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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第二十八話 星のペンダント。なにこの知らない物体は!?

前話

「さぁ。これが星のペンダントです」
 シェイラは一つずの一筆書きの星の印が記されたペンダントを渡していく。リアナは渡されたペンダントをまじまじと見つめていた。そこにさらにシェイラの声が入った。
「セイランにはこの炎のアミュレットを中に入れられる様にしてあります。リアナ達も手に入れたら入れていきなさい。それから、マルコは土の神殿のアミュレットを入れなさい。あなたは炎の力も持っていますが、やや土の力に偏っています。土の神殿に行けばいいでしょう」
「へー。やっぱりマルコは土の神殿なんだ」
「らしい、な」
 セイランはリアナのからかいの言葉をさっと流して返事する。
「ちょっと。パパ。どうしたの?」
「パパはセレスの時だけだ。こんな若い夫婦いたら怖い」
 セイランの言葉に面白げなマルコとフィオナである。その表情にリアナは言う。
「あんた達。まさか……」
「な、わけないでしょ。私には華麗な結婚式があるんだから」
「はいはい、玉の輿ね」
 リアナはフィオナの夢を一蹴する。
「もめてないで、このペンダントと仲良くなりなさい。ここには星の宝石の欠片が入っています。私との連絡が容易になります。これを上手く使いなさい。困ったときには、リアナ、あなたの力になれるようにしますよ」
「シェイラさん……」
 リアナは目をかけてくれるシェイラに涙ぐむ。
「泣いている時間はありません。グレートマザーと会うためには試練があります。今回のようにお互いを助けながらできる試練ではありません。リアナ。あなたに問われる試練です。気を引き締めて行きなさい。今、私から言える事はここまで。試練の内容には触れてはいけないのです。ただ、言える事は、あなたの周りにはたくさんの仲間がいるということ。フェアリードラゴンも二匹に増えました。きっと力になるでしょう」
「シェイラさんも体験したの?」
 詳しい口ぶりにフィオナが聞く。
 ええ、と言葉少なに語る。
「怖かった?」
「私には仲間がいませんでした。一人で試練を受けました。だけど、あなた達は違う。お互いの強みも弱みも知っている間柄。きっと助けになります。リアナが越えなければならない壁です」
「越えなければいけない壁……」
 何か思うように一人リアナ言う。セイランがリアナの手をギュッと握る。
「セイラン?」
 びっくりしてリアナはセイランを見上げる。この短期間の間に、随分背が伸びた。いつの間にこんなに頼りになる人となったのだろう。リアナはいつの間にかセイランを大事な存在と思うようになっていた。絶対に見失ってはいけない人、と……。だが、それをセイランには告げていない。心の叫びもしていない。そっと壊れそうなガラス細工のような気持ちだった。
 
 グレートマザーの試練。
 それはどんなものなのか。リアナは星のペンダントをギュッと握りしめて、思をかみしめていた。


あとがき
お待たせしましたー。「星彩の運命と情熱」ですー。今日朝から必死こいて書きました。たた千字に苦悩する書き手。週末のスケジュールを立て板のですが、朝は最初の数行で放り出して買い物逃避に行きました。帰ってから書いたのですが、さらに先ほど手を入れました。更新の時間は朝活にも設けてありますが、この一日の間にももうけています。朝に更新がなければこの時間帯です。特に休日は。仕事の陽はもう暑さと仕事の疲れでばったり。執筆も止まります。でも、今日も野球中継がある。その間に今度は「風響の守護者と見習い賢者の妹」の次話を書きます。で。今日は土曜日なので少し今までとは毛色の違ったシリーズ14話目をこれから載せます。少し読み込んで帰るかもしれませんが。
明日は同時に更新できるといいのですが。一日一話では時間がもったいない。それではここまで読んで下さってありがとうございました。。

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