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人は変えられないが変えられることもある

今日はある看護師のとてもモヤっとするツイートを見ました。
(全然知らない通りすがりの方のです)

高血糖で入院された方が、教育入院を経て退院された。
私、『入院はストレス溜まりますよね。退院したら何をしますか?』
Aさん『ペヤング好きなんですよ。大盛りペヤングを、まず食べます。』と、素敵な笑顔で言っていた。
あれ1000kcalあるけど… この人大丈夫か?と思った。

このnoteを読んでいるのが医療従事者の方なら、お聞きしたいのですが、このツイートどのように感じましたか?

このツイートにはたくさんの看護師からのリプがついていたのですが、どれもツイート主に共感するものだったんですよね。

要するに患者さん批判。

教育入院までしたのに、まさかのカップ焼きそば?と言う意図があるのだと思います。これだから糖尿病患者は、と…。

とても悲しくて、むかついて、絶望しました。

仮にも教育入院中だった患者さん、入院中にどんな指導していたのでしょう。

患者さんの行動や意識を変えられなかったのは、医療従事者の責任だと思うのです。

もちろん、全ての患者さんが指導通りに行動するわけではありません。

でも入院中で、外来のように流れていってしまう関係ではないので、深く交流できるわけですよ。

本当に一瞬でも、本気で病気をよくしようって思ってもらえるように関わっていたとしたら、患者さんが退院時にペヤング食べますって意気揚々と返答することはなかったかなぁ、と。

この方が退院してからの過ごし方が、今後の人生を大きく変えてしまう仕事をしているってことを、知っていて欲しいなぁと思います。

このような医療従事者の発言は本当によく聞くのですが、

それ実際、自分が知識のない患者さんの立場だとしたら、どうですか?って思います。

どんな食事をしたら糖尿病になるのか

どんな食事を食べたら糖尿病にならないのか

何を食べてよくて何を飲んだらよくて

その病気はいずれどうなるか

で、合併症が起きたらなんなのか

どうしたら痩せられるのか

お米だけ抜いたらよくなるんでしょう?

そうやって

何もわからないまま生きてきたから入院するほどまでになってしまったんですよ。

と言うことは

ひるがえって、そのような無知な患者さんを作り出してしまった医療従事者がわんさかいると言うことになる。

きっとその患者さんは、今までも残念な出会いしかなくて入院はチャンスだったのに、またもやその機会を失ってしまった。

本当に日々そんな繰り返し。

何年も通院してるのにどんどん糖尿病が悪化して

転院してきた時は…あーあ。と言う患者さんがどれだけいるか。

患者さん自身の努力ももちろん必要。

治療に向き合えない環境かもしれない。

でもきちんと、その患者さんにあった、食事や生活改善のためのアドバイスをすれば多くの人はちゃんとやってくれます。

だって病院に来てるんだから、良くなりたいんです。

本当に病気に向き合えないのだとしたら、病院になんて来ないし、そのまま野たれ死ますから。

だから、せっかく病院の門を叩いてくれたのだから、少しでも良い方向に導くのが医療従事者の役割だと思うのです。

本気で向き合って、生活変えた人、それで痩せた人。

血糖値が良くなって、薬を使わなくても良くなった人、そんな患者さんをごまんと知っています。

ただ、用意してあるパンフレット音読してるだけじゃ、人の気持ちなんて変えられません。

こちらが向き合えば向き合うほど、ちゃんと結果につながるんですから。

「人は変えられないけど、変えられることもある。」

そしてそれは、寿命を何年も何十年も延ばすことに繋がるし、健康で健やかな人生を送れるかもしれない。

失明もしなくて良いかもだし、透析しながら生きることも、足を切断することもなく楽しく生きられるかもしれない。

そう私は思っているし、経験から確信しています。

だから、Webライターの仕事や
こうしてnoteやブログで自分の仕事や医療について日々書いているし

どこの誰が目にするかわからない場所で綴っておくことで

困っている誰かに伝わるかもしれない。

文章はそういう力があると信じているので、今日もここに記しておきます。

しかも今の時代、直接会ったことなくたって、チャットや電話やzoomだけだって、有益なことはいくらでも伝えられるのです。


ここからは、今日お話ししたKさんと言う患者さんの良い話です。

糖尿病・脂質異常症・高血圧・高尿酸血症。
とバリバリの生活習慣病患者さん。
50代男性、BMI28、腹囲92cm。喫煙なし。家族歴父が糖尿病。

罹病2年で20kgほど太ってしまったとのこと。

通院中の病院で栄養指導を何回か受けたことはあるけれど、

難しいし、なんだかやる気にならずで、好きなものを飲み食いして生活していました。

どんどん薬も増え、HbAIc8%を超えたらインスリン療法と主治医から脅されていると。

それで私のところに依頼が入り、オンライン生活指導をしています。

それこそあった事もないし、主治医とも面識がない。

表面的な部分しか介入できないわけなのですが

指導を始めて2ヶ月で−5kg、HbAIc7.4→6.7まで改善。
LDLもTGも数値改善し、今日定期の受診で主治医に驚かれたそうです。

飲むもの・食べるもの、2ヶ月前とは全てが変わりしました。

歩く習慣もなかったのに、通勤時は車を使わず徒歩で行くようになり、仕事から帰ってきたら動画見ながら運動もしています。

処方された薬にあわせた水分の取り方も指導して、しっかり守っています。

指導開始時の目標はほぼ達成したのですが、まだちゃんと継続しているどころか嬉しい変化が次々と起こっています。

外食や中食時のメニューを選ぶコツや、ラーメン・カレー屋・トンカツランチ・飲み会などを断る技術を身につけ

ヒゲボーボー、髪の毛もボサボサのおじさんだったのに、今では髪もスッキリツーブロック笑

5kg痩せるとズボンもゆるゆる。

さらに、奥さまがずっと病気に無関心だったのに、今では毎日食事の準備をしてくれるようになり、急にお料理上手に。

夫婦仲まで良くなりました。

たった1例ですが、こんなことが実際に起こります。

すでに腎症が進んでる人でさえ、1年・2年透析が先延ばしになったとしたら、生命予後は格段の違いがありますから。

網膜症が進んでいるとしたら、それこそ血糖の落とし方にもコツがあります。

もう遅いとか、あの人には無理とか、自分は好きなもの食べて死ぬんだとか

そんなことは絶対ないです。

多くの病気には、自分の努力ではどうにもならないものがたくさんありますが、生活習慣病だけは、努力でどうにかなる事も多い。

いつからだって変われます。

いつにも増して暑苦しいnoteとなりましたが

最後までお読みいただいた方がいらっしゃいましたら

ありがとうございました。

ではまた。


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