創作童話 きまぐれモンスター 9/15
ぼくとテルモンはびっくりした。
ねこはへんてこりんなテルモンネコをチロッと横目で見ると、前足をグーっとのばしてのびをした。
それからぼくのひざに前足をかけて、テルモンをペロペロなめはじめた。
「わー!くすぐったいよぉ」
テルモンはケラケラ笑いはじめた。
その声でおばあさんが目をさました。
「あらあら、ごめんなさい。この子ったらボールが大好きなのよ」
おばあさんはぼくに言った。
テルモンはネコになめまわされているうちに、野球ボールのようになっていた。
ネコはふしぎそうな顔をしながら、おばあさんにだっこされて行ってしまった。
テルモンはフーッとため息をついて言った。
「ネコって舌がザラザラなんだなぁ」
テルモンはもう一度ネコの形になった。
そしてぼくのゆび指をペロペロなめた。
「あ、ザラザラしているよ、ネコそっくり」
ぼくがほめてやると、テルモンはうれしそうにほおずりしてきた。
つづく
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