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LEICA M9をモノクロ使いしてみた結果

Leica M9を手にしてから半年が経ちました。
手に入れた当初は「なんて不便なカメラなんだ、あれも出来ない、これも出来ない、買ったはいいけどこれ使うかな……」
と不安に思っていましたが、なんだかんだ、いまスナップ用途では一番持ち出すカメラになっています。
寄れないし、レンジファインダーで覗いた構図と実際の構図が合わないし、電池が持たないし、感度を上げるとノイズがすごいのに、なんでこんなに持ち歩いてしまうんでしょうか。

↑買った時の記事がこれです。
あんまり良い感じの事書いていませんね……
でも、「ハックルベリーフィンの冒険」に出てくる王様の金貨
(※王様と称する詐欺師に騙された村人が自分だけ騙されたのが悔しいから他の人に素晴らしかったよと勧めてしまうエピソード)
の様に嘘をついているわけではありません。本当になぜか一番持ち歩くようになっているのです。

僕は普段はどんな写真もRAWで記録して自分で現像するのですが、
今回はこのM9のモノクロJPEG書き出しはどうなんだろうか、と言う記事です。

僕のnoteを見てくださっている方は薄々感づいているかもしれませんが、僕は撮った写真の半分以上はモノクロで仕上げます。
モノクロが好きだからです。
すると、そういった人間の当然の帰結として、カラーでは一切記録しないモノクロ専用のライカモノクロームという機種が気になってくるわけなのですが、もちろん僕の経済状況ではM9と二台持ちなんて出来るわけありません。

ところが恐ろしいことに。
新宿マップカメラの地下には、
Mモノクローム、Mモノクローム(Type264)、M10モノクロームの歴代三台のライカ・モノクロ専用機が並べてあって、その触り比べが出来るようになっています。そんなの触ってしまうではないですか。
欲しくなってしまうではないですか(金額を見てやめますけども)。

触ってみると、初代のMモノクロームはM9をベースに作られているため、シャッターフィーリングやらなにやらがM9と同じでした。
そこでハタと、うちのM9をモノクロ専用機として使うことでこの荒ぶる心を鎮められるのではないかと思いつきました。
荒魂(アラミタマ)を鎮めるお祭りの開催というわけです。

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こんな感じでやってみることにしました。
M9の書き出しの設定で
Jpeg+DNG(RAW)にして、
彩度をゼロで白黒モードにして、
コントラストは中低
という形でJpegを書き出します。

光は一度カメラのRGBセンサーが受け取るものの、M9のエンジンが色情報を解析するのか無視するのかして、入ってきた光の強さだけの情報(白黒)に変換して書き出してくれるはず。
モノクロフィルムみたいなものです。
M9がRGBそれぞれの色情報を独自に解析してモノクロ変換している訳ではないのなら、フィルムの方が色気のあるモノクロデバイスという事になるとは思いますが。

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で、書き出されたJPEGを、Lightroomに読み込んで、Jpegで破綻しない範囲での明るさの調整、部分的な焼き込み、覆い焼きをしていきます。
色情報がないため「赤の部分だけ暗く」「オレンジだけ明るく」といった処理が出来ません。これこそがMモノクローム気分、またはモノクロフィルムを明室プリントしている感とでも言えるでしょうか。

またセピアやセレン調に調色はしません
あくまで、部分的にも含めての明るさの調整だけです。
トリミングはしています。

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これらの撮影時、モノクロとして書き出すのだからと、フィルム用に持っていたモノクロ用フィルターをレンズに付けて撮影していました。
今回つけていたのはPo-0。黄緑色のフィルターです。
ポートレート用と言われているフィルターなのですが、僕が普段、カラーからモノクロに変換をするときに、コントラストを整えるのによく使っている範囲の色味だったので、今回つけてみました。
本当はフィルターは被写体や明るさによって変えた方が良いとは思いますが、今回はずっとPo-0つけっぱなしです。
カラーで記録されているDNGのデータはすごく変な色になっていました。
あと、ハイライトを滲ませるブラックミストもつけています(暗く撮った写真には関係ないですが)。

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レンズはSUMMICRON-35mmASPHです。

色情報を使って明るさの調整が出来ないの、どうだろう、不便だろうなと思っていましたが、そこまででもなかったです。M9の割といい感じの書き出しかたのおかげなのでしょうか。

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暗いところを潰してコントラストを上げようとしても、結構潰れきらずに粘る感じ。シャドウに階調が残るぞ、好き。って思いました。Jpegのくせに。いままで邪険にしてごめんね。
この粘りがセンサーの力なのか、そもそも良い感じに書き出されているからなのかはわかりません。

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綺麗な階調を出せれば、モノクロの中に色が見えてくる。
んで、結構簡単にその階調が出る。

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階調出るのって、このバラっていう被写体が良いんですかね……

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代々木公園のバラでした。

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街中のスナップも。
やっぱり暗い場所の階調が得意な気がする。

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最後に、
M9のここまでの写真と同じ設定で撮ったポートレートです。
1枚目がJpeg書き出しの明るさを調整したもの。
2枚目がDNGのデータを現像・レタッチしたもの。
比べてみたいと思います。

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こう比べてみると、もうこれは味付けの好みの問題で、これならJpegのでも良いのではないかと言う気がします。
肌のレタッチなど頑張ったのですが、このサイズならわかりませんしね。

途中でわかっていましたが、

結論、
M9のモノクロ使いはアリです。
現像時に色ベースでゴリゴリいじってわけわからなくなることないし。
自分の写真的にはあまり困らない感じします。

よかったMモノクローム買わなくて済む。

ただ、これをやってしまうと今度はM10のモノクロ使いはどうなんだろうかとか気になってきてしまいますね。


おわり

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