『ひと色展2023』コラボ バヂターブルー🦋
イシノアサミさん企画『ひと色展』に参加させていただきます。
第二弾はバヂターブルー"キミを想う色"
炭酸銅から作られる顔料なのですね。
まさにそんな色をしたアサギマダラの掌童話をリメイクしました。
アサギマダラと一緒に🦋
「じぃじ!待っていてね」
みおは花とお線香を持って階段を上りました。
じぃじの先祖のお墓の脇には大きな木がありました。お墓の上を枝から伸びる葉が覆い尽くし、夏でもひんやりとした風が流れていました。
みおは毎年じぃじとお墓参りに来ています。
最近じぃじは目と足が悪くて小さな急な階段が上れなくなってしまいました。
じぃじは階段の下で顔を手でかざし、みおを見守っていました。
みおがお墓の前に立つと、大きな木の上で蝉が鳴き始めました。木々の間から溢れる光と風が柔らかくみおを包みこみました。
みおがお線香をあげていると青色のアサギマダラが手元をチラチラと飛び回りました。
「またちょうちょがきたよ」
じぃじの所に戻るとみおが言いました。
「そうかい。蝶は死者の魂の乗り物だと言われているからね」
「じぃじのご先祖さまが会いに来てくれたの?」
「そうだね。ご先祖さまのご加護が働いていると言われているからね。蝶はきれいな空気が好きで良いエネルギーを感じ取れるんだよ」
「ふうーん。みおの回りをぐるぐる回っていたよ」
「そうかい。蝶は純粋で澄んだ心の持ち主のところに寄ってくるからね」
「青くてきれいだね」
「アサギマダラは海を越えて旅をする蝶だよ。天の使いかもしれないね」
じぃじはそう言って微笑むと、みおの手を握ってゆっくりと歩き始めました。
おわり
イシノアサミさんありがとうございます🌟
よろしくお願いします。
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