葬られ方
はい、私が綾瀬です。
いきなりですが、私は犬とか猫とかを見ても「かわいい」という気持ちになることはなく、「犬だな」「猫だな」としか思いません。
数日前、起きてすぐの朝散歩(時間的は昼散歩)をしていたら、近くのバス停のそばに猫が横たわっているのを見つけました。私の目にはお昼寝というより亡くなっているように見えました。
あのまま通り過ぎること、できなかったんだよな、私には。とりあえず家に戻って、スマホで「猫が死んでいたら」と検索する。こんなこと、検索したくないけど。
すると私が住む町のホームページがヒット。タイトルは「野良猫の死骸の取り扱いについて」。この町では道路(歩道)上なら役所の担当課に電話してほしいとのこと。
私は猫を飼ったことがないです。亡くなっているように見えましたが、目で見ただけなので、息を引き取っていることを確認してから役所に相談しようと思いました。また、したくもない検索。「猫 死んでいるか確認」。
一番上のページを開くと、「死んだ後は瞳孔が開いたまま」「体が硬くなっている」などとありました。生きとし生けるものはそういうものなのでしょうか。
さて、猫が倒れている現場に戻りました。「気温も高い。亡くなっているなら、なんとかしないと…」となぜか思いました。使い捨ての手袋をはめ、瞳孔と体を恐る恐る確認しましたが、やはり亡くなっているようでした。
バス停のベンチに座り、役所に電話しましたが、業者がいつやってくるか分からないまま、屋外で待つのはいろいろな意味でしんどかったので、30分ほどその場を離れました。すると猫の姿はもうどこにもありませんでした。
猫が横たわっていた現場はほんの少し濡れていたように見えました。そう言えば猫の目元が濡れていたような。猫って泣くのかな。とりあえずかぶっていた帽子を取り、頭を下げて祈りました。きれいなかたちで葬られるよう。
でも分かんないです。私の目には亡くなっているように見えたし、体は硬かったし、それでも亡くなったように見えていただけじゃないかって。私は猫のことはよく分からないし、元気な猫との触れ合いも遠慮するくらいだし。
猫も犬もハムスターも人間も、葬られる時は、誰かに見守られながら、できるだけきれいな形で葬られるといいな。そんなことを思いました。