友の会会員が選ぶ「今年の3冊」DAY.6
Masami Sakurai選:間違いなく今年読んだ本
あまりにも目まぐるしく時が経っていってしまっていて、今年読んだ本だか去年読んだ本だかよく分からなくなってしまっていました。
なので、来年は何かの方法で自分の読んだ本の履歴を残さないといけないなと実感いたしました。
さて、多分今年、いや間違いなく今年読んだ本だと思える3冊を選んでみました。
①ヒグチユウコ『いらないねこ』(白泉社)
まずはヒグチユウコさんの絵本『いらないねこ』です。以前から奇妙なタッチなのに可愛らしさのある絵が気になってはいましたが、ちゃんと読んだのは初めてでした。シリーズの2作目らしいのですが、私はこの本が一番好きです。絵や内容が可愛いらしいだけでなく哲学的でもあるのです。ちょっぴりウルっとくる所もあり是非オススメです。
②吉田修一『国宝』(朝日新聞社)
次に吉田修一さんの「国宝」ですが、恥ずかしながら初めて彼の作品を読ませていただきました。とにかく一気に読めました。何となくドロドロした物語のようだった先入観を良い意味で裏切ってくれました。主人公やそれを取り巻く様々な人達の芸に対する一心不乱とも言える生き様、圧巻です。読後は爽快感すら覚えました。
③宮本輝『流転の海』(新潮社)
最後に宮本輝さんの『流転の海』シリーズです。オススメしている割には、八部のうちの三部しか読み終わっていませんが絶対今年中に読み終えるつもりですのでお許しください。宮本輝さんの作品は長編が多いのですが、こちらもご多聞に漏れずその部類の筆頭とも言える作品です。読み進むうちに主人公の家族の一員になってしまったかのような錯覚に陥ってしまいます。一気にも読めますし、間が空いても読み始めるとすぐにその世界に入り込める不思議な作品です。主人公を始め、登場人物の思考や言葉を借りて人生や処世術、人間の存在意味など様々な事を読者に語りかけている気がします。読後の感想はまだ書けませんが、いずれ機会があればお話し出来たらと思っています。
取り留めもなく、ダラダラと書いてしまいましたが、もし気になる作品があれば是非来年にでもお読みいただけると拙い文章を恥ずかしげもなく書いた甲斐があるかもしれず、嬉しく思います。
【記事を書いた人】Masami Sakurai
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