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コミュニケーションの冗長化について考える

暖かい日が続く中でむかえた週末の金曜日で2月の最終日。私がエス・エー・エスに入社してちょうど1カ月が経ちました。

自社のエンジニアが「冗長化という考え方」というタイトルで書いたテックブログを見て、ついつい「冗長化」というワードに反応してしまいました。

なぜ「冗長化」に反応したのか

私の会社員人生の最初のキャリアはシステムエンジニアでした。しかもSE人生の大半を銀行システムの運用管理領域に身をおき、日々24時間365日稼働に向き合ってきました。

※ちなみに24h/365dの運用部隊にいたわけではなく、24時間365日稼働させるための仕組みを作るのが私の仕事でした。

高可用性(High Availability)について勉強して共同でユーザー論文を書いたことが実はあります。もうほとんど忘れてしまいましたが笑。

ちなみにシステムの冗長化とは、簡単に言えばシステムの一部に障害が発生しても全体としては機能し続けられるような構成のことです。詳しくは弊社のテックブログをご覧ください。

コミュニケーションにおける「冗長化」とは

今の私が「冗長化」と組み合わせるワードは何だろうかと考えたとき、真っ先に思いついたのが「コミュニケーション」でした。

一般的に「コミュニケーションが冗長」というと、話に無駄が多いという意味でとてもネガティブな表現です。特にビジネス会話では「結論から」「ロジカルに」といった効率性が重視され、冗長さは嫌われる傾向にあります。

一方で、プライベートでロジカルに話を進めると嫌な人に思われることもあります。好きな人とのデートでロジカルに話を進めたら次のデートはないかもしれません。ましてや家で「おい、メシ」「おい、風呂」なんて言ったものなら...あとは想像にお任せします。

冗長コミュニケーションの新たな価値

「ビジネス会話では冗長は嫌われる」と言いましたが、最近は実はそうではないと感じています。在宅勤務やテレワークが進んだからという見方もありますがそれだけではないような気がします。

VUCAと表現される時代において様々な面で多様性が進んだことにより、人々の信頼関係や協力関係に変化が起きているのだと感じています。成功循環モデルでも「関係の質」が大事といわれるように「関係性」の時代になっているのです。

関係性を大事にするコミュニケーションにおいてはその冗長さは必ずしも無駄ではなくなっているのではないでしょうか。むしろその逆で、一見無駄に見えるようなストーリーが誰かの共感を生み、心を動かしていく。そんなコミュニケーションがビジネス会話においても心地良いと感じられるのではないかと思います。

人もシステムも冗長化は大事

システムが冗長構成を組むのは可用性のためであり、いかにしてシステムを稼働し続けるかということです。コミュニケーションの冗長化もまた、人(の心)を動かし続けるために必要なものです。

一見異なる分野の概念ですが、意外にも意味合いが似ています。システムの冗長化がシステムの安定稼働を支えるように、コミュニケーションの冗長化はお互いの関係性を支えるものになるのかもしれません。

多様性が進み、関係性が重視される現代社会において、コミュニケーションの冗長化は単なる無駄ではなく、人と人とをつなぐ大切な要素だということなのかもしれません。

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