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ジュニアを育てる責任

こんにちは。天野です。

多くのテック企業やスタートアップでは、優秀な人材だけを採用し人材密度を高く維持することが重要だと語ります。マネージャーとして組織で働いていても、パフォーマンスの低いメンバーをどう支援するかは常に話題に上がります。そして配置換えやPIP(Performance Improvement Plan:従業員の業務パフォーマンスが期待に満たない場合に、改善を促すための具体的な行動計画)のようなコミュニケーションが発生すると、メンバーもマネージャーも双方が疲弊するので、同じことを繰り返さないために採用水準を引き上げようという結論になりがちです。

限られたリソースで成果を追い求めるとこうなるのはとてもよく分かります。自分も長くこのように考えていました。しかし、世の中にはシニアエンジニアだけが存在している訳ではなく、シニアもキャリアの初期は当然ジュニアだったのです。

多くの企業がジュニアを排除してシニアだけに門戸を開くようになったら、ジュニアを育てる責任は誰が果たすのだろうか?と疑問に思いました。そういえばDHHがこういう話をしていたなと探してみたこちらの記事でした。

ミスを許さない文化の弊害、コスト効率の向上、キャリア形成の重要性、新しい視点の導入など多くの示唆がある素晴らしい記事です。

ジュニアを育てる責任について、いくつかの観点で思ったことを書いてみます。


ポジショニング

優秀な人材だけ採用するというのは、競争戦略上そういうポジショニングなのだと捉えることもできると思いました。人類全体では極端に楽観的な人も悲観的な人もいて、トータルでは種としてバランスが取れて繁栄できているように、「シニア以外お断り」と極端な張り方をする組織が存在することもあるでしょう。

逆に「ジュニア以外お断り」のような張り方をする組織なんてあるのか?と思いましたが、未経験者を大量に採用して使い潰すような企業は結果的にこのようなポジションを取っていると解釈できます。

それぞれのポジションが効果的だったかどうかは、長期的に市場で生き残るかで確認できます。特に資源の限られているスタートアップにおいては、人材密度を高めるという戦略には一定の合理性があるように感じられます。

それぞれの「極張り」をしている組織の中の健全性や幸福度も気になるところです。

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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。