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[Amazon]なぜ配達員は走っている?

最近はニュースでもちょくちょく取り上げられていることで、配達員の仕事がどれだけ忙しく大変なものかというのが少しずつ世間にも伝わってきているのかなと思います。


配達は時間との勝負

この動画やサムネを見た利用者目線からすれば、「ひぇー200個かぁ、大変だなぁ」という印象が一番かもしれません。配達員目線から見ると、個数だけで過酷かどうかというのは判断できないなぁ、が正直な感想です。

最も早く対応できる条件は、住宅密集地で「一軒家」かつ、すべて「置き配」の場合です。到着→置き配→写真撮影→再移動→次の家に到着、まで 1〜2分程度で済むので、1時間あたり 30個以上のペースで配達できることもあります。

ただ、そんな好条件が毎度揃うはずもなく、ここへ悪天候が重なったり、渋滞があったり、日々の配送において不確定要素は多くあります。配達するコースも、毎回知っているエリアを回るわけではないので、これも毎回、配達員のイメージ通りいくわけではありません。

配りきれなければペナルティ

Amazon の荷量や配送コースは AI によって管理、調整されている、と言われています。たとえば 5時間で 100個配送し、1時間が余っていたのであれば、あと 1時間分荷物を増やしても大丈夫、という計算なのか、、、詳しいことはわかりませんが。

そうやって、1台の車に割り当てられる荷物が少しずつ増えています。配送料が安価を保っているのは、こういった配送の最適化が行われ、これまでと変わらないコスト(配達員への支払い)で多くの荷物を配送することができているからでしょう。

一方、配達員には「未配(時間内に、積んだ荷物を配りきれない)」をするとペナルティが課されます。これは減給とかそういう甘い話ではなく、何度も繰り返していると契約終了される、つまり明日から仕事がなくなるかもしれない、というプレッシャーを抱えています。

利用者側からすれば、置き配によって余計なコミュニケーションを取らなくてもよくなった、という人もいれば、荷物は安全に手渡しで受け取りたい、もう少し丁寧に対応してもいいのではないか、なんていうコメントも見かけますが、現状は「そんな時間はない」のが事実です。それが Amazon のサービスの現状です。

車を降りた後、荷物を脇に抱えて建物内に走っている配達員をみたことはありませんか?

なんでそんなに走ってまでも運ばなければいけないのか、ちょっとはお分かりいただけましたでしょうか?

利用者側の協力で保たれるサービス

小売業でも最近はセルフレジが一般化してきました。これは、業務効率化と人件費削減が導入の大きな理由として考えられます。

利用者が直に体験できるメリットは、「レジの行列が減った」という部分だと思いますが、ここには「人件費が減ること」によって「商品が安く(これまでと変わらない価格で)購入できる」という、長期で利用していくうえで重要な恩恵もあるはずです。

目先の人件費よりは高いシステムの初期投資もかかっているはずですが、それをかけてでも導入している理由は、今後働き手が減っていく将来的な問題にも対応したものだと考えられます。

このシステムを利用してくれる「利用者側の協力」があって初めて成立しています。Amazon のサービスも、これまで通り「安価で、早く」受け取ることを継続するのであれば、利用者側に「協力」してもらわないと成り立たないのです。

その協力というのが、「1件に配る時間を短縮すること」なのです。

小さな時間の積み重ね

極端な話をいえば、すべての利用者様が「置き配」または「宅配ボックス」にしてもらうのが、配達員にとっては一番の時間短縮になります。ただし、すべての配達が「置き配」で完了できるわけではありません。なぜならば、、、

  • 「置き配不可(対面渡し)」がどうしても譲れない利用者様がいる

  • 「置き配(玄関)」指定されていても「オートロック」を突破できない

  • 「宅配ボックス」指定されていても宅配ボックスの空きがない

などなど、配達員がスムーズに配達できない要因があります。その中でも、地味に時間がかかる「置き配不可(対面渡し)」は、件数は少ないものの、再配達にならなかったとしても配達員の時間を少しずつ削っていますので、ぜひ以下のようなちょっとした点だけでも「協力」をお願いしたいです。

印鑑は要りません!!

対面渡しで、呼鈴を押したあとになかなか出てこられないお客様は、多くが片手に印鑑をお持ちになって出てこられます。出てくる前に、慌てて印鑑を探しておられたのではないかと思われますが、、Amazon の受け取りに印鑑は不要です!代引の手続きもありませんので本来は対面も不要です。。

いまだ受け取りのために「印鑑が必須」だと思って「置き配不可」を選択されている方がもしいたら、ぜひいま一度「置き配」も検討していただけたらと思います。

ヤマトや佐川も印鑑は要らない、という運用になったようなので、今後宅配の受取には印鑑が要らないことが一般的に浸透してくるとは思いますが。。

「玄関前に置いといてください」で構いません!!

