【ロマンス・和風ファンタジー小説(オマージュ)】あなただけを見つめている……。 第一部 クロスロード 第十三話 戻り始めた生活
前話
「麻衣子、おはよう」
步夢は親友の麻衣子に声をかけた。麻衣子はすぐ近寄る。
「大丈夫? 智也さんが亡くなったって聞いたけど……」
この麻衣子も前世がらみと言えばそうだが、記憶がないのでそのままにしてある。別人として親友になった。
「大丈夫。直前で優衣に乗り換えられたから、失恋したばかりよ」
「え」
生きる死ぬの話から失恋とは……。麻衣子は頭を抱える。
「どういうこと?」
「むー!」
先に登校していた、步夢を見つけて当騎がやってきた。
「この人が次の婚約者。お母さんには報告できないけどね」
「まぁ。步夢。かわいそうに……」
「大丈夫よ。お母さんの代理の内はしっかりしてるから」
「むー? この子は?」
「私の親友の麻衣子ちゃん。乙女な子よ。私と違ってね」
「十分乙女だよ」
二人でいちゃいちゃしていると麻衣子の顔色が変わった。
「この人、步夢と数学の対決した人じゃないの。一目惚れ?」
「あら。あの大会の放送を見てくれてたの? 一目惚れじゃないわよ。想定内の相手よ。吉野の婿養子になると言って勘当された息子」
「勘当って……」
そのとき、始業のチャイムが鳴り始める。麻衣子と步夢は一斉にダッシュしだした。当騎はこれから校長室に顔を出さないといけない。しかたなく別方向へ歩き始めた当騎だった。
*
「明日は大学か?」
麻衣子と優衣、当騎と集まって、買い食いしながら帰り道を帰る。
「そうだけど?」
「理数?」
「ううん。東洋史」
事もなげに言う步夢に当騎は絶句する。
「東洋史に数学いるのか?」
「測量にはね」
「測量? シルクロードか?」
「あたり。夏期休暇には現地で発掘よ」
ニコニコの步夢に鼻の下がのびる当騎である。
「本当に想定なのね」
「ええ。この組み合わせが正式ですわ」
「へぇ~。いろいろあるのね」
「はい。いろいろと」
麻衣子と優衣も仲がいい。優衣も中三のはずだが高校一年生へと飛び級している。步夢と同時に飛んだようだ。
「あ。ししょー!!」
お出迎えのししょーと日史に駆けていく步夢である。
「あれも想定内?」
「ある意味ではね。では、麻衣子。今日はこれで……」
「うん。私の道はこっちだからね。ばいばいー。步夢ー」
「マイちゃん、ばいばいー」
步夢が手を大きく振る。
「ししょー。お菓子を作ってー」
「もう。作りましたよ。食べながらペンダントをお見せします」
「ししょー。心臓強いわね。あれをお菓子と?」
「陛下こそそんなに怖がらなくとも……」
「あなたはあの石の力のすごさを知らないから……」
ぼそっと步夢がつぶやく。
「むー?」
「当騎。ちーちゃんにお菓子買っていこう」
「子犬にはお菓子はダメなんだ」
「えー。かわいそう」
「ミルクやれ。ミルク」
「はぁい」
「表面がよすぎる」
ぽこん、と拳がおちる。
「脳細胞が死ぬー」
「それぐらいでその頭は壊れん」
「あ。吉野だ。吉野ー」
玄関口で待っている吉野を見つけるとまた駆けていく。途中で振り返ると步夢は当騎に、いーっと口を横にひっぱるとまた吉野の方に行く。
「相変わらず、子供なんだからな」
「そういう当騎も子供ですわ。独占欲がメラメラでですわよ」
「わかるか?」
「ええ。ものすごく」
「同じクラスに行きたいと言ったが財閥の娘と息子が一緒だと担任の気が持たないと他にふられた」
「なるほど。その裏返しなんですのね。そろそろ母様にも目覚めて頂かないと行けませんから、姉様も真面目にしますわよ」
「だと。いいけどな」
そう言って当騎も吉野家の敷居をまたいだ。
あとがき
いろいろ前世がらみが含まれています。筆者がミーハーだったため、一つの作品の二次にあれもこれも詰め込んだ夢の二次だったもんで、ちょいでの前世からみのキャラが山ほどでます。袖振り合うも多生の縁ということで。主なメンバーは二次の中でああだこうだした仲間だけなんですけど。オリジナルキャラも投入していますしね。別の小説の主人公として描いたカップルとか。これ、関わるんですが、どうしようと思ってます。シーズン6が途中で終わってるのでこれが終わらないと7の原因にならないのに飛んでいってとんでもない二部までできています。異世界に行くのが遠のいて。必ず行くのは行くのですが、それはもっと先になりそうです。三部で行きたい。二十話で終わりたい。昨日は欠勤してるのに眠らず、えんえんと書いて、今日はその後をつなげて終わると、ネタ切れでした。どう、伏線回収するか悩んでます。あーちゃんのところとか。ふたりあーちゃんがいるため、聖獣のあーちゃんと保育園児の綾音のあーちゃん。ややこしい。聖獣のあーちゃんを描ききってないので困ってます。どこでご紹介したら……と悩んでます。次の話で子猫子犬ほのぼのを繰り広げるのか。赤児がいるため可能ではあるのですが、オマージュからかなり離れることとなり、いや、脱線したらあかんでしょという状況です。第二部の十話まで終わり、あと十話でなんとかします。毎日書いててオマージュなんですが、当時の入れ込み方と少し違うので推しというところがあやふや。推しはもちろん当騎君のモデルとなった方ですが。步夢はなぜかあゆという音が延々と続いています。でも呼び方が変わる。他に二次専用オリジナルキャラもわんさかいて、これ、ほんとにオマージュでしょうか。でも、キャラ名使うわけにも行かず、他のキャラつかったらモロわかり。わからないようにしてます。でもわかってる方も居るようで。なんとなくこの方はもしや……と自らの低レベルな作品にびびってます。でも書くんですね。三行日記書き始めたら楽になって作った夏用のエッセイの勉強ができない。なんか明日ネタ拾ってきます。今日は明日公休ということもあり、夜更かしできますが、早く寝たいのでいつお風呂? です。野球見ながらエッセイの勉強書ければ……。ああ。コリのご飯の時間です。ではここまで読んでくださってありがとうございました。
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