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2022.07.16

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この時期にあった出来事をまとめました。
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記事一覧

#16 待ってる

#16 待ってる

前回の続き。

イオンを後にして、暑い中のんびり帰る。

「私〇〇さんの運転が一番好きです」

君はよくそう言ってくれる。

「ありがとね。
 運転って減点方式だよね。
 加点って道譲ったりとかしかないから」

「そうですねっ」

コインランドリーに寄る。
こたつ布団がふわふわに乾いていた。
「いいですね!」
車に乗っけて家に帰った。

家に着いて、二人で協力してこたつ布団を袋の中に詰めた。こうい

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#15 こういう時間が続けばいい

#15 こういう時間が続けばいい

前回の続き。

車に乗って走り出す。
ほどなくして恋人が言う。

「人はつらい時、入れるより出した方がいいんですって」
「昨日泣いてすっきりしました」

「涙は心の洗濯って言うよね」

「あ、24時間テレビの車がありましたよ」

「あれ、ほんと」

「100万円あったらどうします?」

「うーん、緊急性が高いのは車かな。
 あとはこの前も言ったけど脱毛かな」

「そうですね、言ってましたね。
 私

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#14 一番幸せな朝

#14 一番幸せな朝

前回の続き。

翌朝。
7時くらいだっただろうか。
僕が先に起きる。いつものこと。
歯を磨いて顔を洗って汗を拭って整える。
恋人が眠りから覚めるまで、座椅子で携帯を見ながら待つ。

もぞもぞと動く音がしたら恋人のほうへ行く。
多分9時くらい。

ベッドの横に腰掛ける。
恋人が僕の手を握ってくる。可愛い。
やがて僕もベッドに入る。

恋人が転がって僕にしがみついてくる。
可愛い。超可愛い。
それを何

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#13 惚れてんだから仕方ないよね

#13 惚れてんだから仕方ないよね

前回の続き。

今を大切にします、と言った恋人。

「〇〇ちゃんがそう思うなら…そうしよう」

「ブロックします」

「本当に大丈夫?」

恋人が元彼とのLINEの画面を見せてくる。
僕は画面をスクロールする。
さっきの言葉に嘘はなかった。

恋人が元彼に送る言葉を見せてきた。

「これでいいですか」

「うん、大丈夫」

「これでブロックすればいいですね」

ここで僕の変な情が出てしまった。

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#12 ずっと言えなかったこと

#12 ずっと言えなかったこと

前回の続き。

「………俺ずっと〇〇ちゃんに言えなかったことがあるんだよね」

「俺はこれを話して、今後も関係が続いていけばいいなと思ってるよ」

「俺が話したら、〇〇ちゃんは俺のことを嫌いになるかもしれない」

「え、●●さんが何かしたんですか…?」

何かしたのはあなたの方だ。

「あのね、この前会った時
 6/18とかなんだけど。
 あの日〇〇ちゃんの携帯を充電したら
 通知見えちゃったんだ

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#11 どうしたら安心させてあげられますか…?

#11 どうしたら安心させてあげられますか…?

