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オードリー若林さんの伝統芸と有吉さん著「フリ・オチ」の教科書

エンタメは、幼児向けからマニア向けまで、数多のカテゴリーが存在するが、ドラマ・映画・バラエティ、分野を問わず、読んで字のごとく一番ボリュームがあるのは大衆向けだ。

大衆は分かりやすいベタな展開に安心感を覚える。

半沢直樹のような分かりやすい倍返し、
水戸黄門のような分かりやすい印籠登場、
落とし穴ドッキリの分かりやすい構図、
どれもが予定調和なのだが、確実に楽しめる安心感がある。

トーク番組でも、古典のように何度聞いても面白い「フリ・オチ」がある。

さんまさんは個性の強いキャラと分かりやすいお決まりの「フリ・オチ」を作り、流れの中でタイミングよく展開することで安定した笑いを取る。

オードリーにも「〇〇って言われちゃうかもしれないけど、、、」のくだりがある。来たぞ来たぞ感を持って全員が楽しめる伝統芸だ。

(✳︎使用例)
「自分でこんなこと言うのも調子こいてんの?って言われちゃうかもしれないけど、多忙なのよ」
「調子こいてんの?」

そんな世の中に数多あるお決まりの「フリ・オチ」、今回はその中でも基礎が詰まった、教科書に載せたいと思うような、有吉さんのキレ~イな事例を紐解いていきたい。

有吉さんのほれぼれする腕前

TBSの「クイズ☆タレント名鑑」
ロンブー淳さんと枡田絵理奈アナがMCで、有名人にまつわるクイズが出題され、出演者が回答に乗じて有名人をボロクソに言うことで有名な番組だった。
(2010年8月~2012年3月までレギュラー放送)

2012年2月26日放送の"禁断のガチランキングSP!!"で、女子アナ人気ランキングのトップ3を当てるというコーナーがあった。

そこでの、有吉さんの回答から正解発表まで、一連の「フリ・オチ」の流れが神がかっていた。


当時、アヤパン、カトパンなどのフジテレビ(出身)の女子アナが人気全盛であり、田中みな実さんもまだ人気が出始めたところで、TBSのアナウンサーは影が薄く、MCの枡田アナはもちろん上位に入らないことは明白な状況。

