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本来なら人間は今のように働く必要は無かったのかも知れない。

「働かざるもの食うべからず」という言葉があるが、これは本当だろうか。

 そして本当の意味で使っているのだろうか。

 縄文時代の共生文化においては、もっと緩やかな働き方、自然体の働き方であったのではと想像したこともあり、そんな疑問が湧いたので考えてみた。

 昔、経済の調べ物をしていて「一年間に地球に入射する太陽エネルギーを経済価値換算すると、全人類がまったく働く必要がないばかりか、80万円相当の収入があることになる。」という記事を何かの本で読んだ。

 もう30年以上も前の事で、記憶は曖昧だが「そうなんだ」と感心したことを覚えている。

 今は経済的な二極化が進んでいると言われている。ニュースなどを見ても確かにそう感じる。過労死とか、若い男性の低所得化から未婚率が上がっているなども聞き及ぶ。

 これらのことを合わせて考えと、何か辻褄の合わない事が見えてくる。

 本来なら人間は分かち合いにより過酷な労働からは解放されて、調和と共生の社会という全体としての豊かを享受していても良いはずなのだ。

 なんといっても大昔から人間は働いており、その蓄積は膨大である。むろん時代にあわなくなり淘汰されていくものも当然ある。

 街並みも変わっていくだろう。創造のための破壊も必要な時もあったかもしれない。

 それでも、本来人間が働くのは自分自身も含めた人々や民族、人類の幸せに向かうところにあったはずだ。

 しかし現実はそうはなっていないように見える。

 他民族は別にして、日本においては歴史を見ても時に争いはあったにせよ、平和な時代には今ほど時間に追われるような、不寛容な働き方であったとは思えない。

 "幸せな暮らし"をするための労力はずっと少なくてすんだと思われる。

 現代になって状況は悪化しているように見える。

 働く必要のある人々が怠惰に働かず、働き過ぎの人々が未来の不安の中で生きているといったアンバランスはどこから生まれたのか。

 我々はいったい誰の為に働いているのだろうか。

 日本人の文化的労働観からは、周囲のために、全体のために働くことが美徳とされてきた。そして全体からは働く個人に対して十分な見返りを与えられてきた。

 インフラもそうだし、福祉もそうだ。日本はこれまで恵まれてきたと言える。

 そして現代になり人口は増え、世界は狭くなった。そしてどこの国も「国際社会」というネットワークに組み込まれ、自由を失ってしまったように見える。

 しかも、世界の問題は増える一方で解決の糸口すら見えない状況だ。その中で世界と足並みを揃えるように日本の状況も混迷を深めている。

 これほどテクノロジーが進歩し、コミュニケーションのツールが整い、人間は賢くなったはずなのに、「働かざる者食うべからず」は払拭できていない。

 働かないことを勧めているのではない。

 日本人の「全体」のために労働をもって貢献する、という価値観は素晴らしいと思っている。

 世界にも同じような肯定的労働観を持つ民族は多々あるはずだ。

 それらの人々の全体に貢献したい、という善意が悪用され欺瞞とともに浪費されることを危惧しているのだ。

 労働を否定しているのではなく「何のために働いているのか」を見極める必要がある、と言いたいのだ。

 本来なら、時間の経過とともに人類は豊かになっていける「膨大なエネルギーの恩恵」に預かっているのに、分配が機能していないのだ。

 すでに世界の諸問題を解決し、本当の意味での永続的な資源の再分配を実現できる能力を人類は獲得しているにも関わらず、それが機能していないのは「変だと思わないか?」と尋ねているのだ。

 この問いにしっかり向き合わないまま、ベーシックインカムなどに進むことには一抹の不安がある。

 我々の労働は、本当に「全体」の幸福に寄与しているのであろうか?人類の進歩と調和に寄与しているのであろうか?

 それとも人類を欺き、極少数の人々が洗脳により大多数を支配する計画が存在すると言われている陰謀論は本当のことなのであろうか。

 状況証拠は何を物語っているのであろうか。

 ちなみに最初の「働かざるもの食うべからず。」だが日本発祥ではなかった。この言葉の起源は新約聖書らしい、日本にもたらされたのは明治時代とのこと。

 日本の勤労観が大きく変わったのも江戸時代後期で上記と重なるところがある。

 みなさんも考えてみてほしい。

 ずいぶん昔に出版された本だが、そこに書かれていることはその後の多くの論者の意識に影響を与えた。↓↓↓

呪縛された日本 空不動

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