前回の続き。

恋人が元彼とLINEをしていた。
ああ、僕の真の相手はゲームのフレンドさんじゃなくて元彼だったんだね。

『半透明人間』は元彼であり、君だったんだ。
きちんと姿を消せないのは元彼であり、君だったんだ。

君がシャワーから戻ってきた。
君はベッドに横たわる。

僕はベッドに腰掛けている。

「どうしたんですか?笑」

「自分を落ち着かせてた」

「落ち着かせてあげますか?笑」

恋人

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#10 仲直りお好み焼きに来た

#10 仲直りお好み焼きに来た

前回の続き。

道頓堀に着いた。
君とここに来るのは2回目だ。
店員さんに案内されて奥へと進んでいく。
席に着いて二人で好きなお好み焼きを注文する。

恋人が鉄板を写真に収めた。
「今Kに『仲直りお好み焼きに来た』
 って送りました笑」
恋人、なんか嬉しそう。

ほどなくしてお好み焼きの素が運ばれてきた。
混ぜて混ぜて鉄板に流す。
焼けるまで待つ。

「ごめんね、俺の誕生日タイミング悪くて。
 プ

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#9 分からなくなっちゃいました

#9 分からなくなっちゃいました

前回の続き。

「お腹膨れてるせいなのかなんなのか分からないけど緊張しますね」

「うん」

恋人は座椅子に座って横を向き、
僕に背を向けたまま話し始めた。

「一日一緒に過ごして、
 自分の気持ちが分からなくなっちゃいました」

「だってあなた絶対幸せにしてくれるし」

「温度差があるっていうのは最初からずっと思ってたんですけど」

「●●さんが言ってることも分かるんですよ」(会いたいとか好きっ

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#8 相合傘

#8 相合傘

前回の続き。

10分程で駅前のミュージアムに着いた。
適当な駐車場に車を停める。
雨が少し強まっていた。

「傘差さないとね」

「私傘持ってないです」

「ちょっと待ってて」

僕は外に出て助手席側に回って傘を差した。
恋人がドアを開ける。
そのまま君の斜め後ろに立って、君の頭上に傘を差して歩く。

「足濡れちゃうよ」

「私サンダルだから大丈夫ですよ」

「むしろサンダルだから濡れたら寒いよ

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#7 カード占い

#7 カード占い

前回の続き。

恋人は何か一つアクセサリーを買って帰ることにした。

「何か買ってホクホクして帰りたいですっ」

こういうところも可愛い。
何を買うか迷っていると、無料でカード占いをしてもらえるコーナーを見つけた。

「これ、やりたいです」

恋人は占いでどの宝石を買うか決めるつもりみたいだ。
僕はお店の人を呼んだ。
テーブルに着いて占いが始まった。

「カードを一枚引いてもらいます。
 何か悩ん

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#6 「9号」

#6 「9号」

前回の続き。
ヘッダーに美人が写り込んでいる。

ジュエリーショップを一通り見たので
隣の博物館を見ることにした。
観覧料500円。

「積立のお金から出してもらってもいいですか?」

「うん」

今日君に返そうと思っていたお金だ。
チケットを2枚購入して中に入る。

博物館へ繋がる廊下が既に凄かった。
壁に宝石が埋め込まれており、内側からライトで照らされている。

「すごい!綺麗」

「綺麗だね

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#5 忘れてしまうくらい

#5 忘れてしまうくらい

前回の続き。

コメダを出た僕らは車に乗った。
僕は再びback numberを流した。

「あのね、
 先週兄ちゃんとカラオケ行った時に
 二人で青春パンク歌ってたんだけど、
 カラオケ終わる頃に兄ちゃんが
 『これだからいつまで経っても
 back numberが歌えるようにならないんだよ』
 って言ってて分かる〜〜〜!!ってなった。
 それで、そろそろ聴いてみようかなって
 思ったんだ」

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#4 二人の空気

#4 二人の空気

前回の続き。

話しているうちに料理が届いた。

「これ、フォークだけじゃ…」

「これ、ナイフ欲しいね」

「すみません」

「あの…………ナイフ2本いただけますか?」

「今ナイフって単語が出てこなかった。
 フォークって言おうとしてた笑」

「喋んないなって思ったんですよ笑」

各々ピザトーストをナイフで切り分けて取る。
美味しい。
サラダのドレッシングは2種類。

「こっちのドレッシング、

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#3 君は綺麗だ

#3 君は綺麗だ

前回の続き。

恋人が現れた。

「おまたせ」

「これあげます」

ガムをくれた。
最後の最後まで君は優しいね。

「はい。どっちかあげる」

僕は飲み物を渡した。
君がくれた優しさ

二人で車に乗る。

白いシャツにデニムのスキニーを履いている。
朱く塗った爪にお洒落なサンダル。
すらっとした脚がよく見える。
やっぱり君は綺麗だ。

「爪塗ってる、綺麗だね。
 サンダルもよく似合ってるよ」

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