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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:風響の守護者と見習い賢者の妹 第二十三話 セイレンとレオポルトの焦り

前話

 なんだかんだで、避暑地に来た一行である。レオポルトだけがこんなにのんびりとして良いのか、と憂慮していたが、周りに押されてきてしまった。ユレーネやリリアーナが屈託なく笑っているのを見ると危機感は薄れそうだったが、やはり、気になる。
「セイレン。こんな女性恐怖症を克服するためだけにここに来ていいのか?」
「レオポルト様もそう思われているのですね。私も嫌な予感がするのです。これはこれで楽しいでしょうが、一刻も早く風の国の民を救わないとiけないと思うのです。ですが、それには及ばぬ私の力故に、このような事に。すみません。剣もろくに扱えません。これで王に戻る、とはいい加減すぎますね」
 レオポルトは悩んでいる少年王の頭をぐりぐり撫でる。
「お前が、お花畑の中にいるわけではないとわかっただけいい。ここでも少し、弓を使った練習をしろ。ローレライに頼めば快く引き受けてくれるだろう。魔力の方はエンシャントウッドに行くしかないが、弓ならここで気兼ねなくできる。やっておけ」
「はい!」
 セイレンの表情は久しぶりに明るかった。レオポルトが兄のように同じ思いを持っていたからだろうか。焦る気持ちを理解してくれる人がいるというのはこんなにも心強いのか、とセイレンは思っていた。
「頑張ります! ローレライ様!」
 セイレンははじめて人の輪の中に飛び込んで行った。レオポルトが同じように焦っていると言うことがセイレンに新たな力をもたらしていた。自分の気持ちを、そうだね、と肯く人がいれば人は変われるのだ、とセイレンは新に感じていた。
「ローレライ様。来た早々ですが、弓をお教えくださいませんか?」
「いいわよ。セイレン。私達に敬語はいらないのよ。同じ仲間なんだから」
「そうよ。セイレンは私のお婿さんだもの!」
 リリアーナが抱きつく。それを必死で剥がす兄、レオポルトである。
「ローレライ。すまんが、セイレンに基礎をたたき込んでやってくれ」
「それぐらいならお安いご用よ。さぁ。セイレン、弓を選びに行きましょう」
「はい!」
 まるで姉と弟のようだ。苦虫をかみつぶしたように見ているのは婚約者、いや、あと一日で夫となれたニコだけだ。
「ニコ。ローレライはあなたとだけの式しか望んでないわよ。ここでガーデンウェディングでもする?」
 ユレーネが言う。
「今更式を延ばす延ばさないで文句はいいませんよ。ただの男の嫉妬です」
「まぁ、男だらけの合宿生活長かったものね」
「そうなのです。セイレンは虫を見ても悲鳴を上げるぐらいでして……」
 つい先日を思い出す。
「リリアーナがかたつむりを飼っていた話に震え上がっていたぞ」
 レオポルトが楽しげに話す。
「ちょっと。妹の恋路を邪魔するんじゃ無いわよ」
「今更邪魔はしないが、セイレンはセイレンで考えていることがありそうだ」
「ありそうだって?」
 リリアーナが聞く。
「それは本人から聞け。俺の口から言うことではない」
「意地悪ー」
「意地悪だ。にいちゃんは。セイレン! 俺も見てやる」
 そう言ってレオポルトもセイレンとローレライの後を追いかける。
「変なお兄ちゃん」
「レオはセイレンの気持ちをわかっているのよ。同じ立場の人間として」
 ユレーネが言う。
「それって王様って事?」
「そうかもしれないわね」
 ユレーネはそう言って三人が向かった先に視線をやった。
 ユレーネもなんとなく感じていた。これでいいのか、というレオポルトやセイレンの気持ちに。民を統べる者にしかわからない憂慮を二人は抱えているように思えた。もっとも自分も女王として同じ思いを抱かねばならないのだが。どちらかというとレオポルトに任せっきりである。
「私もしっかりしなきゃね。ニコ。帝王学の本なんてここにあるの?」
「先ほど業者から大量に本を持ってこさせていますから一冊ぐらいはあるでしょう」
「そう。じゃ、リリアーナをお願い。私は勉強してくるわ」
「行ってらっしゃいませ」
「ええ」
 ユレーネも消えてニコとリリアーナだけになる。
「残ったのは私達だけど、何するの?」
「そうですねぇ。まずは皆様お腹を空かせて戻られるでしょうから軽食でも作りましょうか」
「わーい。ご飯だー」
「今、食べませんよ」
 リリアーナが厨房に向かう。ニコも後を追ったのだった。


あとがき
あー。朝寝タイムがいる。頭がぼー。プレガバンは今朝は一錠でトライ。この後、買い物が。お菓子、何買おうかなーとかいいつつ。この物語に出るハプニングまであと少し。予定外の流れとなり、次、本当に魔法の修行?? さっさと旅に出た方がいいんじゃないの? という次第です。まぁ、向こうで何かハプニングを作るつもりです。一応ChatGPTの力も借りてますが、いつの間にか自分で書いて横道それすぎ。ここまでで二十話越えるの? です。目的地が遠い。頭もはたらかない。これでは漢検の試験勉強もすすまない。昼頃から復活するはずなのでそれを期待してます。

さて、めぐりズムでもしますか。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

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