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感覚統合の臨界期と発達ピラミッド

 皆さんは、子どもの発達における臨界期という言葉をご存じでしょうか? 乳幼児期に脳は急激に発達し、脳の場所ごとに順番に発達していくため、そのぞれの脳の場所に応じた能力を獲得し易い時期、臨界期を理解できれば、どの時期にどのような幼児教育活動を行うと効果的かが分かりますので、この臨界期がとても大切だと思います。
 感覚統合では、この臨界期が2歳から7歳までの幼児期にあたるので、この時期に、感覚統合に役立つ活動や体験を沢山する必要があります。
感覚統合の考え方は、5感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)と、意識されない感覚である固有覚(力を使う感覚)と前庭感(動く感覚)を合わせた感覚情報により、自分を取り巻く状況を把握し、適切な行動をとることができるというものです。感覚統合については、下記の参考記事&動画に詳しく書かれていますので、ご興味がある方は、ご確認ください。
 感覚統合療法という言葉があるように、この感覚統合は、学習障害の子どもの改善のために紹介されることが多いです。しかし、臨界期となる幼児期に感覚統合を進めることは、どのお子さんに対しても当てはまることですし、感覚統合のために多様な運動や活動が十分に必要であることも、子どもたちみんなに言えることだと思います。
 感覚統合で、特に注目したいのは、下の図感覚統合の発達ピラミッドで示されるように、感覚統合が、次の発達段階、さらに先の発達段階の土台となり、最終的な学習や情緒、集中力の発達に繋がっていると考えられていることです。そのため、将来の能力獲得のためには、幼児期の感覚、感覚統合をしっかりできるように、子どもたちに提供する環境や活動を考えていきたいと思います。

感覚統合の発達ピラミッド(各種資料より作成)

参考記事
1.LITALICO発達ナビ:学習や行動のつまずき、「感覚統合」の視点がヒントになるかも――基礎から家庭でできることまで、保護者に贈る入門書『感覚統合の発達と支援』
2.視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚:感覚統合とは?基本からわかりやすく解説!
3.子どもの発達支援における感覚統合療法:理解と実践

参考動画
・日本感覚統合学会 学んで欲しいこと


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