淳さん「枡田さん、(自分は)何位くらいだと思いますか?」

枡田アナ「え〜、、30位以内には入ってたいです」

出演者一同「30位には入ってるよ〜!」

全4チームの内、3チームの回答は、カトパン、アヤパンを軸に、滝川クリステルアナや有働アナ、平井アナを組み合わせた当てに行く回答。

有吉チーム(有吉さん、おぎやはぎ)の回答は、
3位アヤパン、2位マスパン、1位カトパン
とMCのマスパンこと枡田アナを2位に選出。

淳さん「マスパンってのは枡田さん?」

有吉さん「どこ行っても枡田さんの名前は出ますから~、カトパンかマスパンですもん、だいたい」

枡田アナ「、、、意地悪だな〜、、絶対入ってないです、、」

淳さん「意地悪しないでよ!マスパンに」

有吉さん「ぜったい入ってる!」

矢作さん「人気半端じゃないから」

淳さん「小木さんもそう思ってる?」

小木さん「俺、ホント(マスパンのこと)大好きだもん。抱きたいもん、ホントに」

マスパンの上位ランクインが絶対にない状況で、しっかりと丁寧に持ち上げる。


結果発表、

10位から4位は順に、

安藤アナ、中野アナ、生野アナ、有働アナ、大江アナ、高橋真麻アナ、滝川クリステルアナ

有吉さんチームが予想した3人はまだランキングに出ていない。

有吉さん「これ、もらった!」

淳さん「有吉チーム(の答え)は、まだ(ランキングに)出てない」

有吉さん「枡田さん、頼むよ〜笑、マスパン頼むよ!」

枡田アナ「絶対でないですから、、(苦笑)」

淳さん「(自分が)入ってたら嬉しい?」

枡田アナ「私の名前があがったら嬉しいですし、TBSのアナウンサーが入ってたら嬉しいです」

有吉さん「やっぱいいね〜コメントが良い。もう1位でもいいよ、外れても」

枡田アナ「もうやだ〜、、(苦笑)」

改めてしっかりと上げる。抜かりない。


第3位 西尾アナ

第2位 高島アナ

有吉さん「(マスパンは)1位だ、じゃあ」

矢作さん「ついに、1位になったか」

第1位 加藤アナ


想定通りマスパンは入らず。

有吉さん「全然人気ねぇじゃん、マスパ〜ン。お前、人気ねぇな笑」

小木さん「なんか入りそうな感じで言ってたじゃん」

有吉さん「何偉そうにしてんだ、お前」

上げておいた分、トップ10に入らなかったことに対して落とす。

淳さん「偉そうにしてないだろ、枡田さんは。お前が勝手に持ち上げたんだろ。持ち上げて叩き落とすんじゃないよ!」

枡田アナ「TBSが誰も入ってないことはショックです。20位までには誰か入っててほしいですね」

有吉さん「これだ、ここには(マスパン)入ってるでしょ?」

矢作さん「(マスパンは)11位だ」

すかさず20位以内に入ることを前提とするフリを入れる。

11位から20位

小林麻耶アナ、皆藤アナ、馬場アナ、夏目アナ、田中みな実アナ、平井アナ、赤江アナ、竹内アナ、膳場アナ、小野アナ

枡田さんは20位以内にも入らず。

有吉さん「この番組の視聴率上がんなかったのお前のせいだな!?、人気ねんだもん!」

元の期待値が30位以内なのに、しっかり上げていることから20位以内に入らないことへのコメントのキレがエゲツない。

枡田アナ「違います!この番組の視聴率が良ければ私もランクインするんです!」

出演者一同「おい!」

淳さん「その通り!」

枡田アナ「(私の)数少ないゴールデンのレギュラーがこれなんです!」

淳さん「じゃあ(枡田さん)何位なんだって話ですが、、TBSは、23位に青木裕子さんが入ってます」

枡田アナ「(私は)30位以内までに入ってますか、、?」

淳さん「枡田さん、30位以内に、、入ってません!」

出演者一同「えー!!」

矢作さん「何がマスパンだよ!」

小木さん「俺も抱きたいって言ったの恥ずかしいよ!何で30位に入ってねぇやつ抱きてんだよ!恥かかせんじゃないよ、俺に」

回答の段階で散々持ち上げ、正解のくだりで、ボロカスに落としていく。

枡田アナの視聴率のとこの返しも見事だし、大オチを作った小木さんも最高だったが、やはりこの一連の流れを生み出した有吉さんの腕にはほれぼれした。

これほど分かりやすく、集団参加型の長いくだりできれいに決まり、且つ相当に面白い「フリ・オチ」はなかなかお目にかかれない。

まさに教科書に載せたいと思える一連の流れであった。もう9年も前の番組だが、これを超える美しい「フリ・オチ」にはお目にかかっていない。


若林さんは何と言うか
「やっぱ有吉さん、凄いよね、腕力が。あれだけの人数の中で回答席から1人で流れ作っちゃうんだからさ。もう一言一言に無駄がないというかさ」
「うーん、もう私なんか、ちょっと怖いくらいだけどね。有吉さんとの共演は恐怖よ、どこから玉飛んでくるか分らんし」
「話変わるけど、有吉さんとみちょぱの共演ってホントに多いよね、事務所違うのに。声に出しちゃいけないんだろうけどさ、やっぱそういうことなんだろうな〜笑。こんなこと言うと、なに柄にもない野望語ってんだって言われちゃうかもしれないんだけどさ〜、俺もみちょぱみたいなギャルを番組で囲おうかな」
「なに柄にもない野望語ってんだ!!若林さんには無理でしょーよ、ギャルとなんか話続かないんだから」
「そんなことないでしょ、ニコルとか、気遣ってくれるし、お前なんかよりよっぽど話膨らむわ」
「いや、おじさんがギャルに気を遣わしちゃだめでしょーよ」

若林さんが囲うとしたら、、、いないな。やっぱみちょぱさん凄いわ。

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