない限り払しょくされません。それが全体のごく一部の人でも、すでにキャンセルカルチャーでしたっけ?みたいなのを起こしていますし、呼吸するかのように罵倒や誹謗中傷などを行っています。
・余談
生成AIイラストや文章を判別するサイトがあります。あれにかけると高精度で判別可能だそうです
どうやって判別しているのか考えたことありますか?判別のための学習素材はどこから収取したのでしょうね?
あと、あれもAIですよ?
AI作品かを判別するためにAIを使うって・・・矛盾してませんかね