【連載小説】ファンタジー恋愛小説:風響の守護者と見習い賢者の妹 第六話 「竜巻の雲の国」王家簒奪
前話
ユレーネは窓からこぼれる朝日で目を覚ました。昨夜、触れ合った肌がまだ熱い。ユレーネは結婚式以来ずっとレオポルトの腕の中で目を覚ます。いつもレオポルトが見ていた。頭をレオポルトの方に向けるとやっぱり目を覚ましていた。
「おはよう。ユレーネ」
「おはよう。レオ」
そう言っては熱いキスを交わす。待ちに待っていたこの朝を取りこぼさないようにユレーネは大事にしていた。
唇を離してレオポルトが言う。
「今日も綺麗だ。愛してる。ユレーネ」
「私もよ。レオ。愛してる」
夜に逆戻りしそうになってはっとする二人である。
「朝議に遅れるわ!」
ユレーネは飛び起きると服を着る。レオポルトもすでに着替えている。
「朝議なんていらんのに」
ブツブツ言うレオポルトにユレーネが引っ張る。
「国王と女王がいなきゃ、話にならないでしょ」
そうしていつものことながら朝議に出ようとすると誰かが走ってくる気配がした。
「火急の連絡にございます。『竜巻の雲の国』でゼフィリス王から王権を簒奪されました。ゼフィリス王の無事は確認されておりません!」
「ただちに朝議を行う。皆を集めよ」
扉を開けてレオポルトが言う。先日の結婚式にも来ていたはずだ。
「レオ……」
ユレーネが心配そうに手をかける。
「大丈夫だ。あの少年王は賢い王と聞いている。生きているさ。さぁ。ニコ達と話を詰めよう」
「ええ」
二人はいつも朝議を行う、部屋へと急いだ。
いつもと違って今朝の朝議はざわざわしていた。もう「竜巻の雲の国」、世間では風の国と呼ばれるその国に起こった事件が伝わっていたのだろう。カールが表情を硬くして近づく。
「どうする。カール。今更、援軍を出してもゼフィリス殿がいなければ意味がない」
「その件でアイシャードが来ています。内密にお会いしたいとのこと」
そっと耳元でカールが言う。ユレーネが心配げにレオポルトの側にいる。
「女王もお会いください。お二人に用があるとのことです」
「カール。朝議のとりまとめは任せる。で、リリアーナの爺ちゃんは?」
わざとアイシャードの名前を出さない。爺ちゃんと言われてアイシャードと思うのは身内だけだ。
「食卓にてお待ちです」
「相変わらず、食欲旺盛だな」
にやっと面白げに笑ってユレーネの手を取る。そして言う。
「これはメンバー全員招集かもしれないぞ」
「全員?」
「カール以外の、な」
そういえばいつもいるニコがいない。ローレライと明日式を行うはずの。式の準備でいないのかと思っていたが、どうもニコもローレライもアイシャードに呼ばれたようだ。そんな気がする。私的空間に食卓はある。朝議の間から出て二人で急ぐ。
リリアーナはこの国に残るのだろうか。学ぶ時間を奪うわけにはいかない。だが、一人にさせるのは嫌だった。
「大丈夫。俺達の妹だ。ダメだと言っても来るぞ。もう急襲してるはずだ。ほら。言い争ってる」
いつも朝食を取る部屋からリリアーナのきんきん声が聞こえてくる。なんだかほっとするユレーネだ。まだリリアーナは十三才。多感な時だ。周りがアイシャードだけでは女の子の問題が解決出来ない。自分には母がいたが、リリアーナには氷の国の王妃と自分しかいないのだ。だが、氷の国は遠い。リリアーナは、現在、この宮殿に住み、レオポルトからイーカムを借りてアイシャードの元へ通っている。急ぎの用では母は役に立てない。ユレーネは姉と言うより母という心境だった。結婚して何かが変わったのだろうか。不思議にユレーネは思う。
「アイシャード。ついにここに出没したか。やぁ。ニコ、ローレライおはよう。大変な前日になったな」
「レオ。式は延期する。それより風の国の打ち合わせをしよう」
「ちょっと。ローレライにお預けさせるの? 式は強行するわよ。その後で段取りを組めば良いわ」
ユレーネが言う。そこへリリアーナが言いつける。
「お爺ちゃんが旅をするのはだめ、っていうの。なんとかして。お兄ちゃん。お姉ちゃん!」
「旅?」
レオポルトとユレーネは顔を見合わせた。平和な日々が一転して、新たな冒険が始まろうとしていた。
あとがき
今日は休日、やはり、薬が効いているようです。朝、三時に起き、それから二度寝するとやはり起きた後が眠い。それを払拭すべく更新作業です。
今日は勉強にいそしむと良いとめざましテレビの占いで言ってました。
執筆は途中で止まっていて、今日は漢検を進めると良さそうです。
「魔法の遺産~運命の紡ぎ手~」なんですが、亡くなった国王がキーパーソンとして出てきました。これの話を終わらないと旅に出られない。予言めいたことを書いてる本をまた作ってしまったので。
でも。昨日、シャーペンを壊したので(芯が出ないので分解したら元に戻らなくなった)グリップの良さそうなシャーペンと芯を買いに行こうかと。
その前に「影の騎士真珠の姫」改稿もありますが。さっき少し変えたのですが、何かまだ不自然で。
エッセイの勉強も書かないと。最近、アウトプットに力を入れています。ので今日も書き損じた代わりのノートが来たり、ほぼ日復活させてみたり。とノート手帳目白押しです。また母の機嫌が悪くなる。ゆうパックさえ来たらいいんですけどね。昨夜、いろいろ整理しました。パソコンデスクがスッキリしています。たまにやるといいですよね。
あ。シャーペン買わなくてもいいかも。ふと見ればまたシャーペン発見。グリップは太くないですが。
sarasaのビンテージカラーのペンがもう五色ありました。アマゾンで発見。Seriaでは売っていなかったけれど。
この後の話はまたエッセイの勉強で。アウトプットの大切さを非去りぶりに感じたので。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
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