『希光』
誰もいない、夜のコインランドリー。静かだ。
さて、とっとと済ますか。扉を開けて、閉めた。
マジか、、これはどうしよう。ーバタンっ!
店の扉が開く。「男の子、見ませんでしたか?」
「いや、知らないっすね」再度、扉を開けて
洗濯物を投げ入れる。この子が見えないように。
「くそ、どこ行ったんだよ」去って行く男女。
「あれ、パパとママ」痣の多い顔が笑いかける。
「よく逃げてきたな。お前は自分を守ったんだ。
偉いよ。好きなだけ泣け。夜は長いからな」
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