お料理中であったり在宅勤務中など、すぐに手が離せない事情があってか、呼鈴になかなか応答いただけなかったり、ようやく応答いただいた後でもなかなか玄関口まで出てきていただけないケースがあります。配達員は、この待ち時間が地味にツライです。。

部屋着を慌てて着替えなきゃ、、、そんなことをする必要はなく、インターホン越し、または玄関口でドアは閉めたままでもいいので「玄関前に置いといてください〜」と配達員に伝えてもらえればそれで構いません。玄関口に置きますので、配達員がいなくなってからゆっくり回収してください。

これを言ってくれる方は、印鑑が要らないことを「理解」していただいている方だと思います。これによって「置き配不可」のお客様でも置き配で完了できると、配達員もお待ちする時間が短縮できるので非常に有り難いです。

オートロックの建物の場合も、エントランスを開けていただく際に「玄関前に置いといてください〜」と言っていただけるのが非常に楽です。玄関前で再度インターホンを押したら、さっきオートロックを開けてもらったのにまた「どちら様?」くらいのテンションで応答されることがあり、、、これも少々無駄な時間かと思います。

メモだけでもよい!!

こういうステッカーの類をよく見るようになりました。

こんなきれいなものをお金をかけて準備いただく必要はありません。インターホンの近くに手書きでメモを貼っておいていただいているケースも多くなり、非常に有り難いです。

在宅していたのに、呼鈴に応答できなくて(応答が遅れて)持ち帰られてしまった、なんて経験の方はいらっしゃいませんか?不在でないときは置き配でもいいや、なんてときは荷物が来る予定の日に「玄関先に置き配お願いします」のメモを貼っておけば、それだけでやり取りの時間も、無駄な再配達も減らせます。

玄関前への掲示はちょっと、、という方はこういう方法もあります。

予定は変更できます!!

配達予定の連絡は、メールで届いていると思います。前日くらいに「配達予定日◯月◯日」のような内容が届いて、おそらく発送(配達員が持ち出す)日には「本日到着予定」のような内容で通知されるはずです。

「置き配不可」にしてるけどこの日は予定があって不在になりそう、、、そんなときは確実に受け取れるであろう日時に予定変更していただきたいです。もしくは、許容できるようであれば「置き配」に切り替えてください。

あまりに直前の変更だと、もう車に積んで移動してしまうので、できれば前日くらいの変更が有り難いのですが、直前の変更でも、団地の5階に階段で登ってから不在で持ち戻り、という絶望は回避できます。

もう今さらだし、不在通知が来てから再配達依頼すればいいや、ではなく!気づいたタイミングですぐに!ぜひお願いします。。。

周囲の人に広めていただきたい

「1件に配る時間を短縮する」ことに協力いただきたい!という内容を書かせていただきました。配達員にとっては「あるある」かもしれませんが、こういった情報は他であまり見たことがないので、利用者側は意識されていない部分かと思います。

とっても小さなことかもしれませんが、10人に対応してもらって10分の余裕ができれば、走っての移動が歩いての移動になるかもしれませんし、配達員が休憩を取る時間にも当てられるかもしれません。

そのくらい「配達員は時間に追われている」ということを「理解」していただけると有り難いです。


「どうせ時間が余ったらその分、荷物が増やされちゃうんじゃないの?」

、、、正直、それもあるかもしれません。

ただ、荷物が増えても配達員の負担が減れば助かりますし、まずは何かしらの対応をしないと、配達員の負担が増える一方で、働き手は減っていく一方だと思っています。

IT の発展、AI の進化によっていろいろなものが自動化されていき、人間が面倒な作業は機械がやってくれる時代になりました。ただ、今後自動運転がいくら発達したとしても、ラストワンマイル、つまり倉庫から皆さんの家までの配送はまだ当分の間「自動化できない」と思っています。

最近、ファミレスで各席への配膳を自動でやってくれる機械が出てきましたが、席に料理は置いてくれません。席で受け取ってくれる人がいないと成立しません。物流も同じで、玄関前に置いていってくれるのは「配達員」が「ヒト」だからです。


たまたまこちらの Note を読まれた方で、内容に共感いただけた方は、是非ご家族やお友達に広めていただきたいです。

特に、あまりネットの情報を見られないシニア、シルバーの方には印鑑持参率が高く、出てくるまでにお時間を要する感じです、、、お買い物の方法だけ親に教えたという方がいたら、こういう「使い方」の部分もフォローしてもらえると助かります。

ひとりでも多くの方にこういう情報を認識していただき、配達員に少しでも配達に集中する時間を与えてもらえると嬉しいです。


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