病院・医療組織に潜む人事課題
こんにちは、クジラオカ(@anicoach)です。
皆さんが実感されているように、病院など医療機関において、常に常に人事課題が横たわってます。
「離職や定着」「生産性の低さ」「採用難から来る人員不足」・・
特にこのアフターコロナにおいては、職員の「ストレス過多」や「意欲低下」などは顕著ではないでしょうか。
人事部があるところでは、主に採用活動や労務管理、職員の健康管理等のマネジメント業務、院内の諸々の調整業務、さらには人材育成やキャリアサポート、職員のモチベーションアップをサポートすることが重要な役目となっています。
最近では、特に医師の「働き方改革」が話題であり、2024年4月に施行される医療法の改正事案には、医師の時間外労働の上限規制に向けた対応が盛り込まれますし、こちらも以前より、看護師のWLB(ワークライフ・バランス)が声高に言われています。
院内業務において、医療クラークや病棟クラークによるタスク・シフティングが急務となるでしょう。
これら、いわば医療組織に横たわる、長年に渡る課題をどう改善に繋げていくか。
これらはいわゆる「労務管理」ということになるでしょうが、それだけに留まらず、そこから本丸の「人材マネジメント」へ移行しなくてはなりません。
では、改めて、人材マネジメントは何によって構成されるのか?ですが、
であり、これらの要素が有機的に結びついています。
よくありがちな、「仕事をやってもやらなくても同じ」という不満感をなくすために、一つには、これらの要素を連携させた、人事評価の見える化と公平性の担保は外せません。
人事情報、管理情報、各種マニュアルは膨大であり、これらの管理は非常に煩雑な上に、効果的な利活用にまで至っているのか。
人事管理システムによる一元管理と、業務の効率化は、働く者にとっても悲願です。
まさに、評価を単なる評価として形骸化させないことと、人材配置や役割付与の適正化に結びつけることが大事になってくるでしょう。
さて、この変化著しい業界において、人事分野でも「アジャイル」(俊敏さ)という概念がよく言われています。
ルールと計画に基づく手法から、参加者のフィードバックに基づく簡潔で迅速な手法への移行です。
こと、チームという観点からは、以下のようなことが言われています。
これを実現させるためには、各々のコーチング能力、特に「フィードバック」が必要だと言われており、日々の現場の中で、同僚に対して意見をフィードバックすることによって、早めに課題に対処することができます。また、対同僚だけでなく、上長へのフィードバックも尊重されます。
現状では、多分に、そういったことはやったことがない、もしくはしずらい雰囲気や関係性であることが多く、そのようにフィードバックすることが「是」とされる風土作りが大事ですし、またそれを容易に集約できるよう、アプリ等のツール活用も検討すべきでしょう。
(参考・引用:ハーバードビジネスレビュー 2018年7月号 P.40~52)
目指すところは、離職率低下=エンゲージメント向上。
このように、評価を見える化し、報酬や育成に反映させる。単なる労務管理から、人材マネジメントへの移行。そのためにも、近年話題となっている、人事クラウドの活用など、積極的に検討すべき段階かもしれません。
なかなか一筋縄ではいかない課題ですが、これまでのやり方の踏襲や、タイム感では、手の付けようがなくなってくるのは明らかです。
ぜひ貴院での話題提起のきっかけになりましたら、幸いです。