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【元公務員の体験】公務員を辞める前に知っておきたい3つの注意点—スムーズな退職とその後のキャリアのために
「公務員を辞めたい…でも、退職後の生活や手続きが不安。」そんな悩みはありませんか?退職には知らないと損をするポイントが多数あります。
本記事では、実際に20年程務めた公務員を辞めた経験から、スムーズな退職と新たな人生設計のための注意点を解説します。
1.退職手続きの流れと注意点
退職願・退職届の提出タイミング
就業規則等で、定められている場合があると思いますので、事前に確認が必要です。
民法的には14日前に伝える形でもいいようですが、少なくとも1か月前、引継ぎ・有休消化を考えると、2カ月前には上司へお伝えしておいた方がいいかなと思います。
また、昨今は目標管理制度の導入や、異動希望について、年度末3~4カ月前に上司と面談がある役所も多いのではないでしょうか?
私の場合、そういった面談の場で上司に退職を考えていることを打ち明けました。時期でいうと、11月頃でした(翌3末で退職しました。)
大変忙しい時期にお伝えして申し訳なかったのですが…、今後の異動希望について確認がある面談だったので、「ここで相談しておかないと何か変になるな。」と思い、相談しました。
そこからは、直属の上司、さらにその上の上司、、さらにさらにその上の上司との面談を計4回重ね、退職する運びとなりました。
ちなみにこの面談では基本的に引き留められます。また、理由も問われるので、しっかりと「こういうことがしたい。」という方は問題ないと思いますが、そうでない方は、少し覚悟が必要かもです…。
なお、11月末から12月にかけて、管理職は部下の退職の意向を確認する必要があります。基本的には、さらっと確認して終わりという感じなのですが、私みたいな人間がいたら大変ですね…。
数回の面談を経て、12月末に下記3点を提出しました。
・退職願
・退職手当の受給に関する届
・退職所得の受給に関する申告書
退職手当の受給に関する届では、引き続き他の公務員として働くのかを「退職手当の通算期間」の観点から確認するようになります。
退職所得の受給に関する申告書は、兼退職所得申告書にもなっていて、職場でその後の手続きに必要なものとなります。
その後、2月頃に案内が来て、正式に、「退職届書」を提出しました。
この前後では、退職後の健康保険について、任意継続を選ぶか、国民健康保険に入るのか等の案内についてもいただきました。
恐らく上記(前年11月に面談で伝え、12月に確定の意思を伝える。1月から具体的な手続きに入り、2月に手続き終了。)が年度末退職のスムーズな流れかと思います。
本来であれば、有休が30数日残っていたので、後は3末まで有休消化というのがよかったのでしょうが…、公務員として3末の異動で、4月からメンバーの3分の1ほどが入れ替わる状況で、引継ぎ先が決まっていないままで有休に入るのは厳しいかなと思い、3末まで駆け抜けてしまいました。
ただ、せっかくスムーズな流れで手続き勧められたので、権利として、有給取得してゆっくりできていればよかったと思います。
特に今、新しい職場で体調崩してしまってますが、うまく前職との切り替えができていない要素も多分に影響しているのではないかと感じています。
2.退職金の計算方法と受け取りまでの流れについて
さて、みなさん退職金は一体いくらくらいなのか気になりませんか?
退職し、しばらくゆっくりする、すぐに転職する、起業する、学びなおしで大学に等、いろいろな選択肢がありますが、現実的に「お金」は大事ですよね。
実際に地方公務員18年間働いていた私の、ざっくりとした退職金は次のとおりです。
退職金の計算式(基本)
地方公務員の退職金は、「退職手当支給条例」 に基づいて計算されます。一般的な計算式は以下の通りです。
【基本計算式】
退職金 = 退職時の給料月額 × 勤続年数に応じた支給率 × 調整係数
各項目の詳細
① 退職時の給料月額
・退職直前の「基本給(月額)」が適用されます。(諸手当は含まれません)号給や昇給の影響を受けるため、退職時の給与を確認しておくことが重要です。
② 勤続年数に応じた支給率
勤続年数に応じた「支給率」が条例で定められています。
ある政令指定都市の場合、おおよそ以下のような支給率が適用されます。
(※目安)
勤続年数 支給率
10年未満 約6.5~7.5
15年 約17.0
18年 約22.0
20年 約25.0
25年 約32.0
30年 約39.0
※ 条例や制度改定によって変動する可能性があります。なお、自己都合退職の場合は、概ね0.7倍に下がります。以下、支給率の参考です。
退職手当支給率早見表
③ 調整係数(財政状況や制度改正の影響。役職加算)
・過去に退職金の削減措置が実施されたことがあり、退職時の状況によって変動する可能性があります。なお、「早期退職優遇措置」が適用される場合、加算されることもあります。
・また、係長等の役職期間に応じて、区分調整額がありました。
2. 実際の退職金シミュレーション(18年勤務)
仮に、退職時の給料月額が34万円 だった場合の試算をしてみます。
試算例
退職時の給料月額:34万円
勤続18年の支給率:15.29…
退職金 = 34万円 × 15.29 =≒520万
調整額≒100万(直近5年間の役職に応じて加算。私の場合は係長級5年)
合計:620万
※ 上記は概算であり、実際の額面は異なる可能性があります。
退職金にかかる税金(控除と課税額)
退職金には「退職所得控除」が適用され、控除後の金額に対して課税されます。
退職所得控除の計算方法
勤続20年以下の場合
40万円 × 勤続年数(最高800万円)
勤続18年の場合
40万円 × 18年 = 720万円(控除額)
退職金が620万円で控除額が720万円なので、課税対象は ゼロ になり、所得税は発生しませんでした。
政令市の地方公務員が18年勤務すると、約600万円前後の退職金 が見込まれます。退職所得控除(720万円)のおかげで、税金はかからない可能性が高いです。
※ 実際の金額は条例改定や調整係数の影響を受けるため、退職前に人事課や共済組合で詳細を確認することが重要なので、あしからず。
なお、3末に辞めて、4月中旬に振り込まれました。
3.退職後のキャリアの選択肢
無事に退職できたとして、実はその後が大変です。次のような選択肢があると思います。
民間企業への転職(公務員経験を活かせる職種や業界)
フリーランス・起業(公務員時代のスキルを活かす方法)
再就職支援制度の活用(自治体や民間のサポート)
私の場合、正直、表向きは積極的に別のやりたいことをという感じでしたが、あくまでイメージで話していただけで、どちらかというと役職があがることの不安が大きかったです。
周囲には「頑張ってね」と言われ、うれしかった半面申し訳なさも大きかったです。
私の場合、結論(退職)ありきで、別の自治体等の受検をするなど、約1年間様々な活動をしました。
結果的には、年明け1月から、転職サイトでめぼしい企業を選び、とんとん拍子に進み、3月初旬に内定をいただけました。
その途中にキャリアコンサルタント養成講座に通ったこともあり、「自己理解」が進んでおらず、将来どうしたいのか、自分の価値観は何なのかという要素を書きながら転職活動していたことを反省しています。
今回の記事の構成上、①⇒③の流れにしましたが、もし退職・転職するにあたっては、将来どうしたいのかという事を考えてから動いた方がいいと思います。
その時に、失敗した点として、誰かに相談することです。
言いやすければ家族や同僚、難しければ転職エージェントやキャリアカウンセラー等外部の専門職へ相談し、客観視してもらう方がいいと思います。
結果的に、転職後、適応障害を発症してしまいました。
所謂ブラック企業でもないですし、自身の興味のある分野だったにもかかわらず、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、業務内容のミスマッチがあったかもしれません。
今は休養しつつ、改めて振り返りをさせていただいておりますが、皆さまも慎重に動く部分は慎重にいきましょう。
最後に
何か、辞めて後悔しているような記事になっていますが、そんなことはございません。
ただ、辞めるときに色々と考えれていなかった点、退職の時に有休等で切り替えしておいた方がより良かったなという点を振り返れてよかったです。
まだまだ先は続きますし、自身の体調含めどうなっていくか分かりませんが…、皆様の何か参考になれば幸いです。
乱文乱筆ですいません。
また、重ねてになりますが、退職金の部分は条例や規則、ご自身で最新情報等確認をお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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