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改善のカタ、プロダクトのカタ、ゴールのカタ

こんにちは。天野です。

今年は自分の所属する本部全体でのアジャイル実践に取り組んでおり、その中で達成したいことに次の2つがあります。

  • アウトカムにもとづいたゴールを設定できるようになること

  • ゴールに到達するためにステップバイステップで次の中間ゴールとアクションを設定し、素早く学習・軌道修正できるようになること

これらを実現するために、大枠として次のような仕組みを運用しています。

  1. 組織の主要な目標を見える化する(OKRツリーに近いイメージ)

  2. 各目標に責任者を置き、週次でレポーティングを行う

  3. レポート内容にもとづく検査と適応のミーティング


ゴール設定スキルの重要性

ツールや作成物・会議体などを徐々に整備しながら運用を進めていくと、あることに気づきました。それは、組織的なアジャイルの実践において、ゴールを設定するスキルが極めて重要だということです。

目指す状態であるゴールを適切に描くことができないと、立てる仮説も行う実験も的外れなものになってしまいます。トップダウンに意思決定を行う階層型の組織であれば、原理上は1人だけゴール設定スキルを持っていれば十分です。しかし、自律的なチームのパフォーマンスを最大限引き出すためには、各レイヤーで十分なゴール設定スキルが求められます。

ゴール設定スキルというと技能的な印象がありますが、実態としては思考プロセスの変更といった方が近く、マインドセットを変えることと言っても良いと思います。

ゴールにもとづいて実験を繰り返すといった思考プロセスを身につけるためには、思考の流れをガイドする問いを設定するのが効果的だと思い、上記の目標設定やレポーティングの時に使える「カタ(型)」を整備しています。

改善のカタ、コーチングのカタ

発想の元になっているのはトヨタのカタに登場する改善のカタです。自分はスクラムマスターになった頃、よくこちらの角さんの資料を参考にしていました。該当のページのキャプチャを引用します。

改善の型
5つの質問

5つの質問に答えることで、ターゲット状態を定め次のステップを特定しPDCAを回せるものになっています。

参考:

Agile Kata

こちらをアジャイル開発チーム用にアレンジした Agile Kata というドキュメントも公開されており、開発チームではこれが使いやすいと思います。

1. ターゲット状態は何か?
2. 現在、実際の状況はどうなっているか?
3. 今、どの障害物(ひとつだけ)に取り組んでいるのか?
4. 次のステップからどんな期待をしているか?
5. 改善したことをどれだけ速く確認できるか?

5つの質問 - Agile Kata 2.0 (Japanese)

2つ目の質問の後、さらに明確にするための4つの質問(コーチングのカタ)があります。

1. 前回のステップとして計画したことは何か?
2. 何が起こると期待していたか?
3. 実際に起きたことは何か?
4. 学んだことは何か?

コーチングのカタ - Agile Kata 2.0 (Japanese)

プロダクトのカタ

ビルドトラップ本では、改善のカタをプロダクト開発にアレンジした「プロダクトのカタ」が紹介されています。

プロダクトのカタ

プロダクトのカタでは、以下の質問について考えます。

1. 目標は何か?
2. 目標を踏まえて、自分たちは今どこにいるのか?
3. 目標に到達する上で立ちはだかる最大の問題や障害は何か?
4. どうやってその問題を解決するか?
5. 何が起こると予想されるか?(仮説)
6. 実際には何が起こったか、そこから何を学んだか?

プロダクトマネジメント: ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける pp.108-109

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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。