お腹の子は先天性心疾患
「赤ちゃんになにか病気があるかもしれない」
と言われてからすぐに大きな小児病院へ転院した。
初めての検診は必ず夫婦揃って行かなければいけなかった。
不安。
不安。
でも大丈夫。
絶対大丈夫。
だって私たちの子供だもん。
そう心の中でずっと言い聞かせていた。
「産科」ではなくて「胎児診療科」というところでの検診。
5人くらいの先生に囲まれて
30分以上かけてのエコーだった。
業界用語がたくさん飛び交うのを
ずっとドキドキして聞いていた。
「何一つ分からない。
何を言っているのか分からない。
怖い、大きな病気だったらどうしよう」
そんなことばっか考えて、最初から最後まで緊張していた。
【先天性心疾患】
・完全型房室中隔欠損症
・左側相同
・多脾症
・右胸心
・房室ブロック
・両大血管右室起始症
・肺動脈狭窄
・下大静脈欠損
・内臓錯位症候群
全部はじめて聞く名前。
すぐに携帯で調べたし、本を買って勉強した。
まあ〜全くわからんけど。
「産むか産まないか話し合ってきてください」
そう言われた私たちは
悩まず、絶対産むよねって話した。
元々、障害を持っていようと
【産まない】という選択肢はなかった。
本当は里帰りをするつもりだった。
でも先生から
「里帰りしたら東京へは長い間戻ってこれないと思います」と。
犬もいるし、家も心配だから
里帰りは諦めた。
里帰りするはずだった病院をキャンセルして
両親に病気の話をして
いろいろ落ち込んでいたけど
エコーで見た娘は元気に動いていて
必死に生きようとしてた。
そんな姿を見て
ママがメソメソしちゃダメだって思った。
そこから明るく過ごした。
コロナ禍でいろいろなストレスはあったけど
ずっと
早く会いたいな〜って思いながら過ごした。
でもやっぱり心臓が止まっていないか
不安でしかたなくて
毎日毎日、心臓の音を聞いて寝てた。
その音を聞くことで
自分が安心できたから。