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30年前、横尾忠則とJamie Reidが日本のへそで...
3ヶ月前に観た
「横尾忠則展 満満腹腹満腹」
横尾忠則現代美術館
その時に出会った作品の中の、小さな小さな子が頭から離れないのです。
自分の中のイノセンスが鷲掴みされる可愛さに
満ちているのです。
キューピー? それとも 天使?
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でも、その作品全体は怖いと可愛いが混在するカオスな世界。
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「幼い頃ぼくはよく熱を出した。そしてうなされると必ず生みの親を訪ねて高野山に登る石童丸とその実父刈萱上人が瞼の裏に映るのだった。そして、やがてやってくるのが、猪に股がった恐ろしい天狗だった。しかしこの人はもしかしたら薬師如来の化身だったのかも知れないと今も信じている。」
(2001年 アクリル・布)
昔から横尾忠則さんは大好きで、
20歳過ぎの頃、西脇市岡野山美術館まで横尾忠則展を観に行ったことがあります。
もう30年も前のことです。
館内で作品を観ていたら、初老の男性に声を掛けられました。
「こちらへいらっしゃい」
よく分からないまま付いていくと、なぜか建物の外へ。
その先に見えたのは
大きなキャンバスに描画中の横尾忠則さん!
初老の男性は館長さんでした。
突然の幸運に「あわわ」状態の私。
館長さんから、「せっかくだから何かにサインをしてもらったら...」とお気遣いの言葉。
パンフレットなどを購入していたらよかったのですが、鑑賞の途中だったこともありサインをして頂くのに相応しいものを持ち合わせていませんでした。
あ!そうだ!
その日の私は、手作りのサゲモノ(ペンダント?)のようなものを首からぶら下げていました。
今思うとかなり恥ずかしいのですが、レコードのEP盤をカットして加工し、その一部に横尾さんの作品の印刷物を使ったナゾの手作りアクセサリーを着けていました。
若さとはすごいものです。
横尾さんはその謎のサゲモノに快くサインをしてくださり、裏面に貼り付けていた別のアーティストの作品の写真をチラッと見られて、
「何だ?これ?」とクスッと笑われました。
その裏面は、
当時好きだった Jamie Reid
70年代のパンクロック好きの心を揺さぶった
英国の伝説的グラフィックデザイナーです。
横尾忠則とJamie Reid
不思議な組み合わせ。
当時何を考えてそんなものを作ったのか、よく覚えていません。
でも当時の私にとって、「そんなもの」は、
無邪気な気持ちを維持できるお守りのようなものだったのかもしれません。
後にも先にも身につけることがなかった
その一日限りの特別なアクセサリー。
大切なたからものです。
3日前の8月8日
Jamie Reid 死去
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10代後半からアートと音楽を結びつけた
パワフルな楽しさを与えてもらいました。
大感謝。