ローゼンタール効果
ローゼンタール効果またはピグマリオン効果という学説があります。
この効果を発見した教育心理学者ローゼンタールの名前からそう呼ばれています。
どのような学説かというと、教員が生徒に何を期待するか、その期待値によって生徒が成功するか否かのカギを握っているということです。
彼が最初にした実験はマウスを2つのグループに分け、一方を〈賢い系統〉もう一方を〈賢くない系統〉のマウスだと学生達に伝え、迷路を通り抜けることをさせました。
そうすると明らかに〈賢い系統〉と伝えられたマウスのグループの方が良い成績を修めました。
実は、賢い賢くないは学生達に伝えただけで実際はランダムに振り分けられたマウス達だったのです。
同じようにランダムに2つに分けた生徒達の一方を〈飲み込みの早いグループ〉もう一方を〈そうでないグループ〉だと教員に伝え、実際数ヶ月後〈飲み込みの早いグループ〉と伝えられたグループの生徒達が良い成績を修めたといいます。
つまり教員や実験した学生達の期待値の大きさで成功や失敗が起こりうるということらしいのです。
けれどもこの実験は現実には確信がありません。もしかしたらたまたま成績の良い生徒が一方に集まっていたのかもしれないしIQテストで完全に同じレベルで2つに分けたわけではないからです。
このような実験が再現されなかったのは非倫理的だとみなされたからなのは言うまでもありません。
ただ教員の接し方や期待が原因で生徒の成績に影響することは多々あるのではないかと思います。
期待されていると感じた生徒は益々期待に応えようと頑張るかもしれないし、反対に見放されどうせ出来ないだろうと思われていることを感じている生徒はやる気を失うかもしれません。
実際実験でも飲み込みの早い生徒だと伝えられた教員はそのグループにそれなりの接し方をしたと思います。
これは親子関係にも通じることで、親の言い方、接し方、期待次第で子どもの伸びが違ってくることもあるのではないかと思います。
この学説はピグマリオン効果とも言われています。
それは物語で、昔才能のあるピグマリオンという彫刻師が自分の理想通りの女性の彫刻を彫りその像を毎日眺めては恋するようになりました。
そして毎日毎日その像が本物になるように神様に祈り続けてついには倒れてしまいました。
あまりのその愛の深さに神様はとうとうその像を本物の女性にしてあげたというお話です。
強く想い続けると本当のことになってしまうということからこの名前がつけられたようです。
どちらにしてもローゼンタール効果、ピグマリオン効果は学説であってはっきり証明もされていませんし、否定もされていないので現実味がないように思われますが、思い込みから現実になることは確かにあるのではないでしょうか???
もし本当にそのようなことがあるのなら教員や親は注意すべきことなのかもしれません。