創作童話 きまぐれモンスター 14/15
「畑で遊ぶんじゃないぞお!」
なおきのおじいちゃんだった。
「ごめんなさーい」
ぼくとテルモンはかけだした。
畑のすみに木の小屋があった。
「モォ〜」
中をのぞくとウシがいた。
ウシはしっぽをピシッパシッとムチのようにふっていた。
テルモンはじっとウシを見ていたかと思うと、あっという間にウシの形になった。
せいいっぱい大きくふくらんだつもりらしいけれど、やっとぼくのひざの高さくらいだった。
しかもさっきニンジンを食べていたので、オレンジ色の変なウシだった。
「テルモンは色々なものになりたがるな」
テルモンはモーモー言いながら楽しそうに畑を歩いていた。
ぼくの夏休みは、毎日こんなふうにしてテルモンと過ごした。
テルモンは時々ひとりでぬけ出したけれど、誰に会ったかすぐにわかった。
その動物の形になっていたからだ。
ぼくはいつもそれをほめてやった。
つづく