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プログラミングの勉強をしているの。

「私、完全にあなたのこと誤解してた。ハッカーとか、ひろゆきとか、何というか一部のギーク達のものだと思っていたの。
でも、あなた今や義務教育にまで入り込んでいるんですってね」

 アンティーク調に揃えられた部屋によく馴染む、1人掛けのベルベットチェア。つややかなスリップドレスを着た私は、そこに膝を抱えるようにして座っていた。

 プロ・グラミング氏はパーマのかかった長めの髪を後ろで雑に束ね、バスローブを着てベッドに腰掛けている。後れ毛がセクシーな横顔だ。サイドテーブルにあった灰皿でタバコを揉み消しながら言った。
「そうなんだ。いきなりの人気者で参ってるよ」

はなやぎ市子 ファンタジィ日記

 何だかよくわからないものがすぐそこにまで迫ってきたので勉強し始めました。プログラミング。

 悠長なことを言うようですが、このまま分からないでも何となく逃げ切れる世代なのかもしれないとは思っています。
 しかし私は転職しがちな人ですので、こういった技術や知識は身につけておくといいかもしれないと常々考えておりました。

 そこに偶然、学校に通える環境が舞い込んできましたので、少し税理士の勉強をお休みしてプログラミングを学んでいるのです。

「フレミング氏!」
ノックもせずにゼイリ氏が突然部屋に飛び込んできた。

「あら、そんなに慌ててどうしたのゼイリさん。それに彼はフレミングじゃないわ。グラミングさんよ」
ゼイリ氏が何を言いに来たのか私は何となく予想がついていたが、さも疑問だという様子を装って声をかけた。

「きみ、君も居たのか、ちょうど良い。
グラミング氏、どうか私の領域に入ってこないでくれ。あらゆる人たちが仕事を奪われると言って戦々恐々としていることにお気づきか」

はなやぎ市子 ファンタジィ日記

 ところで経理や税理士というのは、テクノロジーの進歩によって無くなる仕事ランキング上位の常連でありまして、ITを勉強することが、ゆくゆくは自分の仕事をなくす事に繋がっている可能性は否めません。

 しかしまあそれが世の流れであればそれでもいいという考えです。
 業務の中にも無くなる部分と無くならない部分があるだろう事は予想がつきますし、また先生方は勉強の習慣を身につけている人達ですから、たとえ仕事の大半がAIに取って代わられたとしても新しい分野に進んでいくことができるでしょう。

 だからITに任せられることは任せて、残業を減らしてバイオハザードでもやればいいじゃない。

バイオハザードのお話↓

「俺は、アンタ達の仕事を楽にするテクノロジーを使いこなすために居るんだ。別に仕事を奪おうってんじゃない。
だからアンタ達は恐れるんじゃなく、俺を上手く利用する方法を考えるべきなんだ。
俺はシャワーを浴びてくるから、あとは2人で話し合ってくれ」

じゃあ、な!
グラミング氏は敬礼のように左手をこめかみの辺りに当て、そこから宙に向かって手を振り上げてウインクしながら扉の奥に消えていった。

 一瞬のことであったが、私はその振り上げた左手がフレミングの法則を示していたことを見逃しはしなかった。まったく、チャーミングな人ね。

「あなた達、案外上手くやれると思うわ。私そのために今は彼のことをもっと知る必要があると思っているの。
 彼の力を借りれば、あなたは単純作業や雑務をテクノロジーに任せて、よりクリエイティブな仕事に集中できるもの」

はなやぎ市子 ファンタジィ日記

 プログラミングとはコンピューターに何かをお願いをするための言語です。まだ勉強を始めて数ヶ月ですが、Javaを中心に興味を持って取り組んでいます。

 私の印象としては、Javaというのは英語と算数とパズルゲームを合わせたようなことばです。正しい文法でお願いをすれば、コンピューターは素早く正確な仕事をしてくれます。

 プログラムの基本は順次処理・条件分岐・繰り返しの3つであり、これを押さえればどんなプログラムでも書けると言われます。基本を押さえることは、難しいことではありません。

 ですが、同じ動きをするプログラムでも書き方は様々であり、良いプログラムというものはとても分かりやすく簡潔に書かれているものです。

 ですから、以降はひたすら簡潔に書くための練習と言えるのではないでしょうか。勉強していくと、なるほど、と感心してしまうような方法が沢山でてきます。

 前々から役に立ちそうだと思っていたことに触れるチャンスがあり、しかもそれが自分にとって興味深く面白いと思えるものであったことは幸いでした。

 そうでなくても、コンピューターにどんなことをどのようにお願いすれば良いのか、またそれ以上に、何が出来ないのかを知っておくことはとても役立つように思います。少なくとも、それらと共に生活する時代を生きているのですから。

※このお話はファンタジィ日記部分のみフィクションとなっております

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