澄川市物語 二章 二人の四旬節 第一節 冬初め
坂木水脈はカフェ・ノスタルジアの片隅の席で会社の書類を広げていた。思わず、うなり声がでる。水脈はもう四十過ぎになる。初老のアラフィフに近い。だが、結婚もせず水脈はキャリアを重ねてこれまできた。その後の事など考えたことがなかった。純粋培養とでも言おうか。恋に関してはまったくの子供だった。そこへ、百戦錬磨とでも言う顔を持った五十代初めの男性が近づいてきた。
水脈は気づいていない。男性は白いマフラーをして先ほどまで外にいたのがわかった。
「お嬢さん。そんなに眉間にしわを寄せていればせっかくの薪の香りも逃してしまいますよ」
「お、お嬢さん……」
水脈はぽかんと口をあけて男性を見上げた。男性は穏やかな声で「篠原勇二」と名乗った。旅をしながら詩を書いて本を売っているといった。うさんくさい職業に水脈は警戒した。かといってこんなおじさんがロマンス詐欺を仕掛けているとは思えなかった。あれはネットでの事件。
「お嬢さん、というほどの年齢じゃありません。仕事してるんで」
きっぱりはっきりプライベート空間へ入らないで、と言ったのに男性はにっこり笑うと向かい側に座った。
「ちょっと!」
「あいにく、席がないんでね」
見渡すと大勢の客で店は賑わっていた。まったく耳入っていなかった音が急に飛び込んでくる。
「誰にもじゃまされない隅の席はここでね……」
そう言って勇二はホットワインを頼んだ。
「クリスマスならホットワインだろう」
こんな昼間っからお酒なんてという顔をしていた水脈はまた顔をしかめた。
「別に、あなたが何を頼もうか知りませんわ」
「そうピリピリしないで。クリスマスの一ヶ月は楽しまないと」
「私はここで書類と楽しんでいたんですが」
「ホントに困ったお嬢さんだね」
「だから!」
「お嬢さんはやめて、だろう? 私から見れば君はまだまだ若い。恋も知らなさそうな女性の目をしている」
「そりゃ、知りませんけど……」
ぶつぶつごにょごにょご水脈は言う。
「とにかく! 私は坂本水脈。四十二です。お嬢さんではありません!」
「それは失敬。名前があるね。じゃ、水脈さん。席いいかな?」
「もう座って注文もしてるじゃないですか」
怒鳴りたいぐらいのイライラを覚えるがここは穏便にと穏やかな声を絞り出す。
「すまないね。ここがスキなんだよ。暖炉のそばでね。君が動こうにも店があれではね」
くいっと顎をうごかして店内を指す。
「そうね。ここはいいカフェだものね。私もホットチョコレートを頼むわ。仕事にならないし。すみません。ホワイトホットチョコレートを」
手を上げて店員を呼び寄せると水脈は頼む。
「ホワイトとは珍しいね」
「これこそクリスマスならではです」
すました顔が妙に可愛かった。勇二は過去のあの人との顔がぶれた。軽く悟られないように首を振る。
あれはもう終わった……。遠い昔の出来事……。
二人の四旬節は今、始まったばかりだ
あとがき
人物指定などオリジナル。舞台も。設定の一部チャットGPT4のあらすじ。ほぼゆがめてしまいました。クリスマスなんて一言もでてないのに最終的にはクリスマスの話にしてしまった。やりやすいんよね。これの方が。
で、インスタのメッセージの項目、ブロックされてるってやっぱり思った。フォロー互いにしてないと字がでてたので。今は弄ることもメッセージ送ることもしていません。ただ、ひどい人だったなぁと思うと同時に私コミュ障?と疑ってます。現実の知り合い関係がほしい。キャンプできるような。グルキャンしたいんですよね。マシュマロも焼いてみたい。インスタにのどかな映像があってマシュマロは嫌いだけど一度ぐらいはしたいな、と。
デイキャンプ繰り返すのみ。キャンプ仲間募る。
フォロワーも募る。
現実のお友達になれる人も募る。京都住まいです~。関西の方よろしく。
グルキャンしたいです~。そして何ヶ月ぶりに創作を書きました。これはどこの分野だろう。短いんですがね。恋愛物語ではある。が、人の行きかう舞台がメイン。いろいろな人の物語が出来てくるんですよ。だから澄川市。
京都市イメージして。かといって京都市にしたら誤解生む。のでまったく日本のどこにもない市を作り上げたのでした。どっかで同じ名前でも関係ありません。オリジナルです。
では、投稿してゆっくりします。フォロワー50人までお待ちしています~。