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障がい者雇用における「エラーレス・ラーニング」
こんにちは!アルファプランニングです!
今回は「エラーレス・ラーニング」について解説していきます◎
エラーレスラーニングとは
学習プロセスにおいてエラー(失敗)がほとんど生じないように進める方法を指します。学習者が正しい反応や行動を繰り返し経験することで、効率よくスキルや知識を身につけられるように設計されています。主に教育やリハビリテーション、動物のトレーニングなどの分野で使われています。
基本的な仕組み
難易度を徐々に上げる:初めは簡単な課題から始め、徐々に難しい課題へ進む。
支援を提供する:学習者が正しい行動を自然に行えるように、ヒントや手助けを与える。
成功体験を積む:成功することで学習者が自信を持ち、モチベーションを維持できる。
応用例
言語学習:発音や文法が難しい単語や文章を最初に提示するのではなく、簡単で間違えにくいフレーズから始める。また、教師が正しい発音をゆっくりと明示的に示し、学習者がそれをそのまま繰り返すよう促す。
動物のトレーニング:犬に「おすわり」を教える際、最初は手やおやつで誘導して座る行動を促し、正しい行動に対し褒める。間違いが起こらない環境を作り、正しい行動だけを強化していく。
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エラーレスラーニングのメリット
自信を高める:失敗を経験しないため、学ぶ意欲を維持しやすい。
効率的:試行錯誤を減らし、短期間で成果を得やすい。
モチベーションを向上:成功体験の積み重ねが学びを楽しくする。
トライアンドエラー
エラーレスラーニングと異なる学習方法として、「トライアンドエラー」があります。こちらの方が聞き馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
トライアンドエラーの名前の通り、挑戦と失敗を繰り返してスキルを磨く学習方法です。
特徴
エラー(失敗)を経験しながら、徐々に正しい解答や行動を見つける。
エラーを繰り返す中で「何が間違いか」を学び、それを回避するスキルを磨くのが目的。
探索的学習や創造的な問題解決が求められる場面に適している。
エラーレスラーニングとトライアンドエラーの比較
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具体例での違い
料理の学習
・エラーレスラーニング
シェフが一つ一つの手順を示し、完全にガイドされた状態で料理を作る。
・トライアンドエラー
材料や分量を自分で試行錯誤しながら、うまくいくまで繰り返す。
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数学の学習
・エラーレスラーニング
先生が問題の解法を詳細に示し、生徒がその通りに繰り返し練習する。
・トライアンドエラー
生徒が自分で考えて解こうとし、間違えながら理解を深める。
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両者の使い分け
どちらの方法も、それぞれの場面や目的に応じて効果的に使うことが重要です。例えば、基礎的なスキルを習得する際はエラーレスラーニングが有効であり、応用力や創造性を求める学習ではトライアンドエラーが役立つ場合があります。以上から、エラーレスラーニングとトライアンドエラーは補完的な学習方法とも言えます。学習者の特性や状況に合わせて組み合わせることで、より効果的な教育が実現します。
発達障がいの方に向いている学習方法?
発達障がいや精神障がいをお持ちの方に向いていると言われているのが今回説明した「エラーレスラーニング」になります。理由は下記の通りになります。
1.エラーによる不安や混乱を軽減できる
発達障がいや精神障がいを持つ方は、失敗やエラーに対して強い不安やストレスを感じることがあります。エラーレスラーニングでは、失敗を避けながら学習を進めるため、不安や挫折感を減らし、安心して取り組むことが可能です。
2.成功体験を積みやすく、自己効力感を高める
発達障がいのある方は、特に自己効力感(「自分はできる」という感覚)を育むことが重要といわれています。エラーレスラーニングでは、適切な支援や指導のもとで正解の経験を繰り返すため、成功体験を積みやすいです。自信を持ちやすくなることで、次の学習へのモチベーションを高める効果があります。
3.過剰なエラー記憶を防ぐ
発達障がいの特性として、エラーや失敗に対して過剰に敏感で、失敗の記憶が強く残りやすい場合があります。エラーレスラーニングでは、正しい行動や解答だけを繰り返し学習するため、エラーの記憶が形成されにくくなります。これにより、誤った学習(ミスを繰り返して覚えてしまう)を防ぎ、効率的に正しいスキルを身につけることが可能です。
4.注意の偏りや衝動性をサポートする
発達障がい者の中には、注意が散漫になりやすい方や衝動的に行動しやすい方もいます。エラーレスラーニングでは、分かりやすく段階的なアプローチを取るため、迷いにくく、適切な行動に集中しやすくなります。選択肢が明確に絞られているクイズ形式や、視覚的なガイドを用いると有効な場合もあります。
5.個別化された学習が可能
発達障がいの方は、得意な分野や困難を感じる分野が人それぞれ異なります。エラーレスラーニングは、個々の学習者に合わせて支援内容を調整できるため、特定の弱点に焦点を当てた学習が可能です。例えば、読字に困難を感じる場合は音声ガイドを加えたり、課題の難易度を細かく調整したりできます。
6.モチベーションを維持しやすい
発達障がいの方は、興味を持てない課題に対して取り組む意欲が低くなりやすい場合があります。エラーレスラーニングでは、褒められる機会が多くなるため、学習を「楽しい」「やりがいがある」と感じやすくなります。
雇用の場におけるエラーレスラーニング
障がい者雇用をする現場でも、ぜひエラーレスラーニングを取り入れると良いでしょう。雇用して間もないころは、できるだけ簡単な業務から始めたり、マニュアルの整っているものから始めたりすると、本人のストレスを軽減させながら業務を習得してもらうことが可能です。
一方、エラーレスラーニングは応用力や自分で考える力を養うには不向きの方法です。本人のレベルや、キャリアアップの意向も確認しながら、エラーレスラーニングを取り入れると良いでしょう。
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まとめ
エラーレスラーニングは、失敗のストレスを軽減しながら成功体験を積み重ねることで、効率的かつ前向きな学習を支える手法です。正しい方法を根気よく示し、学習者の特性やペースに応じて進めることが重要です。
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