ホラクラシーメモ:ガバナンス・ミーティング
こんにちは。天野です。
最近は組織についてあれこれ考えることが多いのですが、アジャイルな組織を目指すと従来型のヒエラルキー型の組織から自律分散型の組織への転換がひとつのテーマになると思います。ティール組織は参考になりますが現在の組織からはかなり距離があり、もう少し地に足のついた取り組みはできないだろうかと感じています。
自律分散型の組織運営のひとつの形態としてホラクラシーがあることは認識していましたが、これまではWeb上の断片的な記事を読んだことしかありませんでした。最近書籍の新訳が出たことを知り、読んでみたところ参考になる情報がとてもたくさんありました。
特に参考になったガバナンス・ミーティングを自分用の整理も兼ねてまとめます。
ガバナンス・ミーティングとは
ホラクラシーでは、組織内で権限を割り当てるプロセスにガバナンスという用語を使います。ガバナンスでは、仕事をする仕組み・組織を形成する「型」を扱います。その型の内部で具体的な意思決定をすることをオペレーションと呼びます。
例えば、「研修を実施する」という仕事に対し、どの会場を選ぶか、各会場のメリットデメリットを比較して会場を意思決定する、などの選択はオペレーション上の問題です。一方、その研修会場を決める権限を持つのはどのロールか、権限を持つ条件としてそのロールに期待するものは何か、といったことを決めるのがガバナンスの問題です。
オペレーションの問題を扱うタクティカル・ミーティング、ガバナンスの問題を取り扱うガバナンス・ミーティングがそれぞれ存在します。各ミーティングの位置付けは書籍内の図がわかりやすいので引用します。
明確なガバナンス・プロセスがあることで、組織の型を改善する機会が権力を持つトップに留まることなく、権限を組織に行き渡らせることが可能になります。
ガバナンス・ミーティングの活動
ホラクラシー憲章(ホラクラシーにおけるスクラムガイドのようなもの)では、ガバナンスの範囲を次のように規定しています。
サークルは組織内を構造化するための器です。組織全体を表すアンカーサークルがあり、内部に複数のサブサークルが入れ子状に作られます。ガバナンス・ミーティングはサークルの単位で実施されます。
ガバナンス・ミーティングの進め方
ガバナンス・ミーティングの大まかな流れは次のとおりです。
テンションは、「自身のロールのパーパスおよびアカウンタビリティに関して、現実に実現されている状態と、理想的にロールの潜在性が発揮されている状態とを比較して、これら2つの間にあるギャップ」と定義されています。とてもざっくり言うと個人が感じるもやもやです。
チェックインで一人ずつ気になっていることを共有して、ミーティングに臨む姿勢を整えます。次にアジェンダをその場で作成します。各項目は1語か2語で対応するテンションを表します。
アジェンダにリストアップされたテンションは、後述の統合的意思決定プロセスを通じて1つずつ取り組まれます。すべてのテンションに対応するか、予定時間が経過したらクロージングラウンドを実施して終了します。
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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。