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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第四十話 水のアミュレット~フィオナが叫ぶ。「この二人を早く恋人にしてー!!」

前話

 リアナとセイランは建物、恐らく寺院であったと見受けられる遺跡の中を進む。リアナはセイランの腕に捕まって本当に怖そうな表情をしている。そんなリアナを守ってやりたいと、上から目線ではあるが、思うセイランである。今時、守ってやりたいと言えば男尊女卑と振られるが、それでもリアナのあの絶望の目からは守りたかった。あの目は一生忘れられないだろう。
「セイラン?」
 いつしか思考の泉の落ちていたようだ。リアナの声で我に返る。どうやら最奥室までまっすぐ歩いたらしい。目の前にセイランのアミュレットが見つかった祭壇のようなものがあった。
「セイラン。奥の部屋に何か箱が置いてある」
 祭壇をまじまじと観察していたセイランはリアナの声で我に返るとリアナに近づく。
「開けて大丈夫? お化けでない?」
「こんなちっちゃな箱から出てきたら叩いてやる。大丈夫だ」
 うん、と小さくリアナは肯くとそこにはセイランが持っていたアミュレットと同じものがあった。ただ、加護するエレメントが違う。それは二人にもわかった。
「水……のアミュレット……?」
「だろう」
 セイレンがリアナの掌に落とす。
「やった。試練なしでもらっちゃった」
 るんるん気分のリアナの手からアミュレットが浮き上がる。星のペンダントにしまってあるセイランの火のアミュレットも内側から光る。ペンダントを開けると一緒に浮き上がり始めた。二つはまるで、恋人達のように踊り回る。その持ち主のセイランとリアナも距離が縮まる。
「セイラン……」
「リアナ……」
 二人は見つめ合う。お互いの姿が瞳に映る。
 以前、こんな風に誰かを見た覚えがある。二人はより一層、近づく。お互いの息が重なり合うほど近づいたその時、共鳴していたアミュレットが発光した。膨大な光に圧倒されて二人は何も見えなくなる。しばらくあった光は不意にやみ、残ったのはアミュレットと二人だった。
 そこへ発光現象を見たマルコとフィオナが駆けつける。
「リアナ! セイラン!」
「大丈夫か!」
 その声で我に返る二人は驚くほど近くで立っていた。二人は驚愕の声を上げて間を空ける。
「ちょっと! そんなに近くにいるのよ!」
「それを言うのは俺だ。どうして俺の側にいるんだ!」
 二人の痴話げんかにああ、とまた頭を抱えるフィオナとマルコである。あのまま放って置いた方が良かったのかもしれない。フィオナとマルコはそう思ってお互いを見る。
「何いちゃついてるのよ!!」
「って。リアナ。その掌にあるのは?」
 フィオナが気をそらせる。
「あ。水のアミュレット。どういうわけかここにあったの。試練なしでたすかっちゃった」
 きゃぴっと喜ぶリアナにこんなきゃぴきゃぴの乙女になれるならどうして素直になるのが難しいのか、と思う外野陣である。
「リアナ。星のペンダントにいれとけ」
「わかってるわよ」
 ツンケンする二人に二人だけをどこかの部屋に放り込みたいフィオナとマルコである。この二人はそんな事になれば大事になるのにリアナとセイランでは一ミリでさえ近づくのが難しいのが手に取るように解る。
「お願い。リアナ。そのツンデレ捨てて」
「フィオナ?」
 解っていないリアナにため息をつくとフィオナはセレスとシルヴァリアを探す。二匹ともリアナの側でパタパタと浮遊していた。
「ママとパパは難しいわね」
 フィオナが手を差し出すとセレスが止まる。
「セレスちゃんは私のー」
「おい。俺のセレスだ」
 ああ、とマルコがうなる。
「どうしたの?!」
「どうした!」
 二人の様子にさらにうなるマルコである。
 
 この厄介な二人を早く恋人同士にしてー。恋の神様!
 
 フィオナはうなるマルコの側にいながら恋の神様に叫んでいた。
 まだまだ恋の神様はうごかないらしい。
 
 恋の神様が動くのはいつの日になるのだろうか。
 それはまだ誰にも気づかぬ事だった。


あとがき

ああ。またストックがあと五つ。一応、今日は「風響の守護者と見習い賢者の妹」も二話程書いたけれど、飛んでも設定に向かってしまった。なんでこうなるのーと思いながら話の落ち着く先をなんとか見た。次の着地点ー!!です。朝活のアカウント作りで疲労困憊なので、明日「風響の守護者と見習い賢者の妹」二話一気に行きたいです。一話で終わるか? エンシャントウッド。星彩もまだまだ着地点に行ってないので、そこも書きたい。が、暇が無いので予約配信でまかなうこちらのアカウント。朝活は節約で課金してません。AIはChatGPTで十分なので。他のもので創作の設定を詰めるほど柔軟に対応できるモノはまだないですね。すぐ小説に書きましょうとか言うし。自分で書くってば、設定だけよ、と切り捨てました。
まぁまぁの出だしですな。朝活は。結構時間のあるときに記事を書いてます。こちらは載せすぎないように、と。フォロワーさんあちらはいませんが、こちらはいるので目の邪魔になってはいけないので。でも飛んで見て頂いている方もいるようでスキをありがたく頂いています。

ウサギ化してるので(あちら)たまにスキの餌とか言って遊んでます。フォローは確かお菓子。なんだかもうひとつあったような……。マガジン追加かフォローか。立って踊るとか書いてたような。

さて、ユメの設定に行きましょか。
ここまで読んで下さってありがとうございました。

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