断る勇気
パニック障害になって、いままで知らなかったことをいろいろ知る機会も増えてきている気がします。最近は特に「断る」ということの辛さや苦しさを身にしみて知りました。
わたしは大学1年生で、前期はコロナでオンラインだったため、実家で暮らしていました。ようやく後期は対面授業とオンラインの併用が始まるということで、やっと大学生らしい生活ができる、友達にも会える、とそんなウキウキしていた中、引っ越しの一ヶ月前にパニック発作がおきてしまいました。
ひとりでは買い物もいけません。母親と一緒でも公共交通機関にも乗れません。やっと一ヶ月かけて学食に行けるようになったのですが(学校までは母親に送ってもらっています…)、まだ街中で大学生らしく友達と遊ぶことはできません。そんな中で、私がパニック障害であるということを知らない友達はありがたいことに遊びに行こうと誘ってくれることがありました。しかし、いつ体調が悪くなるのか全く予期できない私は、誘いを断る以外選択肢が見当たらず、遊びたい気持ちを抑えて、渋々断り続けました。同じ人からの誘いを何度も断ってしまうこともありました。
私はこれまであまり誘いを断ることはありませんでした。今、こうしてパニック障害になって、「断る」ということは予想の何倍も辛いことだと知りました。パニック障害は骨折などとは違って、全治何ヶ月だ、という病気ではないから、いつ遊びに行ける、と次の予定を提案することもできません。毎回毎回誘われては断る、本当に苦しかったです。何度も誘ってくれるのに断り続けるのは申し訳なく、何人かの友人には自分がパニック障害だということを打ち明けました。ゆっくり話に耳を傾けてくれて、もし自分と一緒にいる時に発作がでたらどうしたらいいのか、真剣に相談に乗ってくれる子もいました。そのとき、人を頼っていいんだ、と思え、人のあたたかさを感じました。
「誘う」ということも勇気がいるけれど、「断る」ということもすごく勇気のいることだと知れました。パニック障害は辛いけれど、パニック障害にならなかったら知れなかったであろうことをこれからまたもっと知れることは、とても貴重な体験だな、と思います。そう考えないと気が沈んでしまいますし(笑)パニック障害だからできること、増やしていきたい。