鏑木清方:作「金色夜叉の絵看板」(明治38年:1905、鎌倉市鏑木清方記念美術館)−第23回秘蔵の名品アートコレクション展作品鑑賞レポート−
《こちらの作品画像も、所蔵先のHPを確認すると作品検索や詳細情報が掲載されておらず、また個人ブログの画像もチェックすると色褪せ(黄色)が確認できるので、後日図録から写真を撮りアップしたい》
自身は小説を読まなくなってもう10年以上経ち、どういった内容なのか知らないが、画像を見る限り、男性はどうやら女性を悲しませているようだ。
この構図、何か昭和のドラマでよくあるパターンではないかと思うとまさかこの絵が元祖ではないかと思うと何か親近感がわく。しかも背景は海辺である。図録で最近撮られた写真は非常に明るい著色である。
男性の構図は今では受け入れられないだろうが、「男は頑固であるべきだ」という感じ、女性の構図はこちらもそうだろうが、「いつも悲しい思いをするのは」といった感じが見受けられる。もちろん物語だし、当時の時代背景を考えると当然と見る動きもある。しかし、男性も女性を見向きもせず遠くを見つめる様は、何を考えているのだろうか。女性も男性に何を思っているのだろうか。女性を犠牲にしてまでという感じは今の時代には合わないが、そういう一面があったことを知るには、また物語を知るきっかけとしてとしては興味深いが、佳人礼賛というテーマにしては少し悲しい二人の姿である。