防衛大を卒業して良かったこと#その3
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防衛大を卒業して良かったこと#その3をお届けしたいと思います。
#その3 統率を経て"人間学"を多く学べたこと
これは僕が大学を卒業してから最もプラスに感じており、同時に民間企業でも大いに役立っている事実です。防衛大での4年間を通して、これからの社会で学ぶべき人間力の基礎がある程度は固められたのかなと思います。
本題ですが、軍隊は基本的に「規律」がベースにあります。秩序です。
「規律なき組織は脆弱だ」と言われるくらい、徹底的にこだわります。
その最たる例が、命令服従、時間厳守、身だしなみ管理です。
(軍隊において「秩序を乱す者=組織にとって害悪」という考え方になるのは必然的であり、この文化は「組織の成長」を遅延させる大きな要因でもあります。それはまた改めて書きたいと思います。)
ここで一つ課題が生じます。人間を相手にしていることです。
部下も一人の人間ですから、もちろん意志や感情、意見があります。
ですが、統率の立場に立った以上、部下を服従させなければなりません。
これが本当に最も難しいことです。確かに最も頭を悩ませました。
部下をどう育てるか。どう従えるか。どう個の能力を発揮させるか。
これは軍隊も会社も変わらない「組織論」として当然だと思います。
(目的が国防という任務なのか、会社の売上を獲得するかの違いです。)
○嫌われていた(従いたくなかった)先輩の例
ではまず嫌われていた上司を分解する視点に立ってみたいと思います。
(個人の見解が入りますが、noteという自由の場なのでお許しください。)
特徴を大きく3つに分けたいと思います。
①口だけ=範を示さない先輩(上司)
これは当たり前のことです。"人に厳しく自分に甘く"の典型例です。語るまでもありません。(ですが、後輩に範を示し続けることは、本当に大変で辛く、そして面倒です。これには本当に頭を悩ませました。)
②自己中心的な先輩(上司)
これも当たり前のことです。"組織での任務達成"が求められている集団において、自己中心的=自分の利益しかしか考えていないような人は嫌われます。軍隊も自衛隊も民間企業も同じです。
③ユーモアがない先輩(上司)
これは意外かもしれませんが、ユーモアがない先輩も嫌われていました。
"話の通じない堅物"として見られてしまい、あいつは冗談が通じないと言われるパターンです。防衛大は24時間全寮生活、つまり集団生活が基本ですから、人間関係も非常に濃いものになります。そのような環境で、オフの時に冗談が通じない先輩は嫌われていました。(気持ちは分かります笑)
○自分は何を考え、何を学んだか
では僕自身、統率に対して何を考えて、何を学んだか。
①統率に答えはない
答えは「統率には答えはない」ということです。
人それぞれに統率の型があり、自分に最もあった方法を早く探すことがとても重要だということです。そして自分の型を身につけた後は、自分の型に足りないところを埋めていけば良い。ただし、見様見真似で統率は極められない。だから統率は武道と同じ「道」です。
②統率の本質は方程式ではない
この「統率」という概念は本当に奥が深く、生身の人間を相手にしていることが「統率」を最も難しくしている要因だと考えています。
相手は生身の人間ですから、生きています。
感情があり、意志があり、意見があります。
生まれてきたバックボーンも違います。
この方程式に当てはめきれない、つまり、x=○○では解けない難問であることが統率の本質です。
③ただし、公式ならある
ただし、いわゆる道具としての公式集は存在します。僕のいた防衛大の頃の話ですが、例えば、
ベッドは毎日しっかり綺麗に畳んでおくこと
後輩と飲む時は必ず奢ること
制服のアイロンは毎日かけること
などでしょうか。このような"統率"という問題を解く上で道具となる「公式」はいくらでもあります。
ですが、それを目の前の一人ひとりの人間に当てはめて、形を変えて向き合っていかなければいけない点に難しさがありました。
大学生の時点で、すでに一般企業の課長クラスの統率の経験ができていたわけです。絶対に逃げられない環境の中で、どう団結して立ち向かっていくか。
アルバイトやサークルでは到底経験できない、非常に貴重な経験です。この統率をひたすら突き詰めて考えていた大学四年間を経て、人間学をひたすら学び続けることができました。
少し長くなりましたが、このような話も今後もっと深掘りしてきたいなと考えています。
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