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#6 「9号」

前回の続き。
ヘッダーに美人が写り込んでいる。


ジュエリーショップを一通り見たので
隣の博物館を見ることにした。
観覧料500円。

「積立のお金から出してもらってもいいですか?」

「うん」

今日君に返そうと思っていたお金だ。
チケットを2枚購入して中に入る。


博物館へ繋がる廊下が既に凄かった。
壁に宝石が埋め込まれており、内側からライトで照らされている。

「すごい!綺麗」

「綺麗だね…」

「こういうのすぐ触っちゃう。
 触っちゃだめって書いてないから笑」

こういう子供っぽいところも好き。

「触ったほうが頭には良さそうだよね」

廊下を抜けると、二階建ての円柱型の部屋に出た。部屋の周辺にガラスケースが並べられ、大きな宝石が展示されている。部屋の中央には大きなアメシストが置かれている。

二人で一緒に見て回る。
いろんな宝石がある。
中には宝石に装飾を施したものもある。

「誰もいないから貸切ですねっ」

「そうだね。ゆっくり見られるね」

恋人は楽しそうだ。

「あ、これ、アレキですね」

「こんな感じなんだね」

「わたし△△が好きです。
 あの、赤色と緑のやつです」

「△△って誰だっけ。
 俺漫画だから色がないんだよね…笑」

「そっか!!!確かにそうですね」


一通り見た。
だいぶ見応えがあったので椅子に座って休むことにした。

恋人が椅子に座る。
僕も隣に座る。
距離が近い。少しドキドキする。
でも自然と馴染んでいる。
これを恋人以外の何と言うんだろう。

最後に宝石の写真を撮り納めることにした。

アメシストを撮る。
アメシストを撮る恋人を撮る。
アメシストと恋人を並べて撮る。
ちゃんとポーズも取ってくれる。
これを恋人以外の何と言うんだろう。


博物館を堪能した僕らはジュエリーショップに戻った。
出口付近に指輪が並べてある。
恋人が指に嵌める。

「これもスカスカ」

「これも」

「たぶん私の指輪9号ですね」

ああ、君の指のサイズを知ってしまった。
僕はこの先どうやって君の指のサイズを知ったらいいんだろうと考えた時もあったけど、知ってしまった。
この情報今さら必要?


続く。

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