改善のカタ、プロダクトのカタ、ゴールのカタ
こんにちは。天野です。
今年は自分の所属する本部全体でのアジャイル実践に取り組んでおり、その中で達成したいことに次の2つがあります。
アウトカムにもとづいたゴールを設定できるようになること
ゴールに到達するためにステップバイステップで次の中間ゴールとアクションを設定し、素早く学習・軌道修正できるようになること
これらを実現するために、大枠として次のような仕組みを運用しています。
組織の主要な目標を見える化する(OKRツリーに近いイメージ)
各目標に責任者を置き、週次でレポーティングを行う
レポート内容にもとづく検査と適応のミーティング
ゴール設定スキルの重要性
ツールや作成物・会議体などを徐々に整備しながら運用を進めていくと、あることに気づきました。それは、組織的なアジャイルの実践において、ゴールを設定するスキルが極めて重要だということです。
目指す状態であるゴールを適切に描くことができないと、立てる仮説も行う実験も的外れなものになってしまいます。トップダウンに意思決定を行う階層型の組織であれば、原理上は1人だけゴール設定スキルを持っていれば十分です。しかし、自律的なチームのパフォーマンスを最大限引き出すためには、各レイヤーで十分なゴール設定スキルが求められます。
ゴール設定スキルというと技能的な印象がありますが、実態としては思考プロセスの変更といった方が近く、マインドセットを変えることと言っても良いと思います。
ゴールにもとづいて実験を繰り返すといった思考プロセスを身につけるためには、思考の流れをガイドする問いを設定するのが効果的だと思い、上記の目標設定やレポーティングの時に使える「カタ(型)」を整備しています。
改善のカタ、コーチングのカタ
発想の元になっているのはトヨタのカタに登場する改善のカタです。自分はスクラムマスターになった頃、よくこちらの角さんの資料を参考にしていました。該当のページのキャプチャを引用します。
5つの質問に答えることで、ターゲット状態を定め次のステップを特定しPDCAを回せるものになっています。
参考:
Agile Kata
こちらをアジャイル開発チーム用にアレンジした Agile Kata というドキュメントも公開されており、開発チームではこれが使いやすいと思います。
2つ目の質問の後、さらに明確にするための4つの質問(コーチングのカタ)があります。
プロダクトのカタ
ビルドトラップ本では、改善のカタをプロダクト開発にアレンジした「プロダクトのカタ」が紹介されています。
プロダクトのカタでは、以下の質問について考えます。
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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。