「こころの資本」、4つの要素
「こころの資本」って聞いたことありますか。
「こころの資本」は、私たちが持っているポジティブな心のエネルギーを指します。近年、ポジティブ心理学などの領域で研究が盛んなテーマです。
「こころの資本」は、私たちが直面する様々な出来事に対して、私たちを積極的に向き合わせて目標を達成させる心のエネルギー源になるものです。
科学的な根拠に基づく「こころのエネルギー源」とは何か、気になる方はチェックしてみてください。
1.なぜ、いま、「こころの資本」が注目されているのか。
近年、企業や組織の寿命が短くなり、変化が激しく、複雑で、曖昧で、不確実性の高い環境になってきています。そのなかで多くの組織では、深刻な人手不足に直面しています。
かつて、人手に余裕があった時代はいかに優秀な人材を自分の組織に集めるかが人材育成戦略の要でした。その頃に比べて、現在は慢性的に人手が不足しているために、いかに人を組織に定着させて、そのなかで活躍できるようにするかに焦点が移っています。
その際に人材育成戦略の中心的な課題となるのが、私たち一人ひとりの「こころの資本」なのです。こころの資本に着目した人材育成戦略では、次の4つの要素を中心にして育成に取り組んでいます。
2.「こころの資本」4つの要素とは。
定量的な研究成果から、「こころの資本」には4つの要素があることが確認されています。
(1)効力感(エフィカシー):有能感・自信にも近い。
(2)希望(ホープ):ゴールに向う熱意と、その手段に対する積極性を含む。
(3)楽観性(オプティミズム):環境に合わせて柔軟に変化する原動力になる。
(4)回復力(レジリエンス):立ち直るだけに留まらず、さらなる成長に向かう力。
これら4つの要素は、私たちが逆境を乗り越える際の心のエネルギーになるもので、かつ科学的な根拠が認められたものです。
参考文献:『こころの資本 心理的資本とその展開』
本書には、現時点までの研究成果がまとめてあります。
『こころの資本-心理的資本とその展開-』
著者:フレッド・ルーサンス、キャロラオン・ユセフ=モーガン、ブルース・アボリオ
訳者:開本 浩矢、加納 郁也、井川 浩輔、高階 利徳、厨子 直之
出版:中央経済社、2020年
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