コロナ禍でどう院内コミュニケーション・情報伝達を促進させる?
スタッフの「燃えつき」を防ぐには?!
先日、こんなネットニュースを目にしました。
症状が最も重い新型コロナウイルス感染者を診る「3次救急」に指定されている全国15の医療機関で、治療に当たる医療従事者の4人に1人が、自分がバーンアウトの状態だと感じていることが、倉敷中央病院救命救急センターの栗山明医長らの調査で分かった。現在は調査した3月時点より感染は拡大しており、「医療現場はより深刻な状況に追い込まれている」と指摘する。岡山をはじめ、東京や大阪、広島、沖縄といった15都道府県でコロナ対応に当たる医師、看護師、放射線技師ら867人から回答を得た。
うむむ...
今まさに、私が住む市でも状況が悪化しているのですが、本当にこの調査が示す通り深刻な状況であると思いますし、また、3次救急でなかったとしても、多くの病院・施設において対応に追われ、疲弊やストレスはどれほどのものか、と思います。
こんな最中ですから、本部・管理者としては、経営の安定的継続のためにもスタッフの離職が頭をよぎります。そうならぬよう、先手を打ったメンタルへのサポートが不可欠です。
日本看護協会の昨年9月の調査では、15.4%に当たる426の病院が新型コロナウイルスへの対応に伴う労働環境の変化や感染リスクなどを理由にした看護師の離職があったと答えています。
もし離職が相次ぐことになれば、残されたスタッフへのしわ寄せがいき、悪循環が始まります。チーム全体の士気低下も懸念されます。組織への不満のうっ積もあるでしょう。
まずは待遇やシフト面での考慮は当然のベーシックだとして、そんな状態だからこそ、お互いに日々のねぎらいや声かけという「月並みすぎる」サポートが大事です。ただでさえ、物理的に希薄になりがちになるからです。ますますもって、職場環境の改善に着手しなくてはいけない状況になっています。
情報伝達が上手くいかない?
このコミュニケーション問題でいえば、実際、院内で情報伝達がうまくいってないという所はとても多く、そういった部長さんの悩みもお聞きします。
(筆者どもはリモートでチームを組んでおり、メンバーがそれぞれ別の場所にいながら、進捗管理し、プロジェクト進捗をしていく、ということを常にやっております。そんな身からすると、ひとつ屋根の下にいながら、なぜそれが難しいのだろう??と不思議にも思ってしまうのですが...)
とにかく伝達に時間がかかる、各々が違った解釈を入れてしまう、行き違いが生じる、、、「ミスコミュニケーション」「ディスコミュニケーション」が常態化している、というのです。これはある意味危機であって、何か細かな意思統一をする度に生じている、いわば莫大な「目に見えないコスト」の存在に気づかなくてはいけません。
とかく、なかなか一堂に集まることが出来ない、病棟間の行き来がはばかられる、といった現状の中、言葉を交わしたり、意見交換するコミュニケーションの機会が格段に減っています。
やはり人対人ですから、単純接触効果ーその頻度によって、心的な近さが変わってきます。少し疎遠になるだけで、何を考えてるか分からない、信頼度が薄れる、誤解が生まれる、といったことが起こりやすくなります。
これを解決するために、「あえて」の仕組みづくりが必要になるのです。
“チャット型コミュニケーション”を生み出す!?
この打開策の一つとして、もっと本格的に院内SNSの活用が今急速に着目されています。
これに関しては、ご存知のようにLINEやChatworkを代表に様々なコミュニケーションツールがあります。きっと貴施設で導入されているシステムにも付属されていたりするのではないでしょうか。
背景には、昨今の業務スピードから考えると、従来のメールがとても遅く感じられてきていることが挙げられます(もちろん、内容によっては悪い訳ではなりませんが)。相手の作業を止めることになる「内線電話」も然り。
今求められるのは、チャット形式でチームメンバーが会話しているかのようなスピード感です。すると、いちいち何週後かの会議まで待たずとも、意思決定が即できます。当然、文字として残りますので、言った言わない問題が解決されます。場所や時間も選びません。持ち場がバラバラでもチーム感を感じることもできます。個別の課題にも即対応できます。あとは多くの場合、「いいね」ボタンのような物が付いてますので、承認の意を伝えることができます。私はこれが大きいと考えています。
もしこの形態で院内コミュニケーションが十分に可能、ということが分かれば、「1on1」や「評価」だってこれで完結、一元管理できてしまえば・・という発想にもなっていくでしょう。
このように、今後さらに非接触型のコミュニケーションが標準化されていく中だからこそ、人材の安定定着化をにらんだコミュニケーション戦略が必須になるのは間違いありません。
( ALTURA.Inc マーケティング部門 鯨岡エーイチ)
弊社コーポレートサイトに、いよいよ私たちメンバーも掲載されてます